いやぁ・・・このベルトレスヒップウェーダー、1年間使い続けたけどね。
いい!とても良いよ!
ベルトのない自立式のヒップウェーダーを販売しているのは、タカミヤ(リアルメソッド)とプロックスの、たった2社のみ。
こちらのベルトレスヒップウェーダーはタカミヤ製のものだが、お値段も1万円以内とお手頃。
1年も使用すれば多少なりとも漏れやヘタリが出てくるだろうと思っていたが、そんな予想を良い意味で大きく裏切ってくれちゃうほどの使用感。
【購入時の記事】
そこで今回は、1年間使い通してのベルトレスヒップウェーダーの使用感を中心に、思ったことをざっくばらんに述べてみようかなと。
ベルトレスヒップウェーダーが快適である理由
ズレ落ちない
一年通して使い続けたが、生地がヘタレてズレ落ちることがない。というか、一年たってもヘタレる様子すらない。
一年も使えば生地がヘタれて、多少のズレ落ちがあるかもと思ってはいたが、そんな心配は一切なし。
通常のウェーダーに使用する生地とはまったく違い、張りの強い厚手の記事を使用しているので、まだ数年は大丈夫そうな勢い。
足先からくるぶし周りまでフィット
さらに足先からくるぶし周りまでフィットするので、歩いている途中で脱げる心配もない。
多少のぬかるみにハマっても、スポっと脱げるようなこともない。
長靴感覚で気軽に履けるんだけど、長靴のようなバクバク感がない。
ツッパリ感がない
通常のヒップウェーダーのようなベルトがないので、歩いたりしゃがんだりしても妙なツッパリ感がない。
足首周りのツッパリ感もなく、つま先立ちのまましゃがんでも違和感を感じない。
とにかく軽いし、非常に歩きやすい。
耐久性の高い厚手生地
一般的なウェーダーと比べて生地が厚手なので、半端ない耐久性。
そもそも通常のウェーダーのようにペナペナな生地じゃなく、厚みがあって張りのある生地なので、ちょっとやそっとの擦れでも漏れる気がしない。
そりゃぁ針がブスッと貫通すれば水漏れはするだろうが、この生地なら多少針が引っかかったくらいでは貫通しない。
生地の厚みや硬さがこんなにあるだけでも、安心感がまるで違う。
この安心感も、快適性に大きく寄与している。
しっかりとした作り
通常のウェーダーだとだいたいソール周辺やブーツと生地とのつなぎ目部分から漏れることが多いが、このベルトレスヒップウェーダーはその部分も非常にしっかりと作られている。
ブーツとのつなぎ目部分も。
ソールのつなぎ目部分も。
これだけしっかりとしているので、水漏れする要素が一切ない。
季節ごとの使用状況
このように、通常のヒップウェーダーとは構造が異なるベルトレスヒップウェーダー。
透湿素材を使用していないので、主に夏場の蒸れが気になるところ。
また冬は冬で、極寒時の使用感も気になるだろう。
ここでは、そんな季節ごとの使用感を述べてみたい。
夏
この時期の使用は多少ムレるが、2時間程度の短時間釣行であればコレで充分。
特に夏は涼しさを求めて、素足にサンダルの濡れるスタイルを選択しがち。
確かに真夏に足元ひんやりで一時的には気持ちいいかもしれないが、しばらくすると小石がサンダルに入ったり、砂利が素足に擦れるときの痛さのほうが気になる。
以前に忖度なしでインプレした、RBBのサーフシューズなるもの。
最初は快適だったけど、けっきょく靴擦れはするし、さらに細かい砂が入って靴擦れの上から地獄のように痛いしで、結果的にはサンダルとほぼ同じかサンダルよりも不快。
個人的な好みはあるかと思うが、同じ不快でもウェーダーのムレのほうがまだ耐えられる。痛みの方が耐えられない。
蒸れは多少あっても、脱いでしばらくすればズボンもウェーダー内部もすぐに乾くから、そんなに気にはならない。
だから、暑いシーズンに使うなら、サーフシューズよりもベルトレスヒップウェーダーのほうかな。
冬
冬から春の寒い時期。こんなときもベルトレスヒップウェーダーは快適。
生地が厚手で蒸れやすいのが弱点ではあるが、逆に冬はその分暖かく快適。
サクッと履けてサクッと脱げるので、極寒のときでも支度するとき,片付けるときもササっとできて、非常にありがたい。
さらに急に尿意を催したときでもすぐにモロ出し(?)できるし、お腹の具合が悪くなってもすぐに出せる(?)ので、緊急時も非常にありがたい。
以前にも記事に挙げたワークマンのレインパンツと併用すれば、骨盤周りの防寒もできるし、さらには濡れを防ぐことができ、ほぼチェストハイ仕様にもできる。
ベルトレスヒップウェーダーのここがイマイチ
