デュエルのラインであるアーマードF+プロを使い続け、早いもので今年で丸6年。
発売当初から一般的な撚りの入ったPEラインとは一線を画す構造の、アーマードF+プロ。
基本構造は「プロ」の前身であるアーマードF+(以下、プロ「じゃない方」と称す)と同じだが、構造はピュアフィッシングで出ているファイヤーラインが原型と言ってもいいんじゃないかな。
つまり、PE繊維をブレイドせずに束ね、さらにその表面および内部にもフロロ素材を浸透させて特殊コーティング。
これが、アーマードラインの構造。
細かいところで「プロ」と「じゃない方」との区別がなされているようだが、正直言って細かい違いまでは理解できていない。
しかし、「プロ」と「じゃない方」どちらも使い倒したが、すべてにおいて「プロ」は別格。その違いは、使い比べれば明らか。
そんなアーマードF+プロは自分にとって現在も主力のラインだし、今後も廃番にならない限り、使い続けるのはほぼ間違いない。
これまでもファーストインプレッションから使い込んで新たに判明したことなど、アーマードF+プロについては何度も記事にしてみたが、今回の記事で最終結論とし、この記事を完結編とする。
そこで今回はアーマードF+プロについて一般的なPEラインにはない利点はもちろんのこと、一般に欠点と言われているところについてもコメントしてみたい。
▼関連記事▼
アーマードF+プロを5年以上使い続けている6つの理由
高い長期耐久性
アーマードF+プロをいまだに愛用している最大の理由。それは、ズバ抜けた長期耐久性。
一般的なPEラインと比べてもライン表面の毛羽立ち具合が極端に少なく、色褪せも極めて少ない。
高切れ等の不意なラインブレイク、ほぼゼロ。
根掛かりした時でも、切れるのは大抵リーダーのチモト部分。
これまではメインで1.0号,リーダーはフロロの16Lbsを使用していたが、ガッツリ根掛かりでラインを切りたいとき、むしろ強すぎて切れずに苦労するほど。
しかもその状態が初期のときだけでなく、長期にわたって高いレベルで維持されているのがすごい。
つまり、アーマードF+プロは、長期にわたっての強度劣化が極めて少ない。
コシが強い
アーマードF+プロは、特殊コーティングゆえにコシが非常に強い。
このコシの強さゆえにとても扱いやすく、ライントラブルの発生も少ない。
ガイド絡みもしにくく、風があるときのキャストでもガイド抜けが非常に良い。
他のPEラインと比べても、風への影響を受けにくい。
もちろん、キャスト時はスプールエッジを軽くフェザリングする等の基本的なラインメンディングが前提ではあるが、とにかく既存のPEラインと比べても圧倒的にトラブルが少なく、非常に扱いやすい。
強度バラツキが極めて少ない
アーマードF+プロは、ライン上の強度バラツキが極めて少ないのも大きな特徴。
安価なものや輸入もののPEラインのように、使用中不意にラインが切れたりといったことは、これまでの記憶では一切ない。
とくにがっちりと根掛かりした時などは、ラインが切れずに困ってしまうことも。
もちろん大物が掛かったときなどは、リーダー側で切れたことはあっても、メインラインであるアーマードF+プロ側で切れたことはこれまで一度もない。
号数に対してのMAX直線強度(公証)はハイグレードなよつあみラインと比べると低く、使ってみてもだいたい公証の通りかなと。
ただし、使っているとその数値以上の強度を感じる。
おそらくその理由は、先ほども述べた長期耐久性もあるだろうし、一本のライン全体にわたって強度バラツキがほとんどないというのもあるだろう。
実際に使った感覚としては、強度ムラがなく、ライン上のどの位置でも最大直線強度にほぼ近いとも感じている。
スレに強い
アーマードF+プロは引張強度だけでなく、スレへの強度も高い。
ちょっとやそっとの擦れでは切れないほどの強度がある。
単なる根ズレだけでなく、スピニングリールでのキャスト時に人差し指で引っ掛けるときも同様。
通常のPEラインだと指を掛ける部分は傷みやすく、ロングリーダーにして指に掛かるところまでの長さでリーダーをとっている人もいるくらいだが、アーマードF+プロではそこまで心配する必要すらない。
1日程度の釣行ならば、キャスト時にガイド内に入らないくらいのリーダー長に設定しても、ぜんぜん大丈夫。
自分の場合はだいたい週3回,1回につき2時間前後の釣行時間で、1カ月以上はPEライン先端を切ることないからね。
仮にライン表面に多少の毛羽立ちがあっても、引張強度はそれほど変わらない。
