【PEライン】原糸から編む理由,編み本数の違いなども解説

タックル

さて、表題を「PEラインの基礎知識」としたが、実はこの不肖ゆたりな自身、これまでPEラインについてあまり知識が無かった。

ホントに基本的なことすらも知らなかった。

それこそ、以前から疑問に思っていたのだが、「なぜPEラインは編んでるの?」から始まり、素材自体の知識すらまったくなかった。

「PEというくらいだから、ポリエチレンなんだろ!」程度のもん。

いや、厳密に言うと、ソルトルアーフィッシングを始めた5年ほど前、初めてPEラインの存在を知ったときにネット上で調べたことはあるのだが、いろんな情報が交錯しているため、詳細まで理解しきれなかったと言った方が正しい。

そこで今回は、改めて様々な情報を集めた上で、自分なりにPEラインの基礎についてまとめてみた。

とはいえ、あまりに専門的な用語や規格の詳細等まで述べてしまうと、情報量が誇大になり、結局は訳分かんなくなってしまう。

そのため、釣りで使う必要な知識で分かりやすくまとめ、その上で自分なりの意見も述べてみた。

あくまでも、PEラインに対してあやふやな知識である方への、導入部的な役割になればと思う。

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PEラインの原糸自体は変わらない

PEとは、原料の「ポリエチレン(PolyhEthylene)」を略したもの。

東洋紡とオランダのDSM社でライセンス生産している「ダイニーマ(Dyneema)」,アメリカのハネウェル(HONEYWELL)社の「スペクトラ(Spectra)」が、PEラインの大本となるポリエチレン原糸。

大抵のPEラインでは、原糸にダイニーマが使用されている。

一方、シマノのパワープロZは、スペクトラが使用されている。

細かい違いはあるようだが、大まかに言うと、ダイニーマに比べてスペクトラの方が原糸が太い。

故に、シマノのパワープロZは「原子が強いので、摩擦に強い」ということを売りにしているが・・・実際、過去にも使ったことあるけど、そこまでは感じなかったなぁ。

【ポリエチレン原糸の特性】
・低伸度
・摩擦や熱,紫外線に弱い

PEラインは数あれど、原糸自体は同じであることがほとんど。

したがって、ポリエチレン原糸を各社の糸編み技術やコーティング技術で加工することによって、各PEラインの特性を出していることになる。

そもそも、なぜ「編む」必要があるの?

そもそも、なぜ糸を「編む」必要があるのか?


PEラインに限らず、タコ糸やロープ等、多くもので糸が撚られているものを見かける。

蚕から採取される生糸は、繭からほぐし出した状態の糸ではあまりに細いので、そのままの状態では、とてもでないが糸としては使えない。

この採取した生糸を何本かを束にして扱いやすい太さにする必要があるのだが、そのまま束ねても、ばらばらになって扱いにくい。

これに軽く編みをかけることで、扱いやすい一本の糸にするというのが、「撚る」という本来の目的。

しかし、編みの密度や本数,編み方等に様々な工夫をすることで、強度や編み糸自体の滑らかさ,肌ざわり等に様々な効果が出るわけだ。

PEラインも、基本的には同じ。

しかし、PEラインの場合は、編む本数や密度等によって、さらなる効果を生み出しているのだ。

編み本数は多いと良いの?

PEラインは様々な製造要因によっても特徴が大きく変わるので、編みの本数だけで単純な比較はできない。

一般的には、4本編みと8本編みでは、下記のように言われている。

【4本編み】
・原糸が太い
 → 根ズレに若干強い
 → コシがあり、扱いやすい
・編み込みが粗い
 → 潮噛みや小さなゴミが絡みやすい
 → ガイドとの摩擦が多いため、糸鳴りしやすく、飛距離が若干落ちる
・製造工程が少ないので、コストが低い

【8本編み】
・原糸が細い
 → 根ズレに若干弱い
 → コシが無く、扱いづらい
・編み込みが細かく、断面が真円状に近い
 → 潮噛みや小さなゴミが絡みにくい
 → ガイドとの摩擦が少なく、糸鳴りが少なく、飛距離が若干伸びる
・製造工程が多いため、コストが高い

上記のようには言われているが、同製品での強度表記では4本も8本も「引張」の強度は同じ表記となっているのがほとんどだと思う。

まぁ、実際にも引張強度は変わらないだろうね。

「根ズレ」に対する強度についても、原糸が太い4本の方が若干強いと言われてはいるが、実際の使用ではそんなに変わらないんじゃないかなーといった印象がある。

要は、4本と8本とでは触った感触や滑らかさが明確に違うだけで、強度的な性能についてはほとんど変わらないようには思える。

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まとめ

PEラインに関しては大方のネット情報で間違いないとは思うのだが、情報の信頼度が出所によっても若干異なるようにも思える。

さらには、リーダーとの結び方をどうするのか?キャスト時に結び目を入れるのか?どのような釣りをするのか?ターゲットは?等・・・ラインを使用するアングラーの嗜好性によっても異なってくる。

最近は、8本編みを上回る12本編みのPEラインなんかも出てきており、編み本数が多くなる傾向にはあるようだが・・・それはそれでどうなのかなぁ?と個人的には感じているのだが・・・その議論に関しては、また後日。

したがって、自分自身がPEラインに対して「何を求めるか?」を明確にすること。

その上で、結局のところは「自分自身の感性を信じる」、これに尽きると思う。使ってみて、自分が良いと思っているPEラインが一番!

本記事にて、自分に合ったPEラインを選ぶ参考にしていただければ幸いである。

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