さぁ、フライフィッシングを始めるにあたり、タイイングの道具が必要になってくるわけだ。
既製品のフライを購入できるかもしれないが、それではフライフィッシングの楽しみが半減してしまう。
せっかくフライフィッシングを始めるのだから、自分でフライを巻く楽しみは是非とも味わってみたい。
フライタイイングには、フックを固定するバイスとスレッドを巻くボビンホルダーは最低限必要となるが、これまでもショアジギング用のアシストフックを作製するために、安価なバイスとボビンホルダーは使っていた。
こんなやつ。
バイスは机の隅に固定する、やっすいやつ。
もちろん、ボビンホルダーも、やっすいやつ。
こんなやっすいやつでもアシストフックを作るだけなら充分だと思ってはいたが、実際には意外と不便ではあった。
バイスは机に挟むタイプなので、常に机の隅に設置しなければならない。
向きも大きく変えられないので、場合によっては体の向きを変えて作業をしなければならない。
そして、もう一つのボビンホルダー。
フックへスレッドを巻くときに、やたらブッチンブッチン。とにかくスレッドが切れまくった。
これまでは単に購入したスレッドが細すぎたのが原因と思っていたが、じつはこのチューブの先端部分で摩擦熱が生じてスレッドが切れていたことが、今になって判明。
そしてスレッドが切れてしまうと、またチューブへ通さねばならず、これがまた一苦労。
ブチブチ切れるたびにスレッド先端に唾をつけて小よりを作り、慎重にスレッドを通すを繰り返し。アシストフックを作るのにとてもイライラしていた。
このボビンホルダーには、摩擦熱を生じにくいチューブ部分がセラミック製のものがあるようだ。
アシストフックを作るだけであればこれらでもまぁ我慢できたかもしれないが、これから本格的にフライフィッシングを始めるのだから、もうちょっとしっかりとした道具が必要。
もちろん、バイスやボビンホルダー以外のツールも揃えておきたい。
ただ、フライフィッシングの道具は凝りすぎると無尽蔵に金を消費してしまうので、自分の目的にとって必要十分条件を満たした、お値打ちの道具を見つけることも必要。
そこで今回、フライフィッシングを始めるにあたり、まずはタイイングに必要なツールがすでに揃っているセットものを購入。
キャップスのクラウンバイスツールセットを購入
まずは知り合いに勧められ、キャップスのバイスツールセットを購入してみた。
キャップスのバイスツールセットには、「クラウンバイスツールセット」と「フライタイイング バイスツールセット」の2種類あるが、今回は前者を選択。
2つの主な違いは、バイス。前者の方が2千円ほど高い。
そして、モノが届いた。
まずは木箱の外観だが・・・
ウ〜ン・・・所々に傷があり、なーんか新品感を感じられない。
まぁ、あくまでもツールをしまう箱なわけだから、このさい箱のクオリティは目をつぶろう。
では、箱を開けて中身を見ると・・・
おぉ、いろんなツールが入っている。
といっても、中に取説が入っていないので、道具の名前や使い方などがよく分からない。
さすがに初心者に取説なしのものを渡されても、何をどう使って良いかなんて分かるはずもないし、使いこなせるはずもない。
そこでまずは、インターネットやyoutube動画で各ツールのことを調べ、使いどころなんかも調べてみた。
クラウンバイスツールセットの内容
バイス
まずは大本命の、バイス。
これは比較的単純な作りで、可動部分も少ないが、フライを巻くのにはこれで充分。
箱と同様に新品感があまり感じられないが、まぁココも機能すれば良しとしよう。
机の隅に固定するタイプではなく、机の上に置ける台座タイプ。英語では「ペデスタルタイプ」というらしい。
机のどの場所にも置ける分、土台はずっしり重いので、移動中に足の上に落とさないよう、注意が必要。
通常のバイスは、フックを固定するジョーをレバーで閉じるタイプのものが多い。
しかしこれは常にジョーが閉じており、このレバーでジョーを開いてフックを挟み、レバーを離してフックを固定するというもの。
フライフィッシングを教えてくれる知り合い曰く、小さいサイズのフックからジギング用のアシストフックまで、どのフックサイズにも確実に固定できるのはこのタイプらしい。
ボビンホルダーとボビンスレッダー
バイスと同様、フライタイイングに必要不可欠なのが、このボビンホルダー。そのチューブへスレッドを通すためのボビンスレッダー。
