シマノ独自の防水システム、Xプロテクトを搭載したラインローラー。
スピニングリールはラインローラーのメンテナンスさえ怠らなければ、大きなトラブルになることは少ない。また、すぐにダメになりやすいのも、ラインローラー。
そのため、最初にダイワがラインローラーにマグシールドを採用した当時はかなりの魅力を感じていた。
しかし、マグオイルが漏れたり、自己メンテができずに不便と、周囲からはあまり良い評判を聞かない。
そんな中シマノも、マグシールドに遅れて独自の防水システムであるコアプロテクトとXプロテクトを導入。
その中でもXプロテクトは、実際に使用しても非常に防水効果は高いと実感。
Xプロテクト搭載ラインローラーの優れた点
過去に何度も述べたが、Xプロテクト搭載ラインローラーの優れた点は、以下の2つ:
Xプロテクトラインローラーの優位性
- 防水性能(ラビリンス構造+DG18特殊撥水グリス)
- 自己メンテナンス可能
じっさいにXプロテクトが搭載されている'17ツインパワーXDで体感したが、Xプロテクトの防水効果は間違いないと断言できる。
「防水効果なし」とみている人もいるようだが、自分ではXプロテクトを搭載したことでラインローラーのトラブルは明らかに減ったと感じているし、メンテナンスの手間も大幅に減ったのは紛れもない事実。
さらにこのXシールド搭載ラインローラーの優れている点は、防水効果がある上に自己メンテナンスが可能であること。
ダイワのマグシールドは分解しての自己メンテナンス禁止としているだけに、この部分の優位性は非常に大きい。
しかもXプロテクトのラインローラーは部品点数が少ないので、不器用な人でもメンテナンスがしやすいところが嬉しい。
釣行後の水洗いは必須。しかもすぐ!
現時点でXプロテクト搭載ラインローラーはベスト
だと、個人的には思っている。
ただし、この防水システムを最大限機能させるには、釣行後の正しい水洗いをすることが大前提。
いくらラビリンス構造と特殊撥水グリスの効果があるとはいえ、ここを怠れば塩ガミは確実に発生しやすくなる。
ただし、単に水洗いといっても、ポイントがある。
そのポイントとは、水洗いの方法よりも、水洗いのタイミング。経験上、ココがもっとも重要だと確信している。
ラインローラーの洗い方については、ラインローラーにラインを通して充分に回転させながら水洗いする方法を勧めている人も。
確かに念入りに洗浄することになるからそれはそれで良いかもしれないが、少なくともXプロテクト搭載のスピニングリールなら、釣行直後でまだ塩が結晶化していない状態であれば、そこまでしなくても大丈夫。
つまり、釣行後に水洗いのタイミングを遅らせれば遅らすほど、ラビリンス構造内、さらにはベアリング内に残った海水が結晶化しやすくなるってこと。
釣り場付近に水道など水洗いできるところがあれば理想だが・・・
水道がない場所であれば、このようなポータブルのシャワーを車の中に常備しておくと良い。
そこまでのものでなくても、2リットルのペットボトルに水を入れたものを常備し、このようなシャワーキャップを使って洗うのでも良い。ちなみに自分は、こちらを使用している。
とにかく、水洗いを怠ってしまうと、ラビリンス構造内に残った海水がさらに奥まで侵入。それがベアリング内に到達してしまえば、もう完全にアウト。
一度ベアリング内にまで海水が達してしまうと、通常の水洗いで除くのは至難の業。
ここまできたら、パーツをバラしてベアリングを洗浄するか、新品のベアリングに交換するしかない。
釣行後すぐの水洗いは必須。ここは必ず抑えておこう。
僅かな違和感を感じたら、ベアリング洗浄とグリスアップを
では、ラインローラーを分解してのベアリング洗浄,グリスアップ頻度はどれくらいが良いのだろうか?
釣行回数や頻度,水洗のやり方,保管方法など、ラインローラーの状態を左右する環境要因が多いので、単純に「これくらいの頻度」と言えるものではない。
違和感が出る前に頻繁に分解メンテナンスをするのがベストだろうが、そこまでやってられないという人がほとんどだろう。
だから、少しでも「違和感」を感じたら、直ちに分解洗浄,グリスアップをするしかない。
では、その「違和感」とは?
具体的にどのようなものか?
