ルアーフィッシングでは、「マッチザベイト」ということをよく言われる。
英語表記では”Match the bait”。要は、「ベイトに合わせる」こと。
ここでは、フィッシュイーターが捕食しているベイトと同じ大きさや形状,色等をルアーに合わせることと定義する。
実際の釣果報告やら動画等で、魚が釣れた後に何らかのベイトを吐き出したのと実際に釣れたルアーを比較して、「ほら、マッチザベイトでしょ!」と示しているのをよく見かける。実際にオレも本ブログ内で同じようなことをしたような覚えがある。
しかし・・・最近特に感じるんだけど、それってたまたまじゃないのかね?
最近のハタゲーム調査なんかでみると、パワーシャッド4インチで釣れてはいるが、吐き出しているベイトはほとんどがカニだし。それって形状からすると、マッチザベイトには程遠いんじゃないかね?
さらに、以前も記事にしたけど、じゃぁカニ食ってるからクローやホッグ系ワームなの?
クローやホッグ系って言ったって、大抵がザリガニの形じゃん!それにワーム素材だから柔らかいし。マッチザベイトってんなら、カニの形した方が良いだろうし、硬い素材の方が良かんべよ!
それに、釣れたごとに釣れた魚の腹の中を確認して、使用したルアーとを毎回比較して、「ほーら、マッチザベイトでしょ!」って証明してるんだったら納得がいくけど、たまたまベイト形状やサイズが似ていたときだけを捉えて言われたって・・・ねぇ。
以前からそんなことは常に考えてはいた。
当然、明確な答えが自分の中にあるわけではないし、間違えている可能性もある。それを承知で、問題提起的な意味合いも含め、この「マッチザベイト」について、自分なりに考えていることを述べてみたいと思う。
ベイトに似てさえいれば釣れるんかい?
実際のところ、ベイトに酷似したほうが釣れるのか?
ベイトの大きさについては、多少なりとも魚種によるベイトサイズの認識はあるように思う。
自分の経験だけで言うならば、ある時期のシーバスや、ソーダガツオ等の回遊魚などは、ベイトサイズにシビアな時は確かにあるなーとは感じている。特に回遊魚であるソーダガツオなんかは、シラスをベイトとしているときはジグには食わず、小さいサイズの弓ヅノばかりにヒットするということでも理解できるだろう。
一方、カサゴやハタ類の根魚や、ヒラメやマゴチといった底物については、ベイトサイズなんてものはほとんど関係ないように感じている。要は、「興味のあるものが近くを通れば食いつく」みたいな。マッチザベイトに適合しないから食わないということはあまりないと思う。
ちなみに、釣りビジョンのRock’n Fishだかで、折本氏が「体高の高いアジを捕食している時にはバルトが効く!」とか言っていたのを記憶しているが、それってどうなのかね?
ハタに関しては、オレはそんなの関係ないと思っているが。それよりも、シャッドテールのアピール力の大きさが効いているように思う。
よく、ベイトライクなルアーやワームが発売され、一時は爆発的に売れるようだが、定番になり得ないことが多い。ベイトに似ていれば釣れるんであれば、そんなルアーがもっと定番化しても良いものだが。
ベイトの大群がいたって釣れない時は釣れない
「マッチザベイト」だけが、ルアーフィッシングの中心的考えとは限らない。「魚影」もキーポイントにはなり得ると思う。
ベイトが多くいると、「チャンス!」と捉えることが多いが、常にそうとばかりは言い切れない。ベイトがいる中、ルアーを投げ続けても、まったく反応してくれないなんてことは良くある話。自分も何度かそのような経験はある。
要は、ベイトの魚影の濃さとフィッシュイーターの魚影の濃さがある一定割合で適合したときに、ルアーへの反応が良いようにも思えている。
例えば、ベイトは極端に少ないが、ベイト量に対してフィッシュイーターの魚影が濃い場合。
フィッシュイーター内でのベイト獲得競争が起こっている状況下では、ルアーへの反応も良いようにも思える。
逆に、ベイト量が極度に多く、ベイト量に対してフィッシュイーターの魚影が薄い場合。
これはフィッシュイーターにとってベイト獲得競争は無く、いつでも好きなだけベイトを捕食できる状況下にあるわけだから、敢えてルアーへ反応する必要性は無い。
