ダイワのマグシールドのクレームについて考えてみた

タックル

ダイワリールに備わっている防水性能技術「マグシールド」


※出典:ダイワHP

もう周知の防水技術であろうから、技術的な詳細説明は割愛。

マグシールド搭載のリールが発売されてすでに5年ほど経っただろうか?メインシャフト部に入れたまでは評価はそれなりに良かったように記憶している。

しかし、ラインローラー部のボールベアリングに搭載したマグシールドに関しては、かなりの不具合を聞く。

インターネットで検索しても、マグシールドの不具合に不満を漏らすユーザーは多い。

今回は、このマグシールドについて、不肖ゆたりなが思っていることを述べてみたい。

とはいっても、マグシールド技術を否定する内容ではないので、悪しからず。

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マグシールドをリールに適応させようとした発想は素晴らしい

別に「マグシールドはいらない」とまでは思わない。


※出典:ダイワHP

磁流体技術をリール内のシールドへ応用させた発想は素晴らしいし、そこの開発ってかなり難しかったと思う。開発スタッフの苦労は相当なものだったと予想する。

ゴムパッキン等で外部からの海水侵入を物理的に遮断するが普通の考えだと思うが、それを流体技術でやってのけようとする発想は素晴らしい。

ただし、発想と現実は異なる。「発想は」素晴らしくとも、「製品化」が素晴らしいとは限らない。

製品化時点での検討が甘かった?

メーカー側が発表しているユーザーアンケートでは良好な結果を示しているが、インターネットや身近な評価を聞くと、かならずしも同じような評価を聞くことは無い。

インターネット上に掲載している情報の信頼性も考えなくてはならないが、総合的にみて、メーカー側とユーザー側とのギャップの開きはかなり大きいと思われる。

そのギャップの原因は何か?

発想や技術開発は素晴らしいのだが、ネット上だけでもこれだけ不具合を多く訴えられているということは、製品化段階での検討が甘かったのではないかと考えられる。

一般的に想定される使用環境でのテストは、釣りに熟練したフィールドスタッフ等が実際に使用することで、充分なテストはしてきたと思う。

問題は「想定外の使用」。

ユーザー側というのは、メーカー側が想像もつかないような使い方をするものだ。

リールなんて、落とすこともあるだろうし、マグシールドを過信して釣行後に洗浄しないなんてことはザラだろう。根掛かりした時にスプールを押さえてラインを引っ張って切ろうとすれば、ラインローラー側に極度の力が加わることで、ベアリング側にも影響が出るかもしれない。

重心移動型ミノーだって磁石を使っているものがあるのだから、磁力の強いものと一緒に保管した場合などは、明らかにマグシールドに影響を与えることだって予想できる。高温多湿も然り。

その上で、許容範囲が小さすぎれば、製品としては当然使い物にならない。

少しの使用条件変更でも大幅に性能がブレるようなものは、通常であれば、製品化の対象にはならないはずである。

ダイワ自らがハードルを上げ過ぎた?

恐らく、マーケティングや販売側にも問題はあると思う。

まず一つ、矛盾を感じたのは、「入念なメンテナンスは必要ない」と言っときながら、これまでと同様、オーバーホールは年一回を勧めるって・・・「どっちやねん!」ということ。

オーバーホールを依頼するのだってお金と期間が掛かるんだから、これまでとおなじオーバーホールメンテナンスだったら、「マグシールド入れたって意味ないじゃん!」と思うよね。

マーケティングや販売側は、この技術に自信が無いのかな?

また、「すべてのリールが過去になる」というのも、ちょっと誇大広告ではないかなと思う。

そこまで言ってるんだから期待して高額のリールを買ったはいいが、すぐゴリゴリ・・・そりゃぁ高い金額をつぎ込んだユーザー側にしてみれば「言ってることと違うべよ!」と思うよね。

事実、知り合いの釣具店からは、「マグシールド搭載リールについては、いつクレームが来るか、こっちもビクビクしてるんだよね~」という声も聞いている。そんだけ販売店側に不安を持たせるようでは厳しいよね。

いずれにせよ、自社製品のハードルを上げ過ぎて広告している感は否めない。

まとめ

「リールだって工業製品だから、品質のバラツキは仕方ないんだよね」とは理解してくれている人はいる。

しかし、その品質バラツキを最小限にすることが、メーカー側の課題でもあるわけだ。そこをメーカー側が「仕方ない」で済まされては困る。

また、マーケティングや販売側と、開発や品質管理側との摺り合わせがうまくできていないのことも予想される。

とはいえ、すでにこれだけの誇張された宣伝広告をしているわけだから、マグシールドを上回る技術が出てこない限り、今更別路線へ移るのは極めて難しい。

まだまだマグシールド戦略について、物申したいことはあるのだが、それはまたいずれ。

ダイワのマグシールドについて、今後の戦略をどうするのか?注目したいところではある。

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