【TKGS135(タックルハウス)】ギミック満載、ワイドなリップのシンキングー

タックル

また一つ、新たなK-TENルアーを入手。

それがこの、TKGS135

いろんな想像を掻き立ててくれるのが、K-TENシリーズ。

最近はK-TENを含め、タックルハウスのルアーばかりを多用するようになったが、それだけこのメーカーのルアーは楽しい。

今回のTKGS135は、”Tuned K-ten Gaus System”の略。

TKLM140Gに続いて、ガウス加速器を応用したGシステムを導入。

しかし、今回のTKGS135は、それ以外にも興味深いギミック満載。

まずは詳細に入ってみましょう!

【TKGS135】基本スペック

【TKGS135 基本スペック】
・サイズ: 135mm
・重量: 32g
・タイプ: シンキング
・標準フックサイズ: #2(ST-46)
・その他: K-TEN重心移動システム,Gシステム

磁着タングステンと鉄球によるK-TEN重心移動システムに、着水直後の立ち上がりを補助するGシステムをプラス。

ガウス加速器の詳細については、過去記事(TKLM140G)をご参照あれ↓
【TKLM140G】

そしてこのTKGS、K-TENでは初のシンキング設計

もちろん、これまでのK-TENシリーズでもシンキングタイプがなかったわけではない。

シンキング仕様となっているものも確かにあるが、それらはあくまでもフローティングで設計したボディへウェイト増量しただけのこと。

根掛かりによるルアーロストを防ぎたいという意図もあり、これまではたとえシンキングにしてもフックを取れば浮く程度のものにとどめていた。

今回のTKGSは、K-TENでは初・ガチのシンキング専用設計。

もちろん、フックを外しても沈む。

標準のフックは#2(ST-46)だが、フックサイズの自由度が高いのもこのTKGSの特徴。

TKGS135の特徴-TKW140との形状比較

では、TKGS135の特徴へ入ろう。

今回はTKGSの構造を分かりやすくするために、おもにTKW140を比較対象として説明している。

TKW140についての詳細は、過去記事をご参照あれ。
【TKW140】

いずれもK-TEN重心移動システム採用のミノーで、シンキングとフローティングの違いはあるものの、ボディ構成がまったく異なる。

TKW140は、主に額から背中にかけての面で水を受け、頭下がりに泳ぐような設計。

一方のTKGS135もリップはついているが、どちらかといえば尻下がり気味に泳ぐ。

ボディ形状もこうした泳ぎの違いを反映しているので、そこらへんも踏まえて細部を観察してみよう。

ボディ先端

まずはボディの先端部分

左: TKW140, 右: TKGS135

TKWは額部分に水の抵抗を受けやすくなるよう表面積が大きくなっている一方、TKGSは先細り形状で、TKWとは対称的。

リップを除いたボディそのものは、TKWが頭部でしっかりと水を受ける構造なのに対して、TKGSは前からの水流を受け流すような構造になっていることがわかる。

テール部分

次に、テールの部分。まずは上からの写真。

先ほどの先端部分とは逆に、わずかにテールファットな構造になっている。


横からのテールフォルムは、TKW140とさほど変わらず。

ワイドリップ

そして、もっとも差が大きいのが、リップ形状。

他ルアーと比べるまでもなく、TKGS特徴的な横幅大のワイドリップ

このルアーの設計は、リップレスで泳ぎをみて、その泳ぎを抑えるためにワイドリップを設置しているようだ。 

開発者の二宮氏曰く、K-TEN labolatoryでさらに以下のように記している。

このルアーを作るにあたって、まず単純な形でも良く動くシンペンとして作ってから、それをあえて安定させるためにワイドリップを付けています。だからリップを取り去ると限界までエッジを細くした頭部がフィンの代わりとなって乱れるほどのS字ロールします。
(中略)
上から泳いでいる姿を見るとほとんどアクションしていないように見えます。しかしこれは派手に動こうとするボディをワイドリップで無理やり抑えている状態でエネルギーに満ちています。水流等の外力を受けた際は適度に揺らぎ、微振動球と淡いドルフィンアクションが生物であることを主張します。
K-TEN laboratoryより)