アーマードラインでは、表面のコーティング素材が毛羽立っているだけなので、PEラインそのものの強さが極端に落ちているわけではない。
そのため、アーマードF+プロにしてからは、PEライン部分からの高切れは極めて少ない。
何度かキャスト時にスプールを返し忘れたことがあったが、それでもラインが切れることが無かった。
その時は、ロッドやリールが破損するかと思って、逆に焦ったくらい・・・(;^_^A
表面が滑らか
アーマードF+プロは、表面が非常に滑らか。
しかも、この滑らかさが長期間持続。
編み込まない単線型であることに加え、特殊コーティングの効果も加わり、指先で触っても引っ掛かりが一切感じられない。
ちなみに、アーマードF+プロを使ってからは「PEにシュッ!」などの無溶剤タイプのシリコンスプレーは一切使用していない。
シリコンスプレーなんて使わなくても、表面の滑らかさは長期間にわたって持続しているのだ。
この滑らかさはキャスト時のガイド抜けの良さからくる飛距離upや風の影響を受けにくいこと意外にも、大きな効果を発揮している。
ラインキズが目視で判別しやすい
これまでのPEと違ってアーマードF+プロは、根ズレや劣化した時のライン表面の傷が目視で判別しやすいのも特徴。
これまでのPEラインは編み込み式であるためか、ちょっとしたライン表面の傷が判別しにくく、見落とすことも多々あったため、思いがけないラインブレイクも多かった。
一方のアーマードF+プロは編み込んでないストレート構造なゆえにキズやササクレなどの表面の変化が非常にわかりやすい。
キズが入っている部分をすぐに見つけてカットすることで、不意なラインブレイクを未然に防ぐことも可能。
糸鳴りが、ほぼゼロ
通常の4本撚り,8本撚り等、撚り糸タイプのPEラインの場合、特に強風下での巻き取り時にガイドとの摩擦音がキュルキュル・・・と、けたたましく響く。
一方のアーマードF+プロは、PE繊維を束ねただけの構造なので、同サイズのPEラインと比べても表面積が少なく、風への影響が少ない。
さらには断面が真円を維持しているのでガイドとの摩擦が少なく、強風下でも糸鳴り音はほぼゼロに近い。
糸鳴り音による釣果への影響は厳密には分からないが、釣りする際に不安要素が一つでも減ることで、安心感がまるで違う。
ラインに付着したゴミが取れやすい
さらにアーマードF+プロは、ラインにまとわりつく、細かいゴミが取れやすいこと。
特に夏の時期にサーフで釣りをしていると、波裏や岸際にある泡状のゴミや、細かいアオサのような切れ藻をメインラインが拾ってしまい、ラインを張ると「物干しざお状態」になることも。
気付くとスプールにゴミごと巻き込んで、これが次のキャスト時に引っかかって、エアノットなどのライントラブルの発生にも。
しかもこのゴミ、PEラインの編み込みに絡みつくと、指や爪でしごいて取ろうとしてもなかなか取れない。
表面がツルツルのアーマードF+プロなら、そんなラインに絡みついた細かい泡ゴミや切れ藻なども比較的スルッと、きれいに取れる。
海水の持ち込みが少ない
さらにもう一つの効果は、海水の持ち込みが少ないこと。
通常の編み込みタイプのPEラインは、編み込んだ隙間に海水が持ち込まれるため、ラインが最初に触れるラインローラー、そこのベアリング内に海水が入り込むことで、塩噛みが発生しやすい。
アーマードF+プロは表面が滑らかなので水切れがよく、塩噛みの発生度合いが極端に少ない。
実際に釣りの最中にスプールに収まっているラインを見ても、海水でグッショリ濡れている感じがない。
そのため、釣行後はスプール部分へ重点的に流水で洗い流すくらいで、スプールごと外して真水に浸すような塩抜きは一切していないが、それが原因のライントラブルは一切発生していない。
それともう一つ感じているのは、海水の持ち込みが少ないために、ラインローラーの塩噛み頻度が減ったようにも感じている。
こうした思わぬ効果も、アーマードF+プロ独自のものだと感じている。
ライントラブルが極めて少ない
アーマードF+プロの特殊コーティングによる張りのせいか、エアノットなどのライントラブルは皆無。
コシが強いのでガイド絡みも起こりにくく、風があるときのキャストでもガイド抜けが非常に良い。
名前に「プロ」と付いているものの、初心者でも非常に扱いやすい。
だから、「プロ」という名前にひるむことなく、初心者でもぜひ使ってみてほしい。
もちろん、キャスト時はスプールエッジを軽くフェザリングする等、基本的なラインメンディングは大前提ではあるが、とにかく既存のPEラインと比べても、圧倒的にトラブルは少ない。
アーマードF+プロに欠点はないの?
