【タレックスの偏光レンズ】コーティングやレンズの種類,度付き対応などを詳しく解説

タックル

もう完全にタレックスの虜と化している、この不肖ゆたりな。

所々でタレックスの偏光グラスネタを述べているが、メガネユーザーである不肖ゆたりなはオーバーグラス派。

普段使いであればこれで充分だし、オーバーグラスの着脱だけであらゆる場面で対応できるので、かなり便利に使えている。

ただ・・・欲を言えば、ガラスレンズの度付きも必要かな〜と。そんなことを特に思うようになってきた。

というのも、外仕事でも偏光グラスの必要性を実感。

実際にタレックスのオーバーグラスをしながら農作業をしていたのだが、汗だくになって作業していたところ、2つもメガネを掛けていると汗がレンズに滴ってわずらわしいのと、木の枝がオーバーグラスに引っかかり、オーバーグラスのほうが落ちてレンズにキズが。

赤い矢印部分が、そのキズ。

視界に影響ない小さいキズだが、さすがに高価なタレックス、農作業に使うのってもったいないと思うように。

オーバーグラスを買ったときは何も知らなかったが、プラスチックレンズにも複数種類があるようで、さらにコーティングもいくつかの種類があることが判明。

購入した時点では特にレンズやコーティングの種類なんか聞かれなかったし、適切なレンズ選択がされていたとは思うが、まったく理解していないのもちょっとね。

タレックスレンズについて改めて調べてみると・・・いやぁ、こりゃまた分かりづらい。

分かりづらいというよりも、レンズ素材やカラー,レンズカーブ等の組み合わせによって対応できないものなんかもあり、けっこう複雑。

そこで今回は、タレックスの各種コーティングからプラスチックレンズとガラスレンズとの性能比較、度付きレンズへの対応など、これまで調べたことを自分なりに噛み砕いて説明。今後の追加購入に向けての予備知識としたい。

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各コーティングの機能

出典:タレックスHP

タレックスレンズは、フレーム特性や個人の嗜好などをベースに3つのコーティングを組み合わせる。

まずは各コーティングを個別に理解すべく、コーティングの種類に分けて解説したい。

ハードコート

ハードコートは、プラスチックレンズへキズを付けにくくする

目的で使用。ノンコート以外のレンズコーティングすべてに採用されている。

ハードコートはキズを付きにくくする反面、光を透過しにくく反射しやすい。

ちなみに、もともと傷に強いガラスレンズにはハードコートは使われない。

マルチコート

マルチコートはレンズの反射を防止し、光の透過性をアップする

効果がある。

反射を防止することで光が透過しやすくなり、可視光線透過率が約2%アップする。

ミラーコート

ミラーコートは、鏡面のような反射を強めた

コーティング。

先述のハードコートもそれに近い性質を持っているが、ミラーコートはそれを極端に強めたものと思ってもらって良い。

ミラーコートにはシルバー, ブルー, ゴールドの3種類あるが、シルバーが最も反射が少なく、ゴールドが最も反射が強い。

反射が強いので、強い日差しをさらにカットできる一方、他人から見て目が透けるのを防ぐことができる。

レンズコーティングのラインナップ

以上3つのコーティングを組み合わせて、タレックスではノンコートを含め4種類のレンズコーティングがラインナップ

購入のさいは、この4種類の中から選ぶことになる。

参考:タレックスHP「フィルター性能を最大限に引き出す4種のレンズ素材

ノンコート

ノンコートはその名のとおり、レンズになにもコーティングしていないもの。

表面 ・・・ なし
裏面 ・・・ なし

コーティングにはキズを防いだり、光の反射を抑えて見やすくするなどの機能を付与する役割があるが、ノンコートはそれらを一切しないので、多少は快適性は犠牲になる。

ノンコートの最大のメリットは、他のコーティングレンズと比べて安価なこと。

ハードマルチコートが1ペア12,100円(PPL75, 4カーブ)なのに対し、ノンコートは約半額の1ペア6,600円。

タレックスレンズを使ってみたいが、まずは安価で試してみたいという人は、ノンコートがオススメ。

ハードマルチコート

ハードマルチコートは、両面「ハードコート + マルチコート」を施したもの。

表面 ・・・ ハードコート + マルチコート
裏面 ・・・ ハードコート + マルチコート

裏写りしにくく見やすい反面、相手から目が透けて見えるという点も。

見やすさや快適性を優先するならば、ハードマルチコート一択でしょう。

ハードマルチシングルコート

ハードマルチコートがレンズ両面にマルチコートをしているのに対し、ハードマルチシングルコートはマルチコートが片面のみの仕様。

表面 ・・・ ハードコート
裏面 ・・・ ハードコート + マルチコート

裏面のみマルチコートすることで、偏光グラスを掛けた際に目の写り込み(裏写り)がなくなると同時に、他人から自分の目が透けて見えることを防ぐことができる。
表面にマルチコートを入れていないので、外観が少しキラッと反射するのが特徴。


