最近は、富山県の情報が日本全国に浸透してきているように感じる。おそらく、「ケンミンSHOW」の影響は大だと思うが。
富山発で最も有名と思われるのが、富山のラーメンである「富山ブラック」。富山県外の人でも、富山ブラックという言葉は、まず知らない人はいないだろう。
全国的にも、富山ブラックと銘打ったラーメン店やカップ麺,最近では焼きそばなんかも販売されているが、ハッキリ言ってこれらほとんどは、本来の意味での「富山ブラック」を再現されていない。単なる「黒いラーメン」としか言えないものばかり。
最近食べた「富山ブラック」では、このカップ焼きそばが一番近いようにも思えたが・・・ラーメンじゃなくて焼きそばだし。富山ブラックはラーメンなんで。
富山ブラックにサイダーまである。これは完全論外。味なんて再現されておらず(当たり前だろ!)、単に色だけ。オレはもう二度と飲まないが、興味のある方はぜひ試していただきたい。ちなみに、製造している会社はトンボ飲料。これも富山の会社。
上記のラーメンじゃない「富山ブラック」は置いといて・・・
そこで、今回は富山マスター(?)である不肖ゆたりなが、富山県外からの旅行者に向け、本来の富山ブラックを知っていただきたく、富山ブラックの詳細解説から、本来の富山ブラックを味わえるお店の紹介まで、本ブログをご覧のあなたへお伝えしてみたい。
富山ブラックの発祥
始まりは、戦後。戦後復興に向けて、富山には多くの肉体労働者が集まった。
肉体労働者向けに、昼食向けにご飯に合う濃い味付けのラーメンにしたのが発祥と言われる。「ドカ弁」と称する、白ご飯を詰め込んだアルマイト製の弁当箱を持って、お店で味付けの濃いラーメンをおかずに、腹いっぱい食べてもらおう。そんなスタイルから生まれたものである。
このような背景があったためか、不肖ゆたりなが就職のために富山へ初参入した15年ほど前、ラーメンだけでなく、総じて味付けが濃い印象があった。関東の味付けも、どちらかというと濃い方だが、そんな関東人の典型(?)である不肖ゆたりなでさえも、富山の味付けに慣れるのには多少の時間を要したほどだ。
最近は富山県内の飲食店は総じて標準の味の濃さに近づいてはきたが、それほど富山のラーメンは、富山の食文化,食の歴史を反映してきたと言っても過言ではないだろう。
富山ブラックの特徴
まず、本来の富山ブラックの特徴を挙げてみる。あくまでも個人