最も分かりやすいのは、釣行中に聞こえる巻き取り時のシャリシャリ音。
しかし、周囲に響くほどのシャリシャリ音がしてからでは遅すぎる。
「あれ、ちょっと音がする?」「ハンドルを巻いた指先にシャリ感が?」など、微妙に感じるくらいが分解メンテナンスのしどき。
また、エアノットや高切れなどのライントラブルが頻発するとき、ラインローラーが回らずにヨレが強まることが原因であることも。
そんなトラブルが出てきたときも、ラインローラー分解メンテナンスのしどき。
いずれにしても、少しでもリールに違和感や変化を感じたら、ラインローラー分解メンテナンスのしどきと思っておこう。
釣行後のスピニングリールの洗い方
スピニングリールを重点的に水洗いする箇所は、主に2つ。
一つは、PEラインが巻いてあるスプール部分。もう一つは、ラインの巻き取り時に最初に海水が触れるラインローラー部分。
大きく波を被っていなければ、この2箇所を重点的に水洗いすればまず大丈夫。
これまで、Xプロテクト搭載のものとそうでないものの2つのスピニングリールを使っているが、同じ洗い方でもXプロテクト搭載の方がラインローラーのトラブルは明らかに少ない。
そこで、Xプロテクト搭載ラインローラーの機能を最大限発揮するための水洗いについて、これまでの試行錯誤の経験をもとに述べてみたい。
水洗い前の準備
まずは水洗い前。
スピニングリール内部に水が入らないよう、水洗いをする前にドラグはしっかり締めておく。
リールボディ全体を水洗い
ドラグを締めた後は、シャワーでも蛇口からの流水でも溜め水でも何でもいいので、まずはスピニングリール全体をシャコシャコと水洗い。
スピニングリール表面に付着した海水を洗い流すイメージで全体を洗い、さらにラインを通じて海水に触れることの多いラインローラーとそのラインが収まっているスプールの2カ所を重点的に水洗いする。
ラインローラーの流水洗浄
肝心のラインローラーの洗浄。
まずは、流水をラインローラーに直接当て、ラインローラーを人差し指の爪でガジガジ動かす。
流水でなくとも、ラインローラー部分を溜め水の中へ水没させ、ラインローラーを爪でガジガジ動かして洗浄することもある。
洗浄時間は、いずれも5秒程度。潮を被った時は念入りに10秒程度。
それ以上長く洗ってみたこともあるが、塩が結晶化して固まっていなければ、そんなに効果は変わらない。
ボディを振り、ハンドルを高速回転して水を切る
水洗が終わったら、スピニングリールのボディに付着した水分を除く。
まずはリールのボディを手に取り、大きく2回ほど振って水を切る。
次に、ローターやラインローラーに残った水分を切るため、ハンドルを高速で3回ほど回し、その惰性で回転。遠心力を利用して水を切る。
そして再度2回ほど振って水を切り、ボディ表面をタオル等で拭き取る。
最後はドラグを緩めて保管。これでオッケー。
水洗い後、注油は必要なし
Xプロテクト搭載のスピニングリールであれば、水洗い後の注油は一切必要なし。
ラインローラー内の特殊撥水グリスが機能している限りは、これまで説明した水洗いさえしておけば充分。
あとは先ほども説明したように、釣行時に少しでも違和感を感じたら分解メンテナンスをすれば良い。
Xプロテクトのラインローラーは部品数も少なく組みやすいので、不器用な人でも余裕でメンテナンス可能。
このように、初心者やぶきっちょ,メカが苦手な方でも、これまで以上にお手軽にメンテナンスがおこなえ、長持ちできるというわけだ。
まとめ
仮に分解メンテしても改善されないなら、シマノのオーバーホールへ出してしまえば良い。
他の部品の摩耗具合も確認してもらえる上、Xプロテクト搭載リールならその際にラインローラーパーツを無償交換してくれる。
Xプロテクトの純正ラインローラーだけで 3,000円もするが、 釣行頻度によっては数年に1回程度のメーカーオーバーホールで済むので、ラインローラーだけを個別に購入する必要性はほとんどない。
シマノのオーバーホールもコースによって価格差はあるが、だいたい4,000円程度。そう考えると、意外とお得かもしれない。
Xプロテクト搭載のラインローラーに限って言えば、「セルフメンテとメーカーメンテのバランスが良い」といった印象かな。
繰り返し言うが、釣行後はすぐに水洗い。
そして、使用時の少しの違和感を感じたら分解メンテ。それでもダメならメーカーオーバーホール。
ポイントをしっかりおさえて、あとは釣行ペース等も考慮し、自分なりのメンテナンスルーティンを確立してみましょう!
コメント
私もほぼ同じ方法で水洗いメンテナンスしてます。あとは最後にスプール外して内部の水滴を拭いてるぐらいですかね。釣行後すぐに洗える環境にあるので、リールには使いませんが、ベルトレスヒップウェーダー用にCAINZの2Lの加圧式噴霧器を常備していて、海水や砂を洗い流してから車に積んでいます。
ちゃーさん、いつもコメントありがとうございます!
スプールを外せばより完璧ですね。私はズボラなので、気づいたときくらいしかしませんが。
私もCAINZで見ましたが、アレ、いいですね!ちょうど買おうかな〜と思っていたところでした。
自宅の庭木の消毒用のも使おうと思ったことがありましたが、ちょっとそれだと大げさかなと。
もう少ししたら釣り、再開しようと思います!