タレックスレンズは既製品のものでは一部を除き、このハードマルチシングルコートを標準採用している。

ミラーコートのようにギラギラ目立つのは嫌だけど、目が透けて相手から見えるも抵抗あるという方には、ハードマルチシングルコートがおすすめ。

外見上もっともサングラスらしく見えるので、ファッション重視でいくならハードマルチシングルコートかな。

ハードマルチミラーコート

「ハードマルチミラーコート」は、ハードマルチコートに表面にミラーコートを付与したもの。

表面 ・・・ ハードコート + マルチコート + ミラーコート
裏面 ・・・ ハードコート + マルチコート

鏡面仕上げでとにかく目立つ。これが最大の特徴。

ファッションを重視したい人や、自分の表情を隠したい人、自分の目線を相手にさとられたくない人なんかには最適なのが、このハードマルチミラーコート。

ただし、透過率の高いマルチコートをしているものの、ミラーコートの反射が高いため、暗い場所や横から光が入った時は裏写りしやすいのが難点。

真夏の日差しが強い、ドピーカンの天気にふさわしいのも、ハードマルチミラーコート。

レンズ素材は4種類

タレックスが採用しているレンズ素材は4種類(ガラスレンズ1種類+プラスチックレンズ3種類)となっている。

参考:タレックスHP「プライスリスト

ガラスレンズ【GPL66】

4種類の偏光レンズの中でもっとも歴史があり、光学的性能, 耐久性にもっとも優れているのが、ガラスレンズのGPL66。

近年はプラスチックレンズの性能アップが著しく、圧倒的な軽さでプラスチックレンズの後塵を排しているが、コアなファンも多いのがこのGPL66。

標準的なプラスチックレンズ【PPL75】

PPL75は、タレックスの標準的なプラスチックレンズ。
タレックスで通常のプラスチックレンズといえばこのPPL75であり、既製品の偏光レンズのほとんどに採用されている。

3種類のプラスチックレンズの中でも、カラーだけでなく度なし, 度付きも含め、もっともラインナップが豊富

軽さと衝撃の強さが際立つプラスチックレンズ【CACCHU】

プラスチックレンズの中でも歪みや偏光フィルター性能が低下することなく、軽さと耐衝撃性を加えたものが、このCACCHU(かっちゅう)

リムレスなどのレンズの耐久性を必要とするフレームには、このCACCHUのプラスチックレンズを採用している。

度付きに適した薄さのプラスチックレンズ【PPL08】

PPL08は、度付き専用のプラスチックレンズ。

厚めになりがちな度付き偏光レンズに薄さと強さを兼ね備えたバランスの良さが最大の特徴。

PPL75よりも価格は若干高くなるが、度付きで偏光性能を最大限引き出したいのなら、ぜひPPL08を選びたい。

プラスチックレンズv.s.ガラスレンズ

ここで気になるのが、「プラスチックレンズとガラスレンズのどちらを選択すべきか」ということ。

それぞれに長所, 短所があるだけに選択に悩むところだが、ここではいくつかの項目に分けて優劣を述べてみたい。

ただし、タレックスがプラスチックレンズ製のPPL75を標準としていることからも、総合的にはプラスチックレンズに分があると考えた方が良いだろう。

価格面 : わずかにガラスレンズ

価格面では、ガラスレンズの方が安価にできる。

意外にも思われるかもしれないが、後にも述べるようにプラスチックレンズに比べてレンズカラーや度付き対応などで選択肢が少ないこともあるのだろう。

軽さ : 圧倒的にプラスチックレンズ

プラスチックレンズは、ガラスにはない圧倒的な軽さが最大の特長。

偏光グラスにおいて、軽さのメリットは大きい。

重量を少なくできる分、掛けていてもズレが少ない。

ズレが少ない分、頭や耳へのホールドも少なくて済むため、締め付け感が少ない。

掛けていて違和感やストレスを感じないのは、軽さによる恩恵が大きい。

見え方 : ほぼイーブン?

