【ゆたりな流】ラインローラーのベアリングメンテナンス方法

ラインローラーのメンテナンス、皆さんはどうしているだろうか?

「ラインローラー部分は海水に最も触れるところなので、ベアリングでなく樹脂カラーで充分!」という方も中にはいるだろう。

しかし、糸よれによるライントラブルを防ぐ意味でも、やはりラインローラーの回転を滑らかにするベアリングの装着が必須だと、個人的には思っている。

ラインローラーのメンテナンスについては、youtube動画や他のブログなどを参考にしつつ、いろんなことを試行錯誤してきた。

【過去の試行錯誤の記録】
>> ツインパワーXDのラインローラーへグリスアップしてみた 簡単で防水機能up(2017/10/16)
>> 特殊撥水グリスDG-18(シマノ)でラインローラーをメンテしてみた(2017/8/9)

安いベアリングで使い捨て感覚の人も中にはいるが、昭和生まれのビンボー症である不肖ゆたりなは、ケチケチ戦法で良質のベアリングをできるだけ長く大事に使いたい派。

そこで今回の記事では、ベアリングの洗浄からグリスアップまで、自分なりのラインローラーメンテナンス方法を公表したいと思う。

ここではシマノ製リールに限っての紹介となっているので、ご了承くださいね。



【クセになる】ラインローラーベアリングの洗浄手順

この方法はちょっとチマチマと面倒ではあるが、ベアリング内部の汚れ具合がハッキリと目視で確認できることが最大の特徴。

やってみると分かるんだけど、汚れが見えるのってクセになるのよね~。メンテナンスしてる満足感がハンパないっていうか。

また、専用のメンテナンスグッズ等を利用しないので、ベストとはいかないにせよ、ラインローラーの性能を維持するのであればこれで充分と思っている。

ベアリングの洗浄方法は、Xプロテクトで採用されているラインローラー一体型のものも同じやり方でおこなっている。

【用意するもの】
・綿棒
・高浸透パーツクリーナー
・エアダスター
・ポリ容器(小さければOK)

綿棒は、ラインローラー周辺のパーツに付着した汚れを除去することが主な目的だが、綿棒の先端にベアリングをはめてエアを吹き付けたり、回転の具合を確認したりもする。

だから、綿棒の先端は赤ちゃんの耳を掃除するような小さすぎるものではなく、それなりの大きさのものが良い。

まぁ、普通の綿棒であればOK。

パーツクリーナーは多くの人が使用する速乾性のものでなく、遅乾タイプで浸透性が高い高浸透パーツクリーナーを使用している。

別に速乾性タイプでも効果は同じかもしれないが、ラインローラーに使用するベアリングはふたがしてあるシールド型のものなので、できるだけ少しの隙間からも充分に浸透させるため、この高浸透パーツクリーナーを使っている。


エアダスターは、パーツクリーナーでベアリングを洗浄後、ベアリング内部に残った汚れとパーツクリーナーを吹き付けて除去するために使用する。

エアダスターはホームセンターで売っているもので充分。


ポリ容器は、こんな100ml容器を使用しているが、ベアリングとパーツクリーナーを入れて浸漬するだけのものなので、もっと小さいものがあればそれでも良いし、別にガラス容器でも良い。

こーんなベアリング用の洗浄ケースなんか使えばなお便利だろうが、ホームセンターで売られているポリ容器で充分。

そこは使いやすいものをチョイスしていただければ良いかなと。

【手順1】パーツクリーナーへ浸漬


まずはベアリングをポリ容器へ入れ、ベアリング部分の内側にある隙間にノズルを向けてパーツクリーナーを吹き付ける。


そのままベアリングをパーツクリーナーへ浸し、ばらく浸漬しておく。

高い浸透力のあるパーツクリーナーなので、ベアリング内部の汚れ成分へもしっかり浸透させるよう、10分程度浸漬しておけば良いかな。

浸漬時間は、正直言ってテキトー。まぁ10分もあれば充分でしょ。

【手順2】エアダスターでベアリング内部の汚れを飛ばす


充分にパーツクリーナーへ浸漬したベアリングを取り出し、ベアリング内部にある汚れとパーツクリーナーを除去するために、ベアリング内側の隙間から何箇所かに分けてエアダスターを瞬間的に吹き付ける。