こんな中で、マッチザベイトに適合させたルアーを流したところで、大勢のベイトと区別する要素が無いわけだから、ルアーを選択的に追う確率は格段に下がることは予想できる。
これ以外の外的要因が複数混ざることで、多少なりとも状況は変わる可能性はあるが、大方こんなもんなんだろうなーとは考えている。
まとめ
まとめと言っても、まだ自分の中では結論がまとまっているわけではないが、以上のようには考えている。
要は、ルアーフィッシングで大事なことは、ターゲットに気づかせ、興味を引き出す、これに尽きると思う。
その「ターゲットに気づかせる」ことは、マッチザベイトを主体に考えるよりも、ターゲットが居るところまで届かせる飛距離やレンジ維持,適度に目立たせるためのアピール力等が大事であると考えている。
釣れた魚が吐き出したベイトとルアーを比べて「マッチザベイトでしょ!」といったり、釣れた魚の腹の中を見たら空っぽなのを見て「ちょうどお腹が空いてたんだねー!」とか、アングラー寄りの勝手な解釈が過ぎるのではないかと思う。それらのケースに合わなければ、「リアクションで釣れた!」とか、もう完全に勝手な解釈が暴走しているようにも思えるんだけど。
間違えているとまでは言えないが、そういった強引な解釈こそが、ルアーフィッシングをする上での偏見を拡大させているような気もする。
それこそ、過去にもちょろっと載せたことがあるが、こーんなもんでも釣れるらしいし↓
上記写真は、小林重工が製造している8EN(バエン)。何年か前に富山の釣具店で購入したもの。
こんなんをタダ巻きしただけで釣れるらしい。これで釣れるって、それこそ「マッチザベイト」に当てはめるとしたら、何になるんだろうね?(・・?
バエンはたまーに試してはいるのだが、まだ一度もヒットには持ち込めていない。
たしかに使用頻度はかなり低いんだけど、オレ自身が「こんなんで釣れるんかい?」っていう偏見があるからなんだろうね。
いずれにせよ、「マッチザベイト」については、オレごときの頭ではまだまだ簡単に結論付けられない。
そこで、皆さんなりの「マッチザベイト」への考えなどあれば、この不肖ゆたりなにぜひとも教えていただきたい。
コメント
マッチ・ザ・ベイト…
フライをやってた自分には、マッチ・ザ・ハッチのが馴染みあるかな(笑)
個人的見解ですが、捕食者の偏食は、有ると思います。シラス付きとか実際に遭遇してますから(笑)
要は、捕食者が少ないエネルギーで効率良くエネルギー補給するために偏食すると思います。
偏食して居るときは、ルアーのサイズが重要で次にアクション・レンジ・カラーの順かな
でも偏食出来る程の状況が常にある訳じゃ無いのが自然界で…
そんな時には、食べれる時に食べれる餌を捕食するのがベターな選択なはず。
生餌で無いルアーフィッシングでは、基本的に魚のバイト(ヒット)は、出会い頭の事故みたいなモノと考えてます。
魚視点で言うなら視界もしくは自分の感知エリアに餌っぽい何かがある
→餌なら喰えばいいし違えば吐き出せばいいや
→でアタック
→やべえなんか引っ掛かって吐き出せねえ
→気付いたら釣られてる…
てのが実状かと…
こう考えるとルアーの選択よりも重要なのは、投げる数と飛距離・魚の居る場所探しって事になります。
管理されてるエリアや魚の付場が限定される内水面ならピンポイントで撃つ事が出来ますが海で、ましてや岸からのアプローチなら、なるべく広く探るしか無いのが答えかなと思います。
それでもマッチ・ザ・と言うなれば…
マッチ・ザ・サイズじゃないでしょうか
小田原のPさん、貴重なご意見をありがとうございます!
「捕食者が少ないエネルギーで効率良くエネルギー補給するために偏食する」というお考え・・・なるほど、そういう解釈ですか!参考になります。
後半に関しては、ほぼ私も同じ考えですね。ただ、ルアーの場合、たいていは興味。手が無い分、口で遊ぶしかないから、エサと同じように扱ってしまう。そんな感覚だと思っています。
「出会い頭の事故」をより多くすることが最優先事項と私も考えています。
カラーについては、否定するわけではないですが・・・優先順位は低いかな。
またいろいろとご意見お願いします! !(^^)!
ゆたりなさん、こんにちは!
