デュエル独自のPEラインである、アーマードライン。
デュエルのアーマードラインは、アーマードF+プロを最上位機種として、グレードによってラインナップがされている。
最も多い時では、アーマードF+プロから始まり、アーマードF+,アーマードF,アーマードS,アーマードと、「そこまでいらんだろ!」ってくらいのラインナップがされていた。
そして、2021年現在は、アーマードF+プロ,アーマードF+,アーマードFに、さらに鮎釣り用のアーマードFHのラインナップにまで縮小。
特に最上位機種のアーマードF+プロについては、これまで愛用していた200m巻が廃盤になってしまったほど。
このことから、デュエルのアーマードライン販売戦略が苦戦していることが容易に想像できる。
>> アーマードF+プロから、デュエルのライン販売戦略を考える
ここまでアーマードラインが普及しなかったのは、単にデュエルの販売戦略に問題があったわけで、過去にはアーマードF+,現在ではアーマードF+プロを使用している本人としては、間違いなく良いラインだと実感している。
アーマードF+より下のグレードのものは使ったことがないが、上位2機種のアーマードF+とアーマードF+プロについては、一定以上使い込んでいるため、それなりのことは熟知しているつもり。
そこで今回は、デュエルのアーマードラインを勝手に応援する者として、アーマードラインの特徴から、上位2機種(F+とF+プロ)の違いを解説しようかなと。
ちなみに今回の解説では、専門的な細かい構造の説明は一切せず、あくまでも使用感を中心に述べていきたい。
そのため、メーカーであるデュエルHPに掲載されているデータとは若干異なるかもしれないが、あくまでも実際に使って感じたことを中心に述べていく。
両ラインとも1年以上使い、特にF+プロの方は現在進行形で5年以上使い込んで熟知しているので、まだアーマードラインを使ったことがない方や、アーマードラインを実際に使った方も、ぜひ読んでほしい。
デュエルHPを見ても違いがよく分からないという人も、読んでいただければそれなりに理解できるかと思う。
【参考記事】
>> 【アーマードF+(デュエル)】1年間使い続けての感想を正直に述べてみた
>> 【アーマードF+プロ(デュエル)のインプレ】1年間使用した本音を解説
アーマードライン共通の構造
アーマードラインは、従来の、編み込み式のPEラインとは大きく異なる性質を持つ。
アーマードライン共通の構造は、下記の2点。
・繊維を束ねただけの単線構造
・フロロ素材による独自コーティング
この2つの特徴がうまく組み合わさって、アーマードライン特有のメリットが生まれている。
アーマードライン共通の特長
高感度
アーマードラインは編み込まないことで、繊維間の余計なあそびがなくなる。
これによって直線の伸びが少なく、着底やリトリーブ中の水中感度も良くなり、微妙なアタリも取りやすくい。
高耐久性
通常のPEラインのように編み込んでいないものの、直線強度,スレ強度ともに強い。
これには、アーマード独自のコーティング技術が寄与している。
その独自コーティングの恩恵は、ライン寿命にも良い結果を生んでいる。
ほとんど色落ちしないと言って良いほど色落ちが極端に少なく、コーティングそのものが剥がれにくいため、長持ちする。
表面が滑らか
アーマードラインは単線構造に特殊コーティングが加わって、独特な表面の滑らかさを生み出している。
この滑らかさは飛距離アップや強風下での操作性以外にも、あらゆるところで効果を発揮。
その中でも、自分が使って特に思わぬ効果を感じたのは、海水の持ち込みの少なさによるラインローラー部への影響。
水切れが良く、リトリーブ中に海水の持ち込みが少ないので、ラインローラー中のベアリングへの潮噛みが極端に少なくなったと感じている。
アーマードライン共通の欠点
ここであえて欠点としたが、特徴的なアーマードラインゆえの懸念材料もある。
巻きグセ
アーマードラインを使用してすぐに分かるのが、この巻きグセ。
一般的なPEラインではまず巻きグセなどつかないだけに、アーマードラインの巻きグセは確かに目立つ。
ただしこの手の巻きグセは、ナイロンやフロロのようにライントラブルの元となるようなものとは大きく異なる。
キャストやリトリーブ中に悪さをすることはないし、真っ直ぐに伸ばせばすぐに巻きグセは取れる。
さらに使っているうちに巻きグセは弱くなるので、さらに気にする必要なし。
キンクの発生
アーマードラインのもう一つの欠点は、キンクが発生しやすいこと。
特にリーダーとの結束などで、糸ヨレが強くある時に強引にラインを伸ばそうとした時にキンクが出やすい。
