最近、とある釣具屋で、ワームの付け方を友人だか誰かに熱く説明していた場面に出くわした。
「頭が二つあったら不自然じゃん?だからジグヘッドに付けるときはワームの頭は切って使うんだよ」
「ワームはこの向きでないと釣れないよ」
・・・なーんだそりゃ? (゚Д゚)クワッ!
そんじゃ、リアルベイトと違う不自然極まりないカラーが釣れるのは、なんでなの?
オメーは「釣れない」と言ってるが、検証したのかよ!
・・・なーんてそん時には思ったが、この理屈が合ってるかは別として、ジグヘッドにパワーシャッドをセットしている人は、ほとんどがその通りにセッティングしていると思う。
「じゃぁ何でそのセッティングにしているの?」と問われて、明確に答えられる人はいるのだろうか?
実は、その熱く語っていた人と同じことを潜在的に思っていたのではないか?
いずれにせよ、パワーシャッドは中途半端に魚の形状をしているため、妙な偏見を持っている人が多いように思える。
そこで今回は、「パワーシャッドの偏見」と称して、自分なりの意見を述べてみたいと思う。
ジグヘッドの頭とワームの頭と2つあると釣れない?
そもそも、ジグヘッドを「ベイトの頭」としてフィッシュイーターがそこまで認識できているのだろうか?
パワーシャッドの頭部を「ベイトの頭」として認識できているのだろうか?
そんなもん、単に人間が不自然と思っているだけで、頭を切り落とさなくたって釣れるもんは釣れるだろう。そんなもんで釣果が大きく変わるわけがない。
変わるとしたら、頭が二つあることよりも、ワームサイズがフィッシュイーターの好みに合うか合わないかくらいなもんだろう。
パワーシャッドの頭を切り落として使うようになったそもそもの理由は定かではないが、以下の理由が可能性としてあるのかな?
パワーシャッドボディに対してジグヘッドのフック位置を調整
ジグヘッドはフックが固定されており、パワーシャッドにフックを通すと、フックポイントが前方寄りになってしまう。
丸呑みでのバイトならそれでも問題ないが、ショートバイトの場合、フックポイントがもっと後ろ側にあることが望ましい。
出典:釣具ポイントHP
したがって長さ調節するために、頭側から切り取るというのはあるかもしれない。
パワーシャッド特有の味や臭いを切り口から出す
パワーシャッドには、味やニオイが備わっている。
そのため、頭を切り落とすことでワームの切り口から味やニオイを放出させるという効果は、確かにあるかもしれない。
仮にそれが本当に効果的だとすれば、パワーシャッドのボディ全体に多くの切れ目を入れれば、もっと味やニオイが出て、フィッシュイーターのバイトをさらに誘発できるだろうとの想像もできる。
さらにその切れ目によって、前方から受けた水流を変化させて、通常のパワーシャッドとは違った動きができることも想像できる。
なーんてことも考えられるが、そもそもパワーシャッドに備わっている味やニオイがそんなに効果あるとは思えないがね。
魚影が濃い場所であれば多少の効果は得られるだろうが、遠くから寄せるまでの効果があるとは考えにくい。
パワーシャッドに上下の向きが決まってる?
一応、パワーシャッドには上向き,下向きが決まっているようである。
通常は平らな面が背中で上向きで、丸みを帯びた面が腹側で下向き。
あと、パワーシャッドのシャッドテールが逆三角になるようにするのも目安のようだ。
だけど・・・そんなパワーシャッドの向きをどっちにしようが、どんだけ釣果に影響するもんなのかね?
パワーシャッドは逆向きの方が大きく泳ぐ
パワーシャッド、実は逆向きの方が大きく泳ぐ
し、普通に釣れる。
事実、自分の釣りでは逆向きセッティングを普通にやっており、普通に釣れている。
逆付けにしたことで、操作上のトラブルが発生しやすいなどもまったく無い。
【関連記事】
操作上、順付けでないと不具合が生じやすいとかいうのであれば「正しい向き」を従うべきだが、別にそんな問題が無ければどう使おうが、ユーザー側の自由。
正しいも正しくないもないわけだ。
ツートンカラーのパワーシャッドで2色分の効果
過去にも「パワーシャッドの特性を最大限活かしたセッティング方法を解説」で述べたが、順付け,逆付けを区別して使うことで、底物に対して2色分のカラー選択ができる。
たとえば、パワーシャッドでド定番の115カラー。
パワーシャッド115番を腹側を下向きにすれば、白基調のカラー。
これは、ナイトには効果があるかもしれない。
パワーシャッド115番を背側を下向きにすれば、黒基調のカラー。
これは、晴れて水が澄んでいる時は、シルエットが強調されてアピール強となるかもしれない。
効果の根拠までは断定できないが、こんな想像を膨らませながら使い分けることだって可能なのだ。
パワーシャッド ラメのある方を下にすれば 底にいる魚への適度なアピール
他にも、パワーシャッドのカラーによっては背側にラメがあるものもあるし、腹側にラメがあるものもある。
どちらにせよ、パワーシャッドのラメのある方を下側に向ければ、多少なりとも底物に対してフラッシングの効果が得られるかもしれない。
115カラーは、ラメが背側にある。
このパワーシャッド115番を逆付けにすることで、ラメによるフラッシングと、逆付けシャッドテールによる強アピールによる効果が相まって、底物の魚に更なるアピール強となるかもしれない。
まとめ
いずれにせよ、人間による「思い込み」で、正しいと思っていることが、魚にとってはまったく意味をなさないことは多い。
ベイトフィッシュに頭が2つあるのは不自然と言う人がいるが、そんだったらベイトフィッシュがカラフルなのはもっと不自然じゃねーのけ?ピンクの魚なんていやしねーべ!
そもそもフィッシュイーターはなぜルアーに噛みつくのか?エサとしてなのか?ジャマ者を排除するためなのか?おもちゃとしてなのか?
魚には手が無いわけだから、口が唯一物を掴むための媒体でもある。だからエサ以外の捉え方も充分考えられる。
エサ以外の捉え方ができるのであれば、カラー選択やアピールもエサに似せる必要はなく、「魚の怒りを逆なでするようなカラー」や、「魚が無意識に寄り付いてしまうカラー」等、いろんな可能性が考え得る。
魚にとって何が正解か不正解かは別として、アングラーにとっては釣れたこと自体が正解になるわけだ。
魚の思っていることを判読できる装置が発明されない限りは絶対に分からないわけだ。
本当の意味での「想像力」というのは、そういうところだと思う。妙な偏見は、アングラーにとっての釣りの楽しみを狭めることにもなりかねない。
人間側の偏見を取っ払って、思ったことをチャレンジしてみたら良いと思う。「そうあるべき」なんてものは、勝手な思い込みに過ぎない。自然が相手のことなんて、分からないことだらけなのだから。
そんな意見をエラそーに言っているこの不肖ゆたりなでさえ、まだまだ偏見でいっぱい。
【参考記事】
コレを躊躇なく使い続けて釣れるようになれば、また何か違う世界が見えてくる・・・かもしれないね!
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