アーマードF+プロから、デュエルのライン販売戦略を考える

タックル

不肖ゆたりなが相変わらず愛用し続けているラインに、デュエルのアーマードF+プロがある。

他のPEラインのように撚らず、PE繊維をフロロ樹脂で束ねるといった、特殊構造のラインになっている。

これにより、通常のPEラインには無い優れた利点があるわけだが、発売から数年経っているにもかかわらず、お世辞にも多くのユーザーに認知されているとは言い難い。

特殊な構造キワモノ扱いされているのも要因の一つとは思うが、アーマードF+プロ自体の性能や品質にはまったく問題ないと思っている。

それよりも、単にデュエルの販売戦略に問題があるのではと、以前から感じていた。

そこで今回は、おせっかいにもアーマードF+プロがなぜそんなに普及しないのか、思うところを述べてみたい。

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ショアからの釣りはアーマードF+プロ一択でOK

キュレーションサイトなどでは、「お勧めしたいPEライン」の10選とか20選とか言っちゃっている記事をよく見かける。

「そんなにあったら、もうオススメも何も無いジャン!」と思ってしまうのは、オレだけだろうか?

本当におススメというなら2つか3つくらいならまだわかるが、もう10~20もおススメなんてあり得ないでしょ!

オレ的にはハッキリ言って、ショアからの釣りではアーマードF+プロ一択。

ライン構造からみても、実際に使った感触からみても、現時点ではトータルコストパフォーマンスはこれ以上のものは無いと思っている。

これを上回る性能のギミックを持っている製品が出ない限り、他のラインに鞍替えするつもりはない。

それほどこのアーマードF+プロが気に入っている。

アーマードF+プロの具体的な利点については過去記事にいろいろと述べているので、ご参照いただきたい。

アーマードラインの欠点に「巻き癖」を挙げている人もいるが、ナイロンラインやフロロラインにつくトラブルの元となる巻き癖とはかなり質が異なる。

欠点にならない範疇の巻き癖だと思っている。

アーマードF+プロそのものは、変な先入観や思い込みを入れずに使ってもらえれば、このラインの良さを理解してもらえるものと思う。

中途半端な商品を最初に発売してしまった弊害

アーマードラインについては、最初に「アーマードF+」のプロじゃない方が発売。

その際に、世間では「リーダーとの結束部分にコーティング剥がれが出る」との悪評が多く流れてしまった。

確かに結束部分がささくれのようなコーティング剥がれは見られたが、実際に使用してみると強度は充分であった。

劣化すると断面が真円を保てなくなり、コーティングが剥がれて束になっていたPE繊維がパラパラと剥がれるのは確認できたが、オレ的にはそれでも使用上は充分満足できるものであった。

しかし、実際の強度は充分であっても、一般の人は見た目の状態で偏見が入ってしまうのはある意味しかたがない。

すぐ後になってさらに上の性能を持つ「アーマードF+プロ」が発売。

結束部分のコーティング剥がれが出なくなり、耐久性も大幅アップした。

しかし、すでに「プロじゃない」方での偏見を持ってしまっている人にとっては、バージョンアップ版であっても改めて使う気にはならないだろう。

いや、そもそもアーマードシリーズが出る前に、同じ編み込まないタイプの「スーパースムーズ」なる安価なラインが出たときは、さらなる酷評だった。

これで「デュエルのラインはク〇ライン」とのレッテルを張られてしまった感は否めない。

一度、ク〇ラインのレッテルを張られてしまっては、その後の改良版を出したとしても「どーせ同じだろ!」と言われてしまうのは当然だろう。

なぜグレードを落とした製品群を揃えるのか?

また、せっかくアーマードF+プロという高性能の製品があるのだから、それよりもグレードの低い製品群を備える必要性はない。

アーマードF+プロと同じタイプの安価なラインを用意し、アーマードラインを幅広い方々に使ってもらって良さを理解してもらいたいという気持ちも分かる。

しかし、かえってグレードの低いラインを使って、悪い面が表面化することで評価が下がると、同じ構造の別グレードのラインも同様に思われてしまう。

新規の製品こそ、中途半端な状態ではなく、できるだけ完璧な状態で上市すべき。

最高性能のアーマードF+プロだけで勝負したほうのが変な誤解を持たれず、純粋に評価をしてもらえると思うのだがね。

中途半端な商品ラインナップはいらない。

新規開発のラインだからこそ、最高性能のアーマードF+プロだけで勝負すべきだと思う。

なぜ自社製品との性能試験を統一しないのか?