いくらベルトレスヒップウェーダーが良いとはいえ、イマイチなところもある。
そんなところを素直に挙げてみた。
蒸れる
生地が厚手で丈夫なだけに、さすがに蒸れやすい。
これだけ厚手の生地なのだから、さすがに透湿性はゼロに近い。
開口部から湿気が抜ける構造にはなっているものの、やはり使用中は完全に湿気は抜けるものではない。
ただ、脱いでからは立てたまま保管しやすいので、保管がしやすく、ウェーダー内の湿気はすぐに抜ける。
確かに、ウェーダーは丈夫さと蒸れにくさはトレードオフの関係にあるので、どちらも両立させるのは難しい。
ベルトレスヒップウェーダーはどちらかといえば「丈夫さに重点を置いたヒップウェーダー」と思ってもらえれば良いだろう。
遠浅サーフには厳しい
波が立ちにくい急深サーフであれば充分問題ないが、沖からパワーのある波が立ちやすい遠浅サーフではちょっと不安はあるかなと。
穏やかな凪のときであればまだ良いが、遠浅サーフは沖のブレイクからうねりや波が来るので、波のパワーも急深サーフのそれよりも大きい。
股下までは水をガードできるものの、波が足に当たって水しぶきができると容易に股上まで濡れ、場合によってはウェーダー内に水が入り込んでしまう。
まったく使えないとは言い切れないが、波やうねりが立ちやすい遠浅サーフでは、さすがにヒップウェーダーよりもチェストハイの方が向いていると言えるだろう。
ウェーディングにも向かない
股下までのヒップウェーダーとはいえ、さすがにガチガチのウェーディングには向かない。
せいぜい膝下までのウェーディングなら良いだろうが、膝上まで浸かるのは安全のためにもやめた方が良い。
さらに流れやうねり,波が伴うような場所なら、なおさらのこと。
水の中に立ち込むことを前提とするのではなく、あくまでも波よけで濡れないためのものと捉えた方が良いだろう。
雨上がりの農作業,草刈り時にも最適
ベルトレスヒップウェーダーは丈夫さゆえ、釣りだけに限らず、意外な使い方も。
それは、農作業。
本ブログへのコメントの中にも、ベルトレスヒップウェーダーを農作業で使っているというフォロワーさんも。
じつはこの不肖ゆたりなも、農作業での愛好者。
朝露や雨後の濡れた草むらを歩く際、ベルトレスヒップウェーダーを履くと作業ズボンの裾が濡れたり汚れたりしないうえ、長靴感覚で履けるのでかなり重宝している。
「そんなの、普通の長靴でいいじゃん!」と思う人もいるかもしれないが、コレがそうでもないんだな。
ベルトレスヒップウェーダーは足回りのフィット感が長靴より優れているので、バクバク感がなく、とても歩きやすい。
しかも生地が厚手で丈夫なので、長くなった藪やバラのあるようなところでも気にせず作業ができる。
そんな中でも、ベルトレスヒップウェーダーが最も威力を発揮するのが、草刈り時。
草刈機を使うと、草の切りクズや土の跳ねが作業ズボンの裾に多く付着するのだが、このベルトレスヒップウェーダーを履いていればズボンの裾が汚れない。
長靴を履いて作業するよりも汚れず、しかも長靴よりもはるかに歩きやすいので、草刈り作業がとてもはかどる。
長靴感覚なのに、長靴よりも快適。しかも丈夫。そして、足への保護機能も高い。
今のところは1本で釣りと農作業を兼用して使っているが、農作業用に追加で購入してもいいかな〜。
まとめ
以上、ベルトレスヒップウェーダーを1年間使用後の状況や使い勝手などを述べてみた。
ベルトがないので身軽、しかも丈夫。イメージとして「超ロングな長靴」と思ってもらえれば良いし、ギャルが履くような膝上まであるブーツ(古い?)を連想してもらっても良いだろう。
とにかく予想以上の履き心地の良さと丈夫さ。
1年間通してご近所サーフをメインに使い倒したが、水漏れやズレ落ちなど、今の時点で劣化する様子はまったくない。
通常のブーツタイプでは浸水しやすいブーツ周りの箇所も、まったく問題なし。
同じタイプの製品を出しているのが、今のところタカミヤ(リアルメソッド)とプロックスのみ。
プロックス製のものは使ったことがないのでハッキリとはいえないが、知り合いが使っているのを聞いた限りではタカミヤ製のものと変わりはなさそう。
このような自立式ヒップウェーダー、これほど良い製品なのに、なぜ他メーカーが追随しないの?ホント、理解できない。
コストパフォーマンスとしては、これ以上ないと言って良いほどの優れた製品。
ぜひ試してみてほしい。
コレはなかなかの逸品だよ!
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