とうとう念願のリールを手に入れることができた。
それが、’19セルテートLT3000XH。
もう使いたくって使いたくってしかたがなかったが、コンディションが悪い状態が続いていたため、なかなか使えずにいた。
ご近所サーフの状態も落ち着き、うねりは残るもののようやく釣りできるようなコンディションになり、ようやくセルテートを使える時がきた。
デザインは歴代セルテートと比べてシンプルにはなったものの、機能面ではすこぶる評判の良い’19セルテート。
現時点ではまだ4回程度しか使っていないが、そんな中での使用感を素直に述べてみたい。
ロッドと合わせた感触
合わせるロッドは、いつものラフサーフ88。
これまでラフサーフには、290gの’17ツインパワーXD4000XGと190gの’12レアニウムCi4+C3000HGの2台を適材適所で使っていた。
ツインパワーXDは重量はあるものの、ラフサーフと合わせると逆に持ち手のバランスが良く、巻きの釣りはもとより、ショアジギングなどのジャークを入れるような釣りに意外と適していた。
軽量なレアニウムとの組み合わせでは全体のタックル重量が軽いため、大きくロッドを煽るエギングなどの釣りには適していた。
そして、今回の’19セルテートは225g。重量的にはこれらの間、さらにレアニウム寄り。
歴代セルテートのようなやたら重い感覚もなく、ラフサーフと合わせてもちょうど良いタックルバランス。
とくにバランスの良さを感じるのは、サーフエギング。
サーフエギングではエギのフォール時にラインが波やうねりに触れないよう常にロッドを立てるため、さすがにツインパワーXDだと重くて腕が疲れる。
もちろん、レアニウムよりは重量はあるが、’19セルテートくらいの重量なら先重りもなく、違和感なくサーフエギングを楽しむことができる。
キャスト
キャスト時のライン放出は、とてもスムーズ。
’19セルテートに採用されているスプールは、ロングキャストABSスプール。これまでのABSスプールと比べて飛距離が5%ほどアップとのこと。
実際に5%伸びているかは分からないものの、スプールからのライン放出はとてもスムーズ。
ライントラブルも、今のところ皆無。
ただ、シマノのAR-Cスプールと比較してどうかと言われると、大きな違いまでは感じない。
そもそも、ロングキャストABSスプールでは、エッジ部分に段差がついているが・・・
これってよく見ると、AR-Cスプールのエッジと同じことじゃね?
スプールのエッジリングを前方に出すよう、’19セルテートではこれまでのABSスプールを改良したとのことだが、これってシマノのAR-Cスプールの構造に近づいているようにも思えるのだが・・・
まぁ、そこらへんの詳細については、セルテートをもう少し使い続けてから述べてみたい。
ベール周り
ベールタイプ
シマノとダイワのリールで大きく違うところの一つに、ベール周りがある。
シマノの細いベールと異なり、ダイワのベールは中空タイプののエアベール。
シマノのベールは細いので、無理な力を掛けると変形してしまうことも。
その点、ダイワのエアベールはこれだけ太いので、そう変形することはない。
開閉は軽くソフト
ベールの開閉を音で例えると、シマノのリールは開くときも閉じる時もカチッと、ハード。
セルテートは開くときはサクッ、閉じるときはパコン。どちらかというとソフトなイメージ。
ベール周りのトラブルは、今のところゼロ。
ソフトだからといってキャスト中や巻きの途中でベールが勝手に返ってしまうことは、今のところなし。
ベールの音とか感触にこだわるほうではないし、トラブルなく普通に使えているので、使用上これといって不満はない。
シマノのベールは安心感があって良いが、ダイワのベールも軽快な感覚で、これはこれで良い。
狭い開き角度
’19セルテートはツインパワーXDと比べ、ベールの開き角度が小さい。
この角度の違いによる影響は、ライン放出時とベールが勝手に戻ってしまう不安。この2つだろう。
キャスト時は必ず人差し指でフェザリングしてライン放出を抑えているので、ベールの開き角度が与えるライン放出時への影響はそれほど感じていない。
それよりも、ツインパワーXDよりも小さいベール開き角度では、ベールが勝手に戻ってしまうのではという不安はあるかもしれない。
しかも、ベールを返す時にシマノリールのようなカッチリ感がないことも、こうした不安を増長する要因かもしれない。
今のところはベールが勝手に戻るトラブルは起こっていないが、今後もそのトラブルが起こらなければ、あとは信じて使えばいいだけ。
巻き感
ツインパワーXD4000XGよりも初動は若干重いかな〜とは思ったが、カッチリ感があってメタルジグなど重量のあるルアーをグイグイ巻ける。
「セルテート」という先入観も多少入っているかもしれないが、実際に弾き抵抗の強いメタルジグやミノーなどもグイグイ巻ける。
メタルモノコックボディの効果か?大口径ギアの効果か?それとも、ギアの噛み合わせの良さ?