これを裏表おこなう。


ベアリング内に錆や汚れがあると、写真のようにエアダスターによる圧力でベアリング外へ飛び出し、ベアリング表面や綿棒に汚れが付着する。


ベアリングを外すと、綿棒にはこんなに汚れが。こんなベアリング内から出た汚れを丁寧に拭き取る。

汚れが多いようならば、この【手順1】と【手順2】を繰り返し、汚れが出なくなるまでおこなう。

汚れが出なくなったらベアリングを回転させてみて、ゴロ感などの引っ掛かるような感触がなくなればOK

何度も洗浄を繰り返しても引っ掛かりが残るようならば、これはもうアウト。そうなったら廃棄して、新しいベアリングに交換だね。

【手順3】ベアリング内部に残ったパーツクリーナーを充分に飛ばす

ベアリング内部やラインローラーの隙間に残ったパーツクリーナを除去するため、再度シールドベアリングの隙間からエアクリーナーをていねいに吹き付ける。

パーツクリーナーが除去できたという目安は無い。だから、判断はテキトー。

まぁ、しょせんは溶剤なので、エアであるていど吹き付けとけばすぐに揮発するでしょ!

ラインローラーへのオイルやグリスアップについて

ラインローラーのオイルやグリスアップについては、Xプロテクトで採用されている一体型ラインローラーと、Xプロテクト非採用のものとで、以下のようにやり方を分けている。

・一体型ラインローラー(Xプロテクト) : 特殊撥水グリス(DG18)
・Xプロテクト前のラインローラー : オイル

Xプロテクト未搭載のラインローラーへはオイルを

Xプロテクト未搭載のラインローラーへも特殊撥水グリスを使ってみたこともあったが、あまり効果は無いかなーと。

使えないことは無いんだけど、あのXプロテクト構造があるからこそ、特殊撥水グリスの効果が発揮されるように思う。


だから、Xプロテクト未搭載のラインローラーには、このシマノの専用オイルを使用。
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釣行後はラインローラーをていねいに水洗いをし・・・


オイルインジェクションから一吹きと・・・


あとは、ラインローラーの隙間から専用オイルを一吹き。

このやり方が結果的にメンテナンスが簡単で、これを毎釣行後におこなっておけば、ベアリングも間違いなく長持ちする。

ベアリング一体型ラインローラーへは特殊撥水グリス(DG18)を

Xプロテクトで採用しているベアリング一体型ラインローラーへは、専用の特殊撥水グリスDG18を使っている。

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ただし、塗布する部位がポイント。

特殊撥水グリスは外からの海水や汚れの侵入を防ぐ効果に注力すべきで、ベアリング内部へ入れるまでしなくて良い。

そのための具体的なグリスアップ手順を以下、説明していく。

ベアリング一体型ラインローラーへのグリスアップ手順

Xプロテクト採用のラインローラーは、このような部品構成。以前のラインローラーに比べて部品数が少なく、非常にシンプルな構成となっている。

この場合、一体型ラインローラーの両側から2つのベアリングカラーで塞ぐことで、ラインローラー内部にあるベアリングへの海水や汚れの侵入を防ぐような構造になっている。

そのため、グリスアップする箇所は、以下の2箇所へすれば充分。

【Xプロテクトラインローラーのグリスアップ箇所】
・一体型ラインローラーのベアリング部分両側
・ベアリングカラーの内側部分

【手順1】ベアリングカラー内側へグリスアップ


ラインローラーを両側から挟み込むラインローラーベアリングカラーの内側へ、グリスをたっぷり塗布する。

【手順2】一体型ラインローラーのベアリング側へグリスアップ



一体型ラインローラーの内側(赤丸部分)のベアリング部分両側へ、グリスをたっぷり塗布する。

この際、無理にベアリングの内部へグリスを強引に入れる必要はない。あくまでも特殊撥水グリスで外部からの海水や汚れの侵入を防ぐことが目的だからね。

【手順3】パーツを組む


このように各パーツへグリスアップできたら・・・


あとはベール側から各パーツを順番にセット。


後はラインローラーへラインを通して動かし、異音がせずにスムーズに回転できていればOK。

ベアリング内にグリスを入れるべき?

今回のメンテナンスでは、ベアリング内へのグリスアップはしていない

ただ、ベアリング内部にオイルやグリスを入れ込むための「ベアリングリフレッシュセット」というものがあって、これでベアリング内部にグリスを強引に入れるyoutubeやブログを多く見かけるが、果たしてそこまでする必要があるのだろうか?

