時は遡るほど、今から7年前。
某釣具店に入った際、とある一角のルアーコーナーで、気になるフレーズが↓
シンペン並みに飛ばしたい。けれど浮いてくれないと困る。
水面直下を泳いでほしい。けれど飛び出されると困る。
流れには強くあってほしい。けれど安定しすぎるのも困る。
連続トゥイッチしたい。けれど深度が変化したら困る。
ヒットシーンが見たい。けれどトップに出ないので困る・・・etc。
そんな無茶な要求に同時に応えられるのが、K2R112。
任意にナチュラルアピールできるシャローリップレスミノーの新しい形です。
水深の浅いところがある、河川、磯、サーフに。
~フレーズ抜粋~
それが、タックルハウスのK2R112。
リップが無いので、シンキングペンシル?
いやいや、フローティングなので違う。
それじゃ、ペンシルベイト?
いやいや、ペンシルベイトともちょっと違う。
近年、ソルトルアーで当たり前になった重心移動システムも、タックルハウスが最初。
タックルハウスの中でもとくにK-TENルアーは、他のルアーには無い魅力的なものばかり。
その中でも、このK2R112は7年前に入手したが、いまだに釣果はゼロ。
というか、リップが無いだけで、西湘サーフでの使用するモチベーションを保つことができなかった。
そして2021年現在。
今こそK2R112で釣りたいという決意のもと、あらためてK2R112を見直してみた。
K2R112の特徴
イレギュラーなアクションを生み出す【R-Unit】
K2R112の最大の特徴といえば、このR-unitの存在。
R-unitは、推進方向とは垂直の方向に玉が円運動するもの。
この球が不規則に動くことで、リトリーブ時のイレギュラーなアクションを生み出す。
このK2R112のR-Unitに内蔵されているボールは、レギュラーカラーでは金属ボール。
限定カラーにはR-Unitにガラス製ボールが使われているのだが、ボール素材の違いによってもたらされる効果は不明。
金属ボールの方が横のアクションが大きいのかな?
また、遊泳姿勢も若干変わるのかな?
素人目ではその程度のことしか予想できないが、まぁそんなに外れてもないだろう。
おなじみの【K-TEN重心移動システム】
そして、K-TENルアーお馴染みの重心移動システム。
金属ボールは2つ。前に設置してあるマグネットで固定。
K-TENは重心移動システムの元祖。絶妙な構造になっているのだろうが、使う側はそんなこと、知る由もない。
2つ目のボールが微妙に左右に揺れるが、R-Unitの補助的な役割もあるのだろうか?
ラトル音のような集魚効果もあるのかもしれないが、まぁ釣れてないのでそこは定かではない。
リップレス
K2R112は、リップが付いていない。いわゆるリップレス。
リップレスミノーを謳っているルアーは多いが、リップレスと言いつつも下アゴを突き出したようなリップを持たせているのがほとんど。
K2R112は、完全リップレス。
ラインアイを先頭に、上と下の2方向へ水を受け流す。
キャストして着水時にウエイトを戻すと、わずかに下向き姿勢となり、ヘッド上部をメインに水を受けて潜っていく。
潜るとはいえ、リップ付きのミノーよりはぜんぜん潜らない。
せいぜい水面から30センチ程度までといったところかな。
フローティングとサスペンド
K2R112には、フローティングとサスペンドの2種類が存在。
上:サスペンド
下:フローティング
サスペンドは20g、フローティングは19.5g。重量差0.5g。
おそらく、汽水領域の河川での使用を想定してのラインナップだろうが、サーフで使用するならどちらを使っても大差はないと思うがね。
ただ、リップが無いだけに、サーフで使用するなら少しでも潜りそうなサスペンドの方を選びがちになるかな。
「あなたの良き思い出のために」
そしてこのK2R112には、機能面だけでなく、粋な計らいも。
クリアボディのをよく見ると・・・
ン?なにコレ?何か書いてある。
画像を左右に反転してみると・・・
「あなたの良き思い出のために」
ルアーの内側から読めるようになっている。
使い込んで、使い込んで、最後は割れてしまったとき。
割れた中を見ると、この言葉が現れる。
粋な演出・・・壊れるまで使い倒したい!
