現在も不動の地位にいる不肖ゆたりなのお気に入りライン、アーマードF+プロ。
しかし・・・
すでに200m巻が廃番となり、150m巻しかないのがとても残念でならない、アーマードF+プロ。
1.0号までしかラインナップがないのも残念でならない、アーマードF+プロ。
ロックフィッシュ用に限って1.5号まであるけど、なぜか1.2号だけが抜けているのがわけ分かんない、アーマードF+プロ。
良いラインなのは間違いないが、このように、なーんか中途半端感が否めない。
デュエルでは、アーマードF+プロ発売後も様々なPEラインがリリースされるが、いずれのラインもアピールポイントが中途半端。
世紀のク○ライン「スーパースムーズ」の悪評もあいまって、どんなに新ラインをリリースしても、デュエルラインに対するユーザー全体の評価が上がらないジレンマに陥っているといっても過言ではない。
そんな中で登場したのが、今回のTx8。
従来からある8本撚りPEラインのようだが、どうやらこれまでにあるものとはちょっと違うようだ。
松岡プロのYouTube動画でも強く推薦
最初にTx8の存在を知ったのは、デュエルのプロスタッフである松岡氏のYouTube動画から。
べつに松岡氏のファンではないが、松岡氏監修のシマノのエクスセンスロッド’15ワイルドコンタクト1000を(2回もバット部分で折れたけど)愛用していたこともあり、気になる内容のときは見るようにしている。
この動画では、もちろんTx8のことを述べているのだが、注目すべきは、あえてデュエルのク○ラインにも言及していること。しかも、あえて名指しで。
ク○ライン・・・アーマードF+プロと同じ単線構造の激安PEラインではあるが、とにかくブッチブチに切れまくった、悪評高いスーパースムーズ。
冒頭でも述べたが、あのク○ラインのせいで、その後発売されたデュエルPEラインまで悪イメージを引きずっているといっても言い過ぎではない。
それこそ、デュエルのブランドイメージを「安かろう、悪かろう」の印象を植え付けた戦犯であったとも、個人的には思っている。
そんなある意味でデュエル社内のタブーとも言えることを、そこのプロスタッフである松岡氏が、個人のYouTube動画でガッツリ述べちゃっていたのには驚いた。
そう・・・アーマードF+プロなんかは本当に強くて使いやすくて良いラインだったのに、「どーせデュエルで出してるラインなんてク○!」と試してこなかったアングラーも多かったろう。
この松岡氏もデュエルのプロスタッフではあるものの、自分が納得した製品にはコメントをしているが、それ以外にはデュエルHP上でも一切コメントを入れていない。
そのことからも、プロアングラーとしてのこだわりの強さがうかがえる。
基本、お抱えメーカーの製品をアピールしているモニターやテスターの発言こそがク○だと思っている。
じっさいにスーパースムーズが出た時は、松岡氏と同じデュエルのエギングプロスタッフ笛木氏による商品ホームページにコメントが書かれていたのを覚えている。
しょせん、お抱えメーカーのプロスタッフなんて、そんなもの。
しかし、こだわりが強い松岡氏の発言であれば、それなりに信頼してもよかろうと。
そんな松岡氏が推している、デュエルの新しいPEライン「TX8」は、かなり期待が持てそうだ。
「張りが抑えられているのに使いやすい」という矛盾?