どれか一つの要因ではなく、複合要因での効果だと思うが、とにかく巻きは力強く、心地よい。
もちろんまだ新品だからというのもあるだろうから、もっと使い込んだときにはこの巻き心地にどの程度の変化があるのか?
長期耐久性におけるセルテートに搭載されているタフデジギアとシマノのHAGANEギアとの比較がメインになるだろうが、今後はそのへんに注目、確認していきたい。
ドラグ
’19セルテートでもう一つ、印象的だったのがドラグ。
ドラグの効き具合が違う
ダイワのリールに採用されているATD(オートマチックドラグシステム)は、シマノリールのドラグと比べてみると明らかに違う。
ここで、愛用しているツインパワーXDを、シマノリールの代表として比較してみる。
まず両者のドラグの差を感じたのは、サーフエギングでエギの操作をしているとき。
緩めのドラグでエギを操作してみると、両者のドラグの違いがよくわかる。
ツインパワーXDのドラグは初動時は強く効くものの、いったんドラグが動き出せばスーッと滑る。
対して、セルテートのATDは初動時からドラグが停止するまで、平均した一定の力で効いている印象。
最初のフッキングを確実にするにはツインパワーXDのようなドラグの効き方がベターなように思えるが、セルテートのATDドラグの方が一定のテンションでバレにくいようにも思える。
セルテートのATDドラグの真骨頂は、魚の引きの強さに応じて効きが増すことのようだが、実際に魚を掛けたときの効果はどうなのか?
まだ魚を掛けてはいないので、今後はそこのところにも注目していきたい。
ドラグ音が小さい
もう一つ、ドラグに関して気になることが。
それは、ドラグ音。
シマノのリールとは対照的に、このセルテートはドラグ音が小さい。
ドラグ音が小さいことで気になったのが、ナイトでのサーフエギング。
エギをしゃくった時にドラグ音で緩め具合を確認するわけだが、ドラグ音が小さいと波の音に消されて聞き取りづらい。
これまではそんなにドラグ音まで気にしたことがなかったが、いざサーフエギングをしてみると意外に気になる。
静かな場所での釣りや、渓流のヤマメやイワナなど音に敏感な魚に対しての釣りではドラグ音が小さい方が良いのだろうが、ソルトで使うならばもう少しドラグ音が大きくても良いかな〜とは思うね。
それこそ、ドラグ音の大きさを調整できる機構なんてあれば良いのだろうけどね。そこまでの需要があるかは置いといて。
耐久性
耐久性といえば、大型魚を掛けたときの耐久性,長期の耐久性,海水に対する耐久性など、いろんな耐久性がある。
前者はもう少し長期でみないと判断できないので、今回では海水での使用に対する塩噛み等への耐性メインで話をしたい。
購入から現在まで4回程度の釣行回数になるが、これまでと変わらず、釣行後はラインローラーとスプール部分を中心としたシャワー水洗。
水洗後はすぐにハンドルを高速回転し、ボディを大きく3〜4回ほど振って水気を切り、冷暗所で乾燥。
もちろんこの程度の使用でシャリ感が出るようではダメだが、いまのところはそのような症状はまったく出ていない。
ラインローラー部のマグシールド効果
そんな塩噛みへの耐性で特に注目している機能が、ラインローラー部のマグシールド。
中には初期不良があってすぐにラインローラーからシャリ感が出たり、マグシールドが外へ漏れたなんてこともあると聞くことが多い。
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少なくとも今回入手したセルテートに限っては、こうした初期不良はなさそう。まずは一安心といったところ。
ツインパワーXDのラインローラーでは、Xプロテクト(ラビリンス構造+DG18特殊撥水グリス)を採用しているが、こちらの塩噛み抑制効果は明らか。
さらには自己メンテが可能なので、ラインローラー部のトラブル頻度は大幅に減少した。
対してマグシールドによる塩噛み抑制効果は、どの程度のものなのか?