なーんか分かりやすいような、分かりにくいような・・・( ´Д`)y━・~~

つまり、「ボディに元々備わっている大きな動きをワイドリップで抑えてはいるものの、潮の流れなどの外力が加われば、抑えていた動きが漏れ出してイレギュラーな動きが出やすくなる」、そんなとこだろうか。


さらにこのワイドリップは、飛行時には尾翼として、飛距離にも作用しているという。

リップが飛距離に作用しているといえば、過去に紹介したジャクソンのアスリート17SSV

こちらはリップ裏にボルテックスジェネレーターなる突起が備わっており、飛距離に貢献しているというが・・・
【アスリート17SSV インプレ記事】

実際のところ、どうなんだろう?どれだけ飛距離に寄与しているのかね?

中央寄りのウエイトバランス

内部構造を見ると、スイム姿勢時のメインウエイトはほぼ中央付近に集中している。

重心移動システムとGシステムの両システムを機能させるためのネオジウム磁石がボディ中央にある。

これを起点にキャスト時は後方のボール2つがテール側、,スイム時にはネオジウム磁石のある中央へ戻る。

もう一つ、このネオジウム磁石は、スイム時のフロントフックを固定するのにも寄与している。

フロントフックが固定されることで、スイム時のフック音がなくなり、フロントフックがぶら下がることによるボディの振れが少なくなる効果が期待できる。

しかし、これはたまたま磁石とフロントフックの位置があったことによる、偶然の産物だろうなと。

まぁ、「結果オーライ」ということで!

TKLM140Gとは異なるGシステム

TKLM140Gに続いてのGシステムを導入したTKGSだが、今回のGシステムはTKLMのそれとは若干構造が異なる

ガウス加速器の原理を応用していることは同じだが、違うのは、金属ボールが放出された先のスペースや構造

TKLMでは、ガウス加速器で放出された先の金属ボールが自由に動くスペースがあり、遊泳時にその金属ボールの動きによってふらつきを生み出している。


今回のTKGSは、TKLMのように金属ボールが自由に動くスペースはほとんどなく、むしろ磁石で金属ボールがキャッチされ、わずかに動く程度に留めている。

では、TKLMのGシステムにあるような遊泳時のふらつきがなくなったのかといえば、そうでもないらしい。

開発者の二宮正樹氏曰く、”K-TEN laboratory”で以下のように語っている。

32gのルアーを私たちの身体として換算すると、たとえば体重64kgの人が2.8kgの鉄球を口の広いラーメンの器に入れて持っているようなものです。
(他の4球は口の狭い普通の丼器の中で3kg~8kgの鉄球が常にグラついている状態だが安定方向に共振するように配置してある) そのグラつくラーメンの器を持って真っ直ぐな白線上を歩いたり、走ったりすることはできるでしょうが、そんな物を抱えていない人と後ろ姿を比較して想像してみてください。
捕食者にとって襲いやすいのはどちらでしょう?
K-TEN laboratoryより)

いずれにしても、Gシステムは泳ぎ出し重視の設計ではあるね。

そして、K-TENルアーお馴染みの・・・

K-TENルアーならお馴染みの・・・ハイっ、ありますよー。

「あなたの良き思い出のために」

クリアカラーを入手すればすぐ分かるが、クリアカラーでなくとも、割れるまで使い込んだ末、役目を終えたときになってようやく見ることができる。

機能だけでない、そんな粋なギミックも嬉しいよね。

TKGS135をサーフで使ってみた

そんな多くのギミックが満載のTKGS135だが、実際にご近所サーフで使ってみた。

キャスト時

キャスト時、リリース直後は飛行姿勢が若干ブレるものの、それを超えると安定した姿勢となる。

ただ、ノーマルのK-TENシステムのルアーと比べると、飛行姿勢が乱れやすく、キャストムラも多い

ちなみに、2つのRユニット搭載のTKW140と、TKGSと同じGシステム搭載のTKLM140にも同じ傾向が見られるが、これらよりもTKGSの方が飛行姿勢のブレは大きい印象