これだけのメリットが満載の、アーマードF+プロ。
自分にとってこれほど理想的なラインはないと、本気で思っている。
個人的にはじゅうぶん合格点をあげたいところだが、使い込んでいない人や異質のものに対して思い込みの強い人にとっては、ちょっとした違いが気になり、それを即欠点と思い込む人も多い。
そこでここでは、世間一般に言われているアーマードF+プロの欠点をあえて挙げ、その欠点と言われていることに対しての自分なりの見解について述べてみたい。
ラインナップが中途半端
アーマードF+プロは用途に応じたラインナップとなっているが、これまでサーフで愛用していたノーマルタイプでは最も太いので1.0号までしかない。
この件について、デュエルへ問い合わせたところ、「製造上での難しさがあり、現在、テストは行なっているが、製品化はまだ」とのこと。
・・・ちょっと待て・・・ではなぜロックフィッシュ用に限って1.5号があるのか?
しかも、1.0号からいきなり1.2号を飛び越えての、1.5号の製品ラインナップ。
【関連記事】
すでに廃番になってしまった投げ釣り用のものも1.5号まであったが、これまた1.2号は無かった。
この件についてもデュエルへ問い合わせたところ、「1.2号の需要がない」とのこと。
オイオイ・・・ホンマかいな・・・
なーんか胡散臭い回答だよね・・・なんなんでしょ、この中途半端な号数ラインナップは。
さらに最近になって200m巻が廃番となり、150m巻までの販売となってしまった。
その反面、エギング用とかアジ・メバル用とか、はたまたワカサギ用まで揃っているという・・・
そんな釣種の横展開なんてどーでもいいから、号数と長さのラインナップを揃えてほしい。
号数は1.2号もラインナップとしてほしいし、巻きは200m、できればたっぷり使える500m巻くらいのお得用まで揃えてほしい。
需要がないのかな〜・・・オレだけかいな?こんなに切望している人って。
巻きグセがつく
アーマードラインを使った人がよく指摘するのが、巻きグセが付くこと。
たしかにこのライン、多少の巻きグセは残る。
ただし、それは新しいのをおろした最初のころのみ。
使い込んで馴染んできたら巻きグセはほぼなくなり、実釣上は気にならない程度まで落ちついてくる。
この巻きグセは、アーマードF+プロ独自の特殊コーティングゆえのもの。
しかし実際に使ってみると、巻きグセによる不便さよりも、特殊コーティングによるハリの強さによる扱いやすさの方がはるかに上回る。
仮に巻きグセができたとしても、ルアーを回収するくらいのラインテンションで容易に取れる。
アーマードF+プロの巻きグセはナイロンラインやフロロラインのそれとは性質が異なるので、ライントラブルへ発展するまでには至らない。
初めてこのラインを使うと確かに巻きグセが気になるかもしれないが、そのうち気にならなくなるので、そこは安心して使ってほしい。
キンクができる
ブログなど、アーマードラインのインプレッション記事でたまに挙げられるのが、キンクができること。
とくに新品のラインをリールへ巻き取る際、ラインを指でつまんでテンションをかけながら巻いていると、指でつまんだ部分に糸ヨレが集中したときにキンクが発生する。
たしかに、一般のPEラインではこのようなキンクが発生することはない。PEラインでキンクができるのは、アーマードラインくらいなもんだろう。
しかし、このキンクができやすいというのは、アーマードラインのコーティングが強固であるという証拠。
コーティングがしっかりしているからこその張りであり、他のPEラインよりも張りが強いからこそキンクができやすいのだろう。
そんなキンクだが、実釣時に発生したことは一度たりともない。
こなれてくればそうできるものでもないので、まず心配する必要なし。
結び目にササクレ
あと、アーマードラインを語る上で必ず出てくるのが、結び目にできるササクレ。
最初にアーマードラインが発売したときからこの結び目のササクレ問題は言われており、これが原因でアーマードラインに見切りをつけたユーザーはかなり多かっただろうし、初めてそんなのを見たら不安になるのは分かる。
確かに最初に試したアーマードF+では、結び目部分にササクレのようなものが確認できた。
この結び目ササクレについてメーカー側からの説明では、「ライン表面のコーティングが剥がれたもので、強度上は問題ない」とのこと。
確かに実際に使っても強度上の問題を感じたことがなかったわけだが、ササクレが見えちゃう以上は精神衛生上よろしくない。
その後に登場したプロでは、この結び目ササクレ問題は完全に解消。もちろん、摩擦系ノットでの強度も充分保持。
よって、アーマードF+プロに限っては結び目ササクレは無いので、安心して使ってほしい。
まとめ
以上、アーマードF+プロを6年たった今でも使い続ける6つの理由を挙げ、世間一般に言われているアーマードF+プロの欠点についても自分なりの意見を述べてみた。
過去に何度もアーマードF+プロについて評価をしたが、今回が完結編。
これまでのいくつもの記事で言いたかったのは、他のPEラインには無い機能満載で、非常に使いやすいラインだということ。
これまでも何度か記事にしてきたが、発売から6年経った今でも使い続けているわけだから、この不肖ゆたりなのお気に入りぶりが伺えると思う。
一部のアングラーからはごく限られた用途で愛用しているなんてのも聞いたことはあるが、こちとらサーフからエギング,ライトゲームまですべてこのライン。
過去には他社のPEラインも試し、ある部分ではアーマードF+プロを上回る性能を持ったものも確かにあった。
しかし、総合評価ではアーマードF+プロが一番。
使い始めてから6年経った今でも、その評価は変わらない。
ここまで惚れ込んだラインなので、よほどの技術革新でも起きない限り、今後もアーマードF+プロを使い続けるだろう。
ただ・・・
200m巻はすでに廃番になっちゃってるし、最近は店頭でも見かけなくなってるしで・・・
もうそろそろアーマードラインが廃番になっちゃうような、イヤ〜な予感が・・・(;´Д`A
デュエルさん、なんとか持ち堪えてくれ!