とはいえ、まずは1匹を釣らないことにはね。
K2R112の使用感
さて、K2R112の使用感。
7年もの間、これで釣れた試しがないが、思い出したかのように投げる機会はそれなりにあった。
ただ、モチベーションが保てずにすぐルアーチェンジしてしまうことが多かったがね。
とはいえ、それなりの使用感は得られたので、まずは自分なりに思ったところを率直に述べてみようかなと。
軽快で軽い!ズバ抜けたキャストフィール
K2R112でもっとも印象的なのが、軽快なキャストフィール。
20gの重量感が重すぎず、軽すぎず。ちょうど良い具合。
ペンデュラムキャストで振り抜く際、ロッドのバッド部分に重みを乗せた瞬間、ウェイトボールがカチッと鳴りながらルアー後方へ移動。
振り切った後は、スカッと気持ちよく飛んでいく。
この程よい重量感とカチッという小気味良い音。これがたまらなく癖になる。
もちろん、飛距離もバツグン。
他のフローティングタイプのミノーの中では、間違いなくトップクラスの飛距離。
フローティングなのに、キャストだけなら100点満点。
引き抵抗は少なめ
K2R112はリップが無い分、引き抵抗は少なめ。
ヘッド上部に水を受け流すため、ブリブリアクションではなく、ラインアイを視点にしてテールを軽く左右に振れながらゆったりと泳ぐ。
そのため、波やうねりがあると、何やってんだか分からなくなる。
これがサーフで使用する際のモチベーションを維持できない要因でもあるんだけどね〜。
表層キープのダートアクション
そして、このK2R112はダートアクションも。
ただし、ジグヘッドリグによるダートアクションとは違ってダート後の沈み込みがない。
なので、表層をキープしたままのダートが可能。
ただ、ジグヘッドリグのようにラインスラックを多く取ると、フロントフックがリーダーに頻繁に引っかかってしまうので、ラインテンションを張り気味、ロッドを横にして水平にジャークするのがコツ。
水深の浅いサーフでダートアクションをしたいなら、これで十分対応可能。
速巻きでも泳ぎが破綻しない
K2R112はリップが無いため、低速はもちろん、速巻きでも泳ぎが破綻せず、常に安定した泳ぎをしてくれる。
シンキングペンシルのように速巻きで水面を飛び出すこともなく、巻き速度の違いでレンジが大きく振れることは少ない。
巻きスピードの変化やロッド操作を駆使すれば、素直に反応してくれる印象はある。
よって、ユーザーの意図でいろんな使い方が可能。
着水直後は水面を滑りやすい
K2R112は、着水後すぐのリトリーブでは海面を滑ってしまうことも。
サーフでは特にうねりや波があるときなんかに起こりやすい。
リップが無いだけに、着水直後の水噛みが心配になってしまうが、それも少しの間だけで、リトリーブを続けていればすぐにウェイトが戻り、水を噛んで水面を潜ってくれる。
心配であれば、着水後にロッドティップを少しあおった玉入れ動作を加えれば尚良いだろう。
とはいっても、シンキングペンシル同様に波やうねりがガッチャガチャでは操作がしづらいので、凪の日限定の使用になるだろう。
あと、足場が高い場所も向かないかな。
K2R112のまとめ
以上、いまだ釣れてはいないものの、K2R112の特徴や使用感を述べてみた。
つまり、頭上がりで泳ぐシンキングペンシルの逆をいく、「頭下りで泳ぐフローティングのシンキングペンシル」と捉えてもらえれば分かりやすいだろう。
K2R112を入手してから、早7年。
「これで釣ってみたい!」と思えるルアーではあるが、やはりフローティングでリップが無いので、釣れない時はどうしても1m前後潜るリップ付きミノーに頼りがち。
特に水深のある西湘サーフでは、トップ〜水面直下はどーも釣れる気が薄れてモチベーションが保てないのは、誰しも思うところだろう。
ボイルがあるタイミングで使えば間違いなく効果を発揮すると思うが、如何せん、西湘サーフでボイルが出ることなんて稀。
バコッとヒットシーン丸見えのトップの釣りもしてみたいが、西湘サーフではK2R112で釣れるようになったらチャレンジしようかなと。
クセは強めのルアーだが、「これで釣りたい!」と思わせてくれる。
今シーズンこそ、このK2R112で価値ある1匹を釣り上げたいね。
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コメント
こんにちは!
良さげなルアーですね、良い思い出が出来たら最高です。頑張ってください。
esu3goさん、こん○○は!
サーフで使えるリップレスのフローティングルアーって、なかなか無いんですよね。
書かれていたフレーズを見て、即購入決めちゃいました!
こうして皆、ルアーコレクターになってしまうんでしょうなぁ・・・