今回は『ベイト特集』ということで、ベイトを追っている者として、現在の考えをコメントさせていただきます。(笑)
『マッチ・ザ・ベイト』
自分もサイズやカラーは全く気にしてません。
フラットを狙う時、ほとんどがアピールカラーと呼ばれるものを使用しています。
これは『気づいて・見えてなんぼ!』と思っているから。
サイズも極力大きいもの。
しかし、ベイトパターンによって、反応が良いもの・悪いものがあるように感じています。
これは、捕食パターン・波動・レンジが関係しているのではないかと、今は考えています。
『捕食パターン』と『レンジ』は、例えば中層にカタクチが居るとします。
フラットがその下に居て、群れから落ちてくるものを捕食している場合、中層から落ちてくるものによく反応するのではないかと思います。
またキスのようなベイトの場合、横に泳ぐ動きに反応が良いのではないかと。
(キスベイトは経験ありませんが・・・)
なので、『落ちてくる』『泳いでくる』ものが多少違っても、そのルアーに反応が良いのではないかと推測しています。
『波動』はよくわかりません。(笑)
それから、記事の『ベイトの大群がいたって釣れない時は釣れない』。
これは思いっきり賛成です!!
ちなみにベイトパターンで参考にしている動画がありますので、URLを貼り付けます。
https://youtu.be/lYYIndiypkE
鈴木斉氏のトークイベント映像ですが、前半と後半にベイトについて、『なるほど!』と思う話が出てきます。
よろしければ、時間が空いた時にでもご覧くださいね。
トモさん、貴重なご意見いただき、ありがとうございます!
やはり私も、「気づいてナンボ」だと思っています。その中でも、落ちる動作とフラッシング、これは確かに効くとは思っていて、それを含めての「気づいてナンボ」ですね。フラットなんて、私も「目立ちゃいいべ!」くらいにしか考えてませんもんね!
トモさんの理論は非常に興味深いですね。ベイトの動きのパターンに合わせるというのも確かに私も経験があります。ハゼパターンの時です。クロダイのズル引きなんかもある意味、その理屈ですよね。
教えていただいた動画、かなりボリュームがあるようなので、後ほどゆっくりと観させていただきます。
皆さんのお考えを聞くだけでも、とても面白い!また是非とも、この不肖ゆたりなに教えてくださいね!(^0^)
「マッチ・ザ・ベイト」から横道に反れますが、私の考えを・・・。
良くベイトが沢山いるからチャンスと言いますが、私は沢山いすぎるのもどうかと考えます(逃げ回っている状態は別ですよ)。
逆に全くベイトっ気が無いのも別の意味でダメですが・・・。
餌になるベイトは、常に捕食者に狙われています。そのベイトが堂々と泳ぎ回っている状態は、捕食者が近くにいないと判断します。少なくともそのベイトに似たルアーを敢えてチョイスしません。
どちらかと言うと魚にルアーを見つけて貰う事を考えます。私の場合は、リアクションか食わせかルアーのスピードの緩急を重要視します。
また、料理で魚が何を食べているかいつも確認しているので、そちらのデータを信じています。
他の方のコメントを読まずにコメント書いてみました。
同じ様な事を書いているか?全く別の意見を書いているか?
ちょっと楽しみです(笑)。
ブースカさん、貴重なご意見ありがとうございます!
確かにそうですよね!ベイトがわっさわっさと追われていなければ、単なる平和な海なわけですからね。騒いでいるくらいでないと、確かに釣りになりませんね。
いずれにしても、皆さん共通していることは、魚に見つけてもらうこと。見つけてもらうために必要なのは・・・そう考えれば、何が最優先事項かが容易に分かりますよね!
皆さんそれぞれ、独自の考えをもって釣りをなされてますね。その独自の世界観を創るのも、釣りの楽しみの一つだと思います。だから釣りは楽しい!
またいろいろとお話を聞かせてくださいね!(^^♪
初めまして。
初コメントさしてもらいます。
私もサーフルアーや、その他の釣りを楽しんでいるオヤジですが、ゆたりなさんがおっしやる通り、ルアーフィッシングにおいて重要なことは、いかにターゲットにルアーの存在を気付かせるかだと思います。
イワシの群れにイワシカラーのルアー投げてもね~…。
気付いてもらえるかしら、って思ってます。
で、赤金やら目立ちそうなルアーを投げるんですが結果がついてこず…。
迷走中です。
けこけこさん、アホアホブログへようこそお越しくださいました!
貴重なご意見をありがとうございます!
そうですよねー。そんで、イワシの模様をリアルにペインティングしたところで、それは全てコストとなって、価格に跳ね返ってくるわけですからね。
いろいろと迷走されているとのことですが・・・
迷わず投げろよ 投げればわかるさ アリガトーッ! Σ(゚Д゚)
迷わず、信じたルアーを投げ続けることで、新たな局面が見えてくるような気がします。目先を変えた時に、偶然バシッと釣れる時もありますがね。そこでハッと気づかされたことも多々あります。
とにかく、自分を信じて、キャストあるのみ!今後ともアホアホブログをよろしくです!
( ^ω^ )