一般には、ガラスレンズの方が歪みが歪みが少なくよりクリアに見えると言われている。

しかし、タレックスのプラスチックレンズはガラスレンズの光学的性能にかなり近づいており、そタレックスがプラスチックレンズをデフォルトにしていることからも、その自信があらわれている。

実際にプロショップで実際にガラスレンズとプラスチックレンズとを掛け比べてみたが、ものの見事に区別ができなかった。

まぁ自分が鈍感なのもあるかもしれないが、少なくともプラスチックレンズでも違和感を感じるという人は皆無だろう。

確かに、レンズ素材の光学性能はガラスレンズの方が高く、経年劣化もガラスレンズの方が少ないのは、紛れもない事実。

あとは見え方の微妙な違いがわかる人ならガラスレンズを選んでも良いだろうが、ガラスレンズでなければならない理由でもない限り、普通にプラスチックレンズを選択しても問題ないとは思う。

丈夫さ : ガラスレンズ

プラスチックレンズもかなり物性が改良されたとはいえ、そこはプラスチック。ガラス特有の安定した物性には敵わない。

特にプラスチックレンズは熱や日光によって徐々に劣化が進むため、直射日光や高温下での放置はご法度。

ハードコートを加えることでキズへの耐性を上げているものの、レンズ表面を磨くときは摩擦熱など、ガラスレンズよりも取扱いに気を遣わねばならない。

ガラスレンズなら真夏の車の中に保管しても熱変性せず、多少の擦れにも強い。

少々乱暴な扱いをする人や、藪漕ぎなどで傷がつきやすい環境下で使用することの多い人ならば、ガラスレンズを選択するのもアリだろう。

レンズカラーの豊富さ : プラスチックレンズ

レンズカラーのラインナップは、圧倒的にプラスチック

の方が多い。

プラスチックレンズはほとんどのカラーが揃っているのに対し、ガラスレンズは4種類(トゥルービュー, ラスターブラウン, イーズグリーン, アーシーブラウン)のみ。
ミラーコートだとさらに絞られ、イーズグリーンを除いた3種類のみ。

ということは、釣り人に人気の高いトゥルービュースポーツはガラスレンズは不可ということになる。

複数のレンズカラーを楽しみたいなら、プラスチックレンズ中心で選ぶのが良いだろう。

ガラスレンズを選びたいなら、「サイトマスター」という選択肢も

どうしてもガラスレンズを選びたいのであれば、「サイトマスター」という選択肢も。

サイトマスターはすべてにタレックス製ガラスレンズを採用。

サイトマスターオリジナルのレンズカラーもタレックス製で、レンズカラーもオリジナルのものを含めて10種類と豊富。

多くの機種が3万円以上とお高めではあるが、タレックス以上にガラスレンズのカラーバリエーションは豊富で、釣りに特化した独自のレンズカラーを揃えている。

豊富なレンズカラーでガラスレンズを選択したいのであれば、サイトマスターを選ぶと良いだろう。

リンク: サイトマスター公式HP

度付きレンズのラインナップ: プラスチックレンズ

度付きレンズは遠近両用を含め、どちらも対応は可能。

ただし、レンズカラーの豊富さではプラスチックレンズ

コーティングによって一部のカラーで対応できないものもあるが、プラスチックレンズの方がはるかに選択肢は広い。

一方のガラスレンズ(GPL66)の度付きは、レンズカラーが相当限られる

ガラスレンズで度付き対応できるのは、ハードマルチコートでは3色(トゥルービュー, ラスターブラウン, イーズグリーン)のみ。

さらにミラーコートにするなら、トゥルービューとラスターブラウンの2色のみ。しかも、シルバーミラーと、かなり限定される。

ちなみに、サイトマスターゼクーなどのタレックスとコラボしている偏光グラスでは、フレームのみを注文し、レンズはタレックスで度付きレンズを作製しなければならないので、注意が必要。

そのため、度付きでも幅広いレンズカラーからチョイスしたいのであれば、プラスチックレンズ中心で考えた方が良いだろう。

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タレックスレンズのまとめ

このように、タレックスレンズは種類が豊富だが、ものによってはさまざまな制約もあるので、注意が必要。

他にもレンズカーブなどの必要な情報もあるが、まずは今回の情報を購入する前の予備知識として抑えておけば十分だろう。

この不肖ゆたりな、こんな知識を集めているうちに、3つ目の偏光グラスをどうしようかと、密かに検討している。

農作業などの外仕事用にトゥルービューのガラスレンズにしようか、はたまた普段使いのメガネのレンズをモアイレンズに交換してしまおうか。

プロショップへ行く前にこうした基本的な予備知識があれば、スタッフから製品を「選んでもらう」のではなく、「自分で選んだ」感が強く、満足感もかなり違うだろう。

プロショップのスタッフの中にも知識が曖昧な人は少なからずいるので、分からないことがあればぼんやりではなく、具体的に質問できるくらいにしといたほうが良いだろうね。

いずれにせよ、度付き偏光グラスの購入は、もうしばらく先になるかなー?

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