そして、この動画内にも解説があったが、「張りが抑えられているのに使いやすい」と述べている点にも注目。
近年のPEラインは、表面コーティングで張りを強くすることで、モノフィラメントラインのような扱いやすさを求めたわけだが、文面だけ見ると、このTx8ではその逆をいくようなコンセプト。
張りが強いとスプールへの収まりが悪く、キャスト時にラインが一気に放出されてライントラブルが起こるとの解釈。
そして、摩擦系ノットの結束時、張りが強いことでリーダーに食い込みにくくなり、結束強度が落ちるとの解釈。
確かに、そう説明されれば、そうなのかな〜とは思う。
しかし、張りを強めていたこれまでのPEライン開発の理屈からして、「ホントにそうなの?」と思ってしまわなくもない。
事実、ソルトルアーフィッシングを始めた頃、やはりデュエルのやっすい8本撚りのPEラインを使ったことがあって、そのときはナイトゲームでライントラブルが多発した経験がある。
しなやかすぎるラインだとトラブルが発生しやすいなーと思い、その頃からコシの強いアーマードラインに切り替え、ライントラブルが極端に減った経験がある。
アーマードラインに関しては、確かにおろしたてでスプールに巻きつけると収まりが良いとは言い難いが、使用時のライントラブルは他のPEラインと比べると間違いなく少ない。
FGノットやFFノットによるリーダーとの結束では、そんなに結束しにくいと思ったことはないし、じっさいに充分な強度があるしね。
そんなどっちつかずのことをぐるぐると考えてはみたが、まぁとにかく、実際に使ってみたほうが早いでしょ!
その後に評価すれば良いわけだしね。
Tx8の特殊構造
なんか久々に良さげなPEラインとなった、デュエルのTX8。
その秘密は、新強力T原糸と、それによる新密編製法にあるらしい。
メーカーHPによる説明では、「原糸の太さを変えることなく従来の構成繊維を太くすることで、毛羽立ちにくく摩耗に強い!!」とのこと。
なんか分かるような、分からないような〜。
この2つの特徴がベースとなって、様々な効果を生み出しているようだ。
そのベースによる、具体的な効果を押さえておこう。
Tx8の機能的特徴
上記2つの特殊構造により、なにが良くなったのか?
その具体的な特徴を挙げてみよう。
リーダーと結束しやすい
まずは、しなやかさが増したことで、リーダーとの結束がしやすくなったこと。
そして摩擦系ノットによりリーダーへの食いつきが増し、結果的に結束強度が増したこと。
松岡氏のYouTube動画でもそのへんを具体的に説明していたが、しなやかなゆえにリーダーへの一回一回の巻きつけや編み込みが緻密になるため、締め込んだときにムラなく食い込むという。
たしかに、すっぽ抜けが多いFGノットなんかには良さそうだ。
これまでのPEラインとのすっぽ抜けの頻度比較なんかしてみても良いかもね。
今回はそこまで厳密にはやらないけど。
長持ち
原糸と蜜編みにより、耐久性や耐摩耗性が大幅に向上したという。
この点は、ド貧乏アングラーであるこのアタクシにとって、もっとも重要視する点。
通常は表面コーティングによりPEラインの耐久性や耐摩耗性を付けていくものだが、このTx8はコーティングに大きく頼ることなく、PEそのものの素材と編み方を変えることで実現したという。
とはいえ、ノンコーティングではなさそうだけど、それか、うっすうすのコーティングなのかな?
アーマードF+プロと比べて、どれくらいの耐久性があるのかな?
ここらへんは、非常に興味深い。
スペック表記から違う
今回のメーカーHPによるTx8の紹介ページを拝見すると、スペック表記がこれまでのラインとは異なることに気がついた。
強力がアーマードF+プロでは最大(MAX)表記であったものが、Tx8では標準表記となっていた。
デュエル製の他のラインのスペック表を確認したところ、製品によって表記がまちまちであることに気づいた。
おいおい・・・自社製造ラインに自信があるんじゃなかったんかい?この時点でブレブレじゃん!
近年リリースしたものはすべて標準強力の表記となっているので、途中から見直したのかな?
そんなスペック表記の違いは置いといて、今回入手したTx8 1.0号の標準強力は21lbs.。
アーマードF+プロは、1.0号の最大強力で19lbs.。
ちなみに、過去に試したよつあみのボーンラッシュでは、最大強力で22lbs.。
アーマードF+プロは完全に上回るとして、ボーンラッシュに近い強力。
デュエルの過去の8本撚りラインでは最高の強力表記となっているので、期待しちゃおうかな!