マグシールドは自己メンテ厳禁ではあるが、自己メンテせずにどれくらいの海水による耐久性があるものなのか?
Xプロテクトと同程度の耐久性であれば、マグシールドよりも自己メンテが可能なシマノのラインローラーが上になるが、Xプロテクトをはるかに超える耐久性であればマグシールドを見直すだろうね。
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ダイワユーザーの中でもマグシールド不支持はおり、マグシールドレスにするユーザーもいるようだが、実際のところはどうなのだろう?
今後の使用で、そんなところにも注視したい。
T型のハンドルノブが指になじむ
’19セルテートのハンドルノブは、T型のハイグリップライトを採用。
これまでのダイワのT型ノブは、見た目もずんぐりしていてカッコ悪いと思っていたが、’19セルテートに採用されているものはラバー製でマット仕上がりになっているので、しっとりと指の腹になじんで滑りにくく持ちやすい。
さらに中抜きがされており、サイドから見た感じも以前のものよりカッコいい。
ハンドルノブをサードパーティー製品へカスタムする人も多いが、このハンドルノブで充分。
ラインストッパーがクセになる
’19セルテートから採用された新型のラインストッパー。
ダイワもシマノも含め、ラインストッパーだけはいつまでも使いづらくて進歩がないので、「こんなもんいらない」と常日頃から思っていたのがラインストッパー。
そんな中、’19セルテートでダイワがようやくラインストッパーを使いやすいものにしてくれた。
太めのリーダーでも細いPEラインでもカチッと挟め、これまでのようになかなか挟めずにイライラすることもない。
なにより、あまりの気持ちよさにクセになるほど。
地味な改良ではあるものの、このラインストッパーだけでも’19セルテートを購入してよかったと思ってしまうよね。
まとめ
以上、まだ使い込んでいないものの、現時点での’19セルテートLT3000XHの使用感を自分なりに述べてみた。
とにかく、使ってすぐにシマノリールとの顕著な違いを感じたのは、ベール周りとドラグ。
あとはもう少し長期間使い続けないと、明確な違いは見出せないかな〜と。
今回の’19セルテートではLT3000XHを選択したわけだが、おなじ3000番のCXHのほうがボディがコンパクトで軽いので、そちらの方が良さげにも思える。
しかし、CHXはそのぶんギアが小さいので、巻き取りパワーもXHに比べて小さい。
またサーフで使用するなら4000番クラスが定番になるだろうが、LT3000XHはよりオールマイティに使え、使い勝手が良いだろう。
所有している’17ツインパワーXDと’12レアニウムCi4+はオーバーホール中なので、しばらくはセルテート一択で使いながら性能を見極めたい。
せっかく念願のセルテートを手に入れたわけだから、味わいながら扱っていきたい。
とにかく、自分が理想とするリールは、丈夫で長期間トラブルなく使い続けられる、味のあるリール。
今回入手した念願のセルテートはその理想のリールであることを信じて、これからも使い続けたい。
これではやくデカい魚を掛けたいですなぁ!
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