タイイングスレッド(フライを巻く糸)のボビンを保持するためのもので、これがあるだけでも作業効率が断然違う。
ただ、残念ながらすでに所有しているものと同様、糸を通すチューブがセラミックではない。
セラミックタイプを期待していたので、ちょっと残念。
ボビンホルダーは、また別にセラミックタイプのものを買い直そうかな。
そして、ボビンホルダーのチューブへスレッドを通すためのボビンスレッダーは、要するに糸通し。
これをボビンホルダーのチューブ内に通し、先端へスレッドを通してボビンスレッダーを抜いていけば、簡単にチューブへスレッドを通せるというもの。
これなら苦労して小よりを作る必要もないので、これは必需品だね。
シザーズ
お次はシザーズ。つまりハサミ。
羽や糸を切るために必須のものだが、これも外観からして雑な作りっぽい。
まぁ、切る役割さえ果たしてくれればそれで良いのだがね。
仮にこのシザースが使えないものだったとしても、すでにPEライン専用に所有しているPEチャレンジャーを使えば良いかなと。
ピンセット
作りはちゃっちいが、まぁ普通に、ピンセット。
特に使いにくいこともなさそうなので、これは大丈夫でしょう。
ハックルプライヤー
これはハックルプライヤー、大と小の2つ。
羽(ハックル)を掴んで巻くためのツール。
ハックルの先端に挟んで、フックにクールクルと巻いていく。
構造も単純で、まぁこれは普通に使えそう。
へアスタッカー
これもなんだかよく分からなかった、へアスタッカー。
どうやら複数の羽をこの中に入れ、先端を揃えるのに使うそうだ。
筒の中に羽の先端を下向きに入れ、軽くトントンと底を叩いて揃えるようだね。
羽を揃えるのに、別にこんなもん必要なさそうだが、実際にはどうなんだろうね。
ハーフヒッチャー
この3本あるのは、ハーフヒッチャー。
こちらは名称の通り、ハーフヒッチのためのツール。
これだけなぜ3本あるのかはよく分からないが、これにスレッドをクルっと巻いて、ハーフヒッチを決めるものらしい。
ダビングニードル
これは、ダビングニードル。ハーフヒッチャーとニードルが一緒になっているもののようだ。
先ほど示したハーフヒッチャーがすでに3つもあるんだが、そこまでハーフヒッチャーって数要るものなのか?
ニードル自体は細かい作業をする時に使うだろうから、一本は持っていて損はないだろう。
ウィップフィニッシャー
変な形をした、ウィップフィニッシャー。
これはタイイングの最後にスレッドを結ぶためのもの。ハーフヒッチより強固に結ぶさいに使用するもののようだ。
これ見ただけじゃ、絶対に使い方わからないよね。これこそ取説を付けてほしいものだが。
いずれにせよ、使うには慣れが必要だとは思うが、なんとか使いこなせるようにしたい。
ダビングツイスター
このハート型のもの・・・なんだ?
これが最も名称や使い方が分からなかったのだが、どうやらダビングツイスターと呼ぶものらしい。
ループを作った糸をこの先端の部分に引っ掛け、ループの中にダビング剤という綿毛のようなものを入れる。
あとはこのダビングツイスターでクルクル回転させれば、綿毛が挟み込むまれる。
そして、それをフックに巻き付けるというツールのようだ。
文章で説明するとなかなか難しいものだが、まぁこれはいずれフライ作成記事を入れた際に解説していこうかなと。
まとめ
今回購入したキャップスのクラウンバイスツールセット。
箱や各ツールの作りが多少雑なのは目をつぶるとして、タイイングに必要なツールがすべて揃っているのは良いね。
ただ、せめて各タイイングツールの使い方を示した取説は付けてほしかった。
こんなの、初心者だと何をどう使ったらいいかなんて、分かんないよ。
今じゃネットで調べりゃある程度のことは分かるが、それでも初心者向けの商品なら、もうちょっとわかるようにしてもらいたいよね。
Amazonやナチュラムのレビューを見ると、思わず納得。まぁ、それなりの製品ということかな。
でも、一気にタイイングに必須のツールが一式揃えることができるメリットはあるよね。
使っていて不具合が出るようなら、そのツールだけを別に買い替えても良いしね。
さぁ、あとは素材をそろえて巻くだけなのだが・・・具体的にどういった素材を揃えたら良いのか?どんなフライを巻いたら良いのか?
フライフィッシングは、ステップごとに悩みどころばかり。
まぁ、それが苦しくもあり、楽しみでもあり。
3月に入り各河川や湖は解禁となったが、あせらずにステップバイステップで取り組んでいきましょうかね!