Tx8を入手。セルテートへ巻いてみた
一度気になったら試さずにはいられない、この不肖ゆたりな。
先日’19セルテートに新品のアーマードF+プロに巻き替えたばかり。
それでもTx8の200m巻,1.0号を購入、さっそく巻き替えて試してみた。
触った感触
まずは、Tx8を触った感触。
ライン表面は、非常に滑らかでツルッツル。
ただ、一般的な8本撚りPEラインよりも滑らかかというと、そこまでの差はない印象。
編み込まない単線のPEラインであるアーマードF+プロと比べると、さすがに劣るかな。
ラインの張りを確認しようと、立てようとしたが・・・
このように、ヘナッと。
最近のPEラインよりも、明らかにしなやか。まるで表面コーティングがされていないよう。
張りが強いアーマードF+プロと比べても、Tx8は明らかに張りがない。
それとこのTx8、コーティング系ラインにあるような巻きグセは、ほとんど付かない。
上のラインがアーマードF+プロ。下がTx8。
いずれも1.0号だが、テンションフリーにした状態でも、糸グセ度合いがこんなにも違う。
アーマードF+プロは巻きグセがかなり残るが、Tx8はスプールから離れた途端にストレート。
これなら、キャスト時にラインが膨らまず、放出したラインが直ちに収束して、糸抜けが良さそうだ。
スプールへの収まり具合
Tx8 1号を200m、セルテートのスプールへ巻いてみた。
’19セルテートLT3000XHのスプールはPE1号で200m。Tx8でちょうどピッタリ。
スプールへTx8を巻いたときの収まり具合は、アーマードF+プロと比べると、ラインどうしの隙間が少ない印象。
ピッチリと収まってる感がある。
とはいえ、そこは一般的なPEラインとそんなに変わらないかな。
リーダーとの結束
フロロラインとの結束。
たしかに張りがない分、編み込み時のリーダーへのなじみは良いかも。
実際に摩擦系ノットを組む作業もしやすく、アーマードF+プロよりも締め込みしやすい。
このリーダーへの馴染みの良さや締め込みしやすさが、実際の結束強度にプラスに働くのか?
ということで、Tx8を使用する際には、リーダーでコブを作るFFノットで結束せず、しばらくはFGノットで結束強度を確認してみようかなと。
しかも、すっぽ抜け防止としてのリーダーの端部へライターで炙ってコブを作ることはせず、編み込んだ後にシンプルに4回ハーフヒッチを入れるのみとすることで、リーダーへの食い込み具合を試してみようかなと。
【過去のFGノット参考記事】
Tx8を使ってみた感想
このTx8、ご近所サーフでさっそく試してきた。
デイゲームや・・・
ナイトゲーム。
無風や強風時も。
もちろん、まだ使用頻度が低いので、ファーストインプレッション程度の使用感しか述べることができない。
そこでまずは、現時点で実感できている部分で述べてみたい。
キャスト時のライン放出は極めてスムーズ
まずはキャスト。
ラインをリリースしてから、人差し指で軽くフェザリングしたときの指の当たり具合が非常にソフト。
スルスルっとラインが放出されていく様が、非常に気持ちいい。
フェザリング時に指に強く当たるアーマードF+プロとは、明らかに異なる感覚。
スプールからの放出も大きく膨らむことなく、素直にバットガイドへ吸い込まれていくような感覚。
しかし、だからといって飛距離が大幅に伸びたという明確な実感までは感じられず、アーマードF+プロとは大きく変わらないような。
一般のPEラインと同様、ちょっとの風でも影響を受けるので、その点での飛距離のロスがあるのかもしれないね。
海水の持ち込みは、ほぼなし
おろしたてというのもあるだろうが、海水の持ち込みは極めて少ない。
よつあみのボーンラッシュX8を使ってたときは、ガイドに滴るくらいにラインからの海水の持ち込みが見られたが、Tx8にはそれがない。
ライン表面のコーティングによるところが大きいのだろうか?
となると、コーティングが剥げたときにはどうなるだろうか?