やっぱり複数のシステムを入れてウエイトが分散してしまうと、飛行のためのちょうどいいバランスをとるのが難しいのかも。

ただ、同じRユニット搭載のK2R112は例外で、軽いのに飛行姿勢が最初から最後までブレず、スカッと飛んでいくんだよね〜。

ちなみに、TKGSの場合、キャスト時の金属ウエイトバランスは、前方3個(+磁石):後方2個

すべての金属ボールが同じ比重ではないため単純な判断はできないが、それでもこれだけ後方へのウエイトが少なければ、飛行姿勢が乱れやすいのも仕方がないのかも。

とは言っても、それなりの飛距離は出せているので、サーフでの使用には充分と言ったところかな。

着水直後

着水直後は、当然ウエイトが後方にあるのでテールが先行して沈み、この状態なら沈下スピードもそれなりに速い

正確な沈下スピードはちょっと曖昧だが、一般のシンキングミノーより沈下スピードは速いが、ヘビーシンキングミノーよりは遅いくらい。

沈みが遅すぎるとイライラするし、沈みが早すぎると根掛かりしやすいので、ご近所サーフで使うならこれくらいの沈下速度がちょうど良いかな。

そして、リトリーブを開始した時点で、すぐにウエイトが戻る。

Gシステムの効果もあって、一般的な重心移動システムのような玉入れ操作を意識せずとも、スムーズにスイム姿勢へと移行できる。

ちなみに、ウエイトが前方へ戻っても、姿勢は若干テール下がり。

後でも述べるが、スローリトリーブではシンキングペンシルのように、若干テール下がりの姿勢で泳ぐ。

この状態での沈下スピードまでは把握していないが、戻る前のそれよりも遅いのは間違いない。

まぁ、実釣時は、その程度理解しておけば充分かなと。

リトリーブ感

リトリーブ姿勢はリトリーブスピードにもよるが、引き抵抗は充分

スローでは手元に伝わるブリブリ感はそんなに強くないが、充分な引き抵抗があるため、シンキングペンシルにありがちな「何やってるか分からない」感はない。

一方、ファーストリトリーブ。

こちらはワイドリップのためか、流れのきいたときやファーストリトリーブでは引き抵抗が強い。

速巻きすると、ちょっと疲れるくらい。

もちろん、手元にブリブリ感は充分伝わる。

リトリーブスピードによる泳ぎの違い

スローリトリーブでは、テールを若干下向きに、ロール主体の泳ぎ。

そこからリトリーブスピードを速めると、より水平に近い姿勢となるが、あまりロールもウォブリングもせず、ゆらゆらと泳ぐような感じ。

なんとも表現が難しいんだけど・・・

これも”K-TEN laboratory”に書かれていたドルフィンアクション・・・そう!

確かに、イルカが泳いでいる。そんな感じだね。

ただ、一定以上のファーストリトリーブになると、これまた違う。

水平姿勢のまま、ブリブリとウォブリング主体の泳ぎとなる。

極度の速巻きにしても泳ぎが破綻することなく、しっかりと泳いでくれる。

つまり、スローからファーストまで比較的リトリーブスピードの許容範囲は広く、リトリーブスピードによって泳ぎの質が大きく変わるのがおもしろい。

ゆえに、リトリーブスピードに変化をつけてリトリーブ中のアピールにメリハリをつける・・・そーんな攻め方もアリかもしれないね。

TKGS135のまとめ

以上、ガウス加速器搭載のワイドリップシンキングミノー、TKGS135について述べてみた。

使ってみた限りでは、適度なシンキング設定にしたことで、多彩な攻めがしやすくなった気がした。

想像力を駆使して、こんなことやあんなことをしようかと、今もずっと考えている。

そんな中での、先日のタチウオ釣果↓

【TKGS135釣果記事】

この時は、ボトム近くまで沈めてからのリフト&フォールでのヒット。

近年リリースされているルアーは似たり寄ったりのものが多く、興味をそそるものがだいぶ少なくなった。

そんな中でもタックルハウス、とくにK-TENシリーズは新たな試みをガンガン入れてくるので、いろんな可能性が創造できて楽しい。

ついつい結果が出やすいルアーを多用しがちだが、このTKGSは深堀したくなるルアーだよね。

そんなK-TENシリーズ初のシンキング専用設計ミノーのTKGS135。

とにかく、使い続けますよ!

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