デュエルのホームページを拝見すると、アーマードF+プロで示した耐摩耗性試験と、ハードコアX8プロで示したそれとでは、試験内容が異なる。

【アーマードF+プロの耐摩耗試験】
自社摩擦試験機にてサンドペーパー(#240)に対し、
鉛20号の負荷で一定速度繰り返し擦りつけ、
1号のラインが破断するまでの回数を計測。
10回計測を行い、その平均を求めた。

【ハードコアプロの耐摩耗試験】
紙ヤスリに繰り返し擦りつけ、糸が破断するまでの回数を測定。

しかも、試験で使用する紙ヤスリは#800、PEラインはX4プロでは2号、X8プロでは5号での試験。1.5号までしかないアーマードF+プロとは敢えて比較していないように思える。

せっかくアーマードF+プロが優れているなら、思い切って他製品とデータ条件を揃えて表示した方が良いように思うんだが。

なーんか中途半端な説明だよね。独自開発のアーマードラインを自信を持って勧めるのなら尚更だと思う。

各ラインの利点と用途を明確に示すべき

あと、各ラインの使い分けなど、両製品を出しているメーカー側の意図が良く理解できないため、直接デュエルへ問い合わせたところ、下記のような回答をいただいた。

性能面では、直線強力は同等ですが、アーマードF+Proの方が耐摩耗性・飛距離・操作性において勝り、ハリ・コシがあってトラブルも少ないため、ルアーやエギングなどのキャスティングに向いています。
船釣りなどにおいては、しなやかなハードコア X8プロの方が向いています。

こういうのって、デュエル側はもっとアピールした方が良いと思う。

「これまでの編み込み式PEラインを上回る性能をもった新規ラインを開発したのに、なぜまた従来とおなじ編み込み式のPEラインを発売したの?」と思ってしまうよね。

オレ的には「アーマードラインがあれば既存の編み込み式PEラインはいらない」とすら思っているのに、「メーカーであるデュエルはアーマードラインに自信が無いの?」と思ってしまう。

使い分けができるのであれば、それを明確に示した方のがユーザーは疑問なく選択できると思う。

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まとめ

思ったところをざっくばらんに述べてしまったが、個人的にはアーマードF+プロの良さはもっと評価されても良いはずと思っている。

別にデュエルのプロスタッフやテスターになろうなんてこれっぽっちも思っていないが、単に自分が良いと思っているラインがなぜこうも普及しないのかという、苛立ちに近い感情がある。

そんな感情は自分勝手なものであることは分かっているが、せっかく良いラインを独自開発したのだから、デュエルには是非とも頑張っていただきたい。

別にデュエルがどうなろうと知ったこっちゃないが、アーマードF+プロが無くなってしまっては個人的には非常に困る。

それ以上の優れたラインがあれば話は別だが、現時点でのショアキャスティング用ラインとしては、アーマードF+プロがダントツ。

これぞまさに不肖ゆたりなのおススメのライン。

これまでのPEラインに不満がある方は、是非とも使ってみることをお勧めする。

実際に使ってみて何か問題があるようならば、本ブログにコメント入れていただきたい。

かなり使い込んだ自負があるので、お答えできることがあれば何なりと答えていきますよ!

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コメント

  1. booska より:

    ご無沙汰です。
    アーマードF+プロの0.4号をお試しで使っております。
    ライントラブルが全く無く満足しています。

    ただし、リーダーの結束時、強く締め込むとF+プロが細くなります。私は、気になって少し弱めに締め込んでいました。強度的に問題ないのですね。

    また、アーマードF+プロには、ノーマル、アジ・メバル、ロックフィッシュetcがラインナップされていますが性能の違いがあるのでしょうか?
    ホームページを見るとカラーや号数が違うだけで、魚種別に商品がなぜあるのか疑問です。

    今度、アジ・メバルのピンクの0.4号を購入してみようかと考えています。
    ノーマルのイエロー0.4号と視界性etcを比べてみようとおもいます。

    • ゆたりな より:

      ブースカさん、どーもです!

      使っていて分かりましたが、通常のノットで言われているような強い締め込みまでは必要ありません。表面のコーティングに食い込んでいれば十分というイメージでやると良いと思います。強く締め込んだとしても強度上は問題ないですが、あまり意味ないかなとは思います。

      ターゲットに応じた製品が出ていますが、マーキングが異なるだけで製品そのものは全く同じです。私もそんな多くのラインナップにしていることに疑問に思っていますが。そう言ったことを考慮すると、デュエルの販売戦略のヘタさが如実に出ているような気がします。

      個人的には1.2号を出してほしいのと、大容量の500~1000m巻きを出してほしいですね。

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