そこらへんのことも、今後確認していきたい。
コーティング剤がガイドに付かない
ラインのコーティング剤は、ガイドには今のところ付着する様子はない。
やっすいPEラインではラインのコーティング剤がベッタリとガイドに付着することがあるが、Tx8にはそれがない。
糸鳴りはゼーンゼンしない
動画の中でも松岡氏が述べていたが、ラインを巻き取るときの糸鳴りは皆無。わずかな音すらしない。
風の強いときにも試してみたが、それでも糸鳴りは皆無。
風への煽られ具合は、一般のPEライン並み
キャスト時のときにも述べたが、さすがに風のある時は、一般のPEラインと同様、大きく煽られる。
まぁ繊維は太くなっても、比重は一般のPEラインと変わらないだろうから、この部分は致し方ないといったところかな。
風に対しては、モノフィラメント構造のアーマードF+プロの方が使いやすいかな〜。
結束強度
今回は、フロロリーダー4号(約16lbs.)に、焼きコブなしのFGノットで組んでみた。
幸い(?)にも、ガッツリと根掛かりしてしまったので、ここぞとばかりに引っ張ったところ、結束部分ですっぽ抜けることなく、リーダーのチモト部分で切れて戻ってきた。
強く引っ張ってもなかなか切れてくれずに困ったくらい、ラインそのものの強度は当然のことながら充分な引張強度であったが、なによりリーダーとの結束が充分に組まれていることが確認できた。
すっぽ抜けることなく、まずはリーダーへの食い込みが充分であったことの証明にもなったのではないかな。
しなやかであるがゆえ、結束に最大限のパフォーマンスを発揮できたのでしょう。
ラインそのものの強度,リーダー結束強度が充分であることがわかったので、次回からは5号(約20lbs.)のフロロリーダーを組んで試してみようかなと。
ただそうなると・・・根掛かりしたら、さらに切るのが大変そう!
まとめ
期待のデュエルPEラインのTx8。
個人的にこのラインで考えているのは、「アーマードF+プロが廃番になったときの代替となり得るか?」。
アーマードF+プロとほぼ同等、もしくは上回るのであれば、もう完全にTx8一択になる可能性は大いにある。
実売価格も他社の高品質ラインよりも大幅に抑えられているため、「デュエルの○ソライン」という思い込みさえなくなれば、他社のPEラインを抑えて売れる可能性は充分にある。
今回はまだ使って日が浅いので、ファーストインプレッション的なことしか述べることができなかったが、今後は個人的にもっとも重視するライントラブルの頻度や長期使用による耐久性、主にこの2点に注目して使っていきたい。
さらに、150m巻までしかないアーマードF+プロと違って、200m,300m巻まで揃っているのも魅力。
アーマードF+プロは150m巻までしかないので、その長さだとライントラブル等で切れたときの不安が拭えない。
その点だけ考えても、巻き量ごとのラインナップが豊富なTx8を選択する価値はある。
また、アーマードF+プロになかった1.2号や2.0号以上も揃っている。
さすがに今の自分が2.0号以上のラインを使うことはないが、1.2号は普段のサーフでも多用したいよね。
さぁこれで、デュエルラインの過去の汚点を完全払拭できるか?
期待を込めて試していきましょう!
コメント
ご無沙汰しています、ちゃーです。
奇遇ですね(笑)二日前に届きました。
ライムグリーンの1号です。
まだ投げていないので、参考になりました。
磯からのハタゲーなどで、耐磨耗性や耐久性を確かめたいですね。サーフだと巻き上げる砂とかですかね。
私の試投はちょっと先になりそうなので、インプレ楽しみにしてます。
ちゃーさん、コメントありがとうございます!
あくまでも感覚ではありますが、所詮は8本撚りのPEライン、そんなに大幅に耐摩耗性があるとは思えないですね。長期耐久性はそれなりに期待はしてますが。
試投はそれなりにしてるのですが、とにかく釣れない・・・今年に関しては、「このコンディションなら絶対釣れるだろ!」って時でも釣れないことが多い気がします。
いずれにせよ、しばらくはTx8を使い続けます!