実はこの不肖ゆたりなも、このベアリングリフレッシュセットの購入を検討したことはあった。

確かにシールドされていないベアリングには有効だとは思うが、シールドベアリングの少しの隙間に高粘度グリスをこれで無理やり加圧して入れると、ベアリング内部が破損する可能性がある。

また、ベアリング内部に高粘度グリスが充填されていると、回転時に余計な負荷が掛かって逆に回転性能を損なう可能性もあるだろう。

さらにメンテナンス時には内部の古いグリスを除ききれずに残留してしまい、逆にベアリングの劣化を招きかねない。

だから、ラインローラーのボールベアリング内には高粘度グリスを入れず、ベアリングの外側を防水グリスで塞ぐのがベターだと、今の時点では考えている。

ラインローラーメンテナンスのタイミングは?

ラインローラーのメンテナンスするタイミングだが、こればかりは釣行頻度や釣行時間等によっても違ってくるだろうし、人によってタイミングの基準も違うだろうから、どれが正解という明確なものはない。

ただ個人的には、2つほど目安を設けており・・・

一つは、(1)リールを巻いたときのシュルシュル音が気になり始めたとき

気になりだしたら釣りに集中できない性分だから、引き延ばしせず、ちょっとでも気になったら直ちにメンテナンスするようにしている。


そしてもう一つは、このように(2)ラインに泡ゴミが多く付着したとき

夏場のサーフの波打ち際あたりによく浮いているが、ラインがこうした泡ゴミを拾うことが多い時は、ラインローラーへも海水や汚れが多く付着するので、このような時は必ずメンテナンスしている。

この2つの目安でメンテナンスしているが、ラインローラーで致命的なトラブルは、今のところゼロ。

このように、自分なりにメンテナンスのタイミングを設けると良いだろうね。



まとめ

このように、ラインローラーは、ボールベアリングそのものにオイルを差すより、外部からの海水や汚れを侵入させないことが最も大事という結論に達した。

レアニウムとフリームスはこの方法でベアリング洗浄し、スペアのベアリングとローテーションで使い続けている。ツインパワーXDは一体型ラインローラーで高価なので、スペアなしで洗浄している。

あとは釣行のたびにラインローラー部分への水洗いを念入りにし、まめにバラして掃除やグリスアップをして、ベアリング内部へ海水や異物の混入がないようメンテナンスしておけば充分。

ツインパワーXDで採用されているXプロテクトのラインローラー部分は構成パーツが少ないので、従来のものよりメンテナンスが非常に楽なので、慣れてしまえば苦にはならなくなるはず。

それに、Xプロテクト搭載機種の場合、シマノのオーバーホールへ出せば、たいていは新品のラインローラーを無償交換してくれるので、日頃はラインローラーをまめにメンテナンスしつつ、定期的にシマノのオーバーホールへ出しておけば、余計なトラブルや出費も抑えられるはず。

ツインパワーXDをオーバーホールへ出すときはラインローラーの不具合は伝えてないのに、毎回ラインローラーだけは無償交換してくれているので、おそらく一体型ラインローラーはオーバーホールの無償サービスに含まれてるんでしょうね(メーカーへは未確認)。

以上、こんな感じで現在はメンテナンスしているので、もし興味があれば、試してみてくださいね〜。ただし、何かあっても自己責任で!

あと、もしご自分なりのメンテナンス方法などあれば、是非ともコメントください。いろんなご意見を参考にさせていただきます!

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コメント

  1. エアーダスターはし使用していませんでしたー^^;
    こんなに汚れを吹き出す事が出来るんですね!!
    いい勉強になりました♪

    自分はソルトの場合、釣行2~3回でグリスアップを行いますので、その時にラインローラーをバラシて注油もしています。

    トラウトはワンシーズンに2回ほどです。

    レガリスやカルディア、ルビアスはラインローラーにベアリングを追加しています。
    最初はヘッジホグさんのベアリングを使用していましたが、今はアマゾンで購入した安いベアリングを入れてます。

  2. ゆたりな より:

    チンパパさん、いつもありがとうございます!

    綿棒とエアダスターを使用する利点は、ベアリング内の汚れが目で見て明確に分かることです。

    その前は容器にベアリングとパーツクリーナーを入れてシャカシャカ振ってましたが、そんなもんではゼンゼン汚れが取れないし、ベアリングリフレッシュセットを使うと汚れが吹き飛びすぎてよく分からないのと、パーツクリーナーを無駄に大量に使用するので、今のやり方に落ち着いています。

    確かにやっすいベアリングで使い捨てるのも手だとは思うのですが、この方法で汚れが見えるのがクセになるのもあるんですよねー。(;´Д`A

    チンパパさんの釣行2,3回でグリスアップというのも、なかなかマメですよね。やっぱり、マメに掃除するのが一番かな!