コメント
フライネタなんで、またお邪魔します小田原のPちゃんです。
マテリアルですが、狙う魚にもよるのですが、
コックネックのグリズリー(白黒カラー)
エルクヘア
ラビットファー(シンセティックボディ材でも)
CDC(鴨のお尻の毛)
これでエルクヘアカディス(EHC)が巻けます。
このEHCは、トビゲラが羽化する時期は、もちろんハイフロートタイプなのでサイズが合えば、羽化してる水生昆虫を選ばず好反応するし、何より見やすいドライフライです。
コックネックが高いのですが、ハックルとして多数使うのでドライフライを巻くなら購入した方がイイですよ。
ボビンホルダーは、セラミックチューブの物が段違いにストレス無くなります。
スレッドは8/0の黒、オリーブが有れば取り敢えず大丈夫です。
ちなみにスレッドをホルダーのチューブに通す時、ボビンから長めにスレッドを引き出し、チューブに少し差したら、チューブの上部に口つけて吸うと簡単に通せますよ。
あとハサミですがストレートとベント(先曲がり)があると便利です。ちなみにフライの出来映えに直接左右するので少し良い品をオススメします。
ハーフヒッチャーが複数有るのは穴のサイズ違いと思います。
フックのアイサイズで使うヒッチャーを選びます。
ヘアスタッカーは、主に獣毛の先端を揃える為に使います。先に出たエルクヘアカディスとか作る時重宝します。
ぶっちゃけるとバイス・ボビンホルダー・シザーズ・ニードル・ウィップフィニッシャーだけでも巻けます。次点でヘアスタッカー・ハックルプライヤ位かな。
いわゆる王道系のフライならマテリアルも高価な物が多いけど、創作系フライは、シンセティックで作れるのも多いので手芸用品店や100均、ホームセンターを徘徊すれば意外な代用品見つかりますよ。
小田原のPちゃんさん、さすがですね!解説ありがとうございます!
とくにボビンホルダーのチューブへのスレッド通し方は、「そんな手もあったのか!」と唸ってしまいました。
ツールについての詳しい説明も、とても助かります。
とりあえずは、知り合いに基本的なものを教えてもらい、その上で自分のオリジナルを考えようかと思っています。毛なら山で獲れたイノシシやシカ、野鳥の毛なんかも使えそうですし、想像力を働かせていろんなものでトライしたいと思います。
それにしても、なんであんなにロッドやリールがバカ高いんですかね?あーんな針金ガイドだし、ボッタクリとしか思えないんですがね・・・(;´Д`A
将来は、ダブルハンドもチャレンジしたいです!
マテリアルが自前で調達出来るのが羨ましいと思うPちゃんです。
道具が高い理由は、知っていますが…
言いたくても言うと消され…
なんて事無くて(笑)
基本的に需要と供給の話でしか無いのですよ。
釣り人口に対しフライをやるのが1%位なんで、製品開発にかけられる費用も同様だし、製品の値段も当然付加価値付けて売るだけ。
市場を見せ、新規参入を妨げ、付加価値を付けて高値を消費者に刷り込む事で少量高価格で収益の高いモデルにしている感じですよ。
ガイドの事で言うなら全てSICにすれば20~40%飛距離伸びるかも…でも設備費を回収できるかな?
がメーカー側の踏み切れない所だし
もっと言えば高い材料使って値上げして性能を上げてもも前時代的な顧客(保守的)が離れる危険性が有るから進化を遅くして権威を付けるスタイルになってるのがこの業界(笑)
ノスタルジックなのか選民的なのか知らんけど、
自己満足に終始する世界がフライ界隈の基本です。
磯釣りのgamakatu信者とか、ベンツ信者(ヨーロッパ車信者)とかに近い一部の妄信的市場に健常者が足を踏み入れた初期症状です。
ギヤ比1:1のフライリール(テクノロジーより造形)に多額の金を支払う様になったらこちら側です。
(笑)
沼の住人
小田原のPちゃんさん、コメントありがとうございます!
フーン・・・まぁ仮にそうだとしても、このままボッタクってると新規参入の顧客数は先細りにはなりますよね。メーカー側が自分で自分の首絞めてる・・・みたいな?
それでも、一定数の信者的な人は存在するでしょうけど。
あと聞いた話だと、海外品は永久(無料)保証としているからというのも、理由にはあるみたいですね。
もう一つは・・・これは表立って言わない方が良いかな・・・そんな理由もあると聞いてます(;´Д`A
いずれにせよ、ダークな一面もあるフライフィッシング。底なし沼に踏み込まないよう、注意が必要です!
とはいえ、すでにツーハンドに興味津々の自分がいます(^_^;)