いずれにしても、この不肖ゆたりな。
廃番になるまでアーマードF+プロを使い続けていきますよ〜(^O^)
コメント
お久し振りです。
私は以前に、安いメバルロッドに0.2号で川奈の堤防で遊んでいた時に、40cm位のソウダが掛かってしまったのですが、ラインよりもロッドの心配をした記憶があります。
流石にタモは必要でしたが、ラインとしては何の問題もありませんでしたね。
現在は強めのライトゲームロッドに0.4号を使っています。
現在メインのリールが1号190mなので、200m巻きが復活する事を願っています。(単純に下巻き40mがめんどくさいだけかも)
今まで使ったのは0.8号までですが、ノントラブルで使えてますし、信頼度は高いですね。
FFノットも編みやすいですし。
編み込みと違い伸びにくいので、リーダーはブラックストリームがしっくりくる感じです。
ロックフィッシュ用に1号を買ってみようかな?
ちゃーさん、コメントありがとうございます!
そーなんですよね。なんで200m巻がなくなっちゃったのか…そんなに売れないんかな〜良いラインなのに。ポンコツのフィールドスタッフなんかより、私の方がバッチリプレゼンできるのに。
私がデュエルのフィールドスタッフになったら、200m巻きを完全復活させます!
こんにちわ。こちらでアーマードF+プロに感心を持ち、使い続けて早数年。もうこれ以外のPEが使えません。以前はスーパーファイヤーラインでした。近隣の釣具店で取り扱いがなくなっていったので、他の有名なPEも試した結果+プロになりました。そしてまた今、+プロも近隣釣具店での取り扱い減少(泣)
しゅんさん、コメントありがとうございます!
ファイヤーラインは断面が真円でなく、耐久性もイマイチ。アーマードF+プロはファイヤーラインの悪いところを取り除いた感じなんですよね。
デュエルもせっかく良いラインを開発したんだから、これ一本と心中するくらいの開発魂を見せてほしいものです。中途半端なラインナップにするからダメなんですよね〜(;´д`)
プロスタッフなりモニターなりがいるんだったら、「オメーらもっと気合い入れて使い込めよ!」と言いたくなってしまいます。別に私はデュエルの社員じゃないんですがね!
初めてまして、こんにちは。ショアジギやロックフィッシュなどにF+proの0.6〜0.8号を使っている者です。ストックしていた在庫を使っていた為200m巻が廃番になっていたのに最近気づきました(泣)。150m巻だとまだ使えるのすぐ足りなくなったり、そもそも短いかったり…現状スペーサーと下糸をボビンノットで継ぎ足して使っています
にがよもぎさん、コメントありがとうございます!
そうなんですよ〜。デュエルの中途半端な販売戦略に呆れるばかりです!
「デュエルのテスターも、もっとアピールしろ!」って言いたいですね。釣りがうまいのか分かりませんが、私からしたらこんな良いラインをアピールできないなんて、ポンコツ極まりないですよ!
私はずっとコレ一本で通していきます!
初めまして。
現在はバスしかしませんが、こちらの記事を見てFプロを試してみました。
スピニングで0.6と0.8を使用していますが、もう他のラインは考えられません!
各魚種用での違いは色のみとのことで、アマゾンだと色を選ばなければ安く買えるので、ホント最高のラインです(^^)
MUSHMANさん、コメントありがとうございます!
そう、良いラインなんですよ〜!
あまり良い評価をしていないブログ記事とかをたまに見かけますが、「ホントに使ってるのか?」と思ってしまうほどです。
ようやく200m巻のフラットフィッシュ仕様が出たので、今後は順次それに巻き替えていくつもりでいます。