キンクは強い糸ヨレが発生しているときに起こりやすいが、近年の糸ヨレが発生しにくい機構を備えたスピニングリールでは、糸ヨレ由来のライントラブルはほとんど発生しない。
もちろん、釣りでの使用中にキンクが発生することはまず無いので、そこは気にする必要はないだろう。
【F+とF+プロの違い】
以上、他社製のPEラインには無い、オリジナル性を持ったアーマードラインの構造と特徴を述べてみたが、ここでは各特徴ごとにF+とF+プロとを比較してみる。
表面の滑り具合
F+
表面の滑り具合は、触ってみると両者で明確。
アーマードF+の表面は、どちらかというと軋むような感覚がある。
対してアーマードF+プロの方は、F+よりも明らかに滑りが良い。
実際の飛距離や使用感で大きな差は感じられなかったが、気付かないような効果はあったかもしれない。
まぁ気持ち的にも、滑らないよりは滑るほうが良いでしょ。
引張強度
F+ ≒ F+プロ
引張強度は、数値上も使用感からもほぼ同じ。
コーティングが多少取れた状態でも、直線強度はほとんど変わらない印象。
安物のPEラインにある強度ムラというのは、いずれのラインでも経験したことがない。
余計な編み込み工程を入れてないため、局所的な応力が発生する可能性が無いのも、安定したライン強度が出る理由なのかもしれない。
コーティング強度
F+
コーティングの強度では、アーマードF+プロが断然上。
特に見た目から明らかなのが、リーダーとの結束部分。
F+は結束部分のコーティング剥がれによる毛羽立ちが出るが、F+プロでは毛羽立ちは出ない。
F+で見られる結束部分の毛羽立ちは確かにあったが、実釣ではこれで結束強度が低下したという感覚は得られなかった。
しかし、この見た目でアーマードラインを見限った人も多かったろう。
アーマードシリーズ発売最初の一発目がF+だっただけに、この結束部分の毛羽立ちは致命的と言っても過言ではない。
発売一発目を、満を持して最高品質のF+プロにしておけば、もう少し世の評価は高かったかもしれないだけに、この部分だけは悔やまれる。
また、F+は一定の引張強度を超えると、瞬間的にコーティングが粉末化して一気に飛散するという現象も実際に確認している。
過去にエイを掛け、何度もラインを出されてのやり取りを繰り返した際にスプールを確認したところ、粉末化したラインコーティングが飛散していたことがある。
やり取りの途中でラインブレイクは起こらなかったものの、一気にコーティングが取れてしまっては、もう巻き替えするしかない。
長期耐久性
F+
先程のコーティング強度とも共通している点があるが、長期耐久性も明らかにF+プロが上。
F+は劣化が進むと最終的にはPE繊維がバラけてしまうが、F+プロは劣化が進んでも毛羽立ちが多少出る程度。
F+プロは普段は1.0号200m巻で1年以上は使い続けるが、巻き替え直前でも毛羽立ち意外に多少断面が平たくなる程度しか劣化しない。
コシの強さ
F+ ≒ F+プロ
コシの強さはどちらもほとんど変わらず。
アーマードラインの特徴でもある巻きグセの強さも、だいたい同じ。
価格
F+
もちろん、最高グレードであるF+プロの方が価格は上・・・ではあるが・・・
Amazonで販売している1.0号(150m巻)で価格比較(2021年4月現在)すると・・・
アーマードF+ ・・・ 1,500円
アーマードF+プロ ・・・ 1,866円
しかし、0.8号(150m巻)では、F+の方が高いという逆転現象が見られる。
在庫状況によっては価格が変化するようだが、他の号数で価格比較しても、せいぜい200円程度の差しかない。
まとめ
今回はアーマードラインの上位機種であるF+とF+プロの違いを中心に解説してみた。
性能差はもちろんのこと、Amazonのように価格差が最大200円程度であれば、F+プロを選んだ方が断然お得。
店舗によってこれ以上の価格差があるのなら、耐久性や表面の滑り具合を考慮しつつ、どちらかを選ぶのも良いだろう。
個人的には、トータルのコストパフォーマンスではF+プロ一択。
長期耐久性を重視しているので、多少の価格差はあっても、今はF+プロ以外のアーマードラインは使わない。
しかし、残念なことに、愛用しているF+プロの200m巻が廃盤となってしまった。
>> 【残念】アーマードF+プロの200m巻が廃盤!どうしよう・・・( ノД`)
下位機種のF+の200m巻はまだ残っているのに、なぜ最上位機種であるF+プロの200巻は廃盤となってしまったのか?
この調子でいくとアーマードラインそのものが廃盤になりそうな気がしないでもないが、廃盤にならない限りは使い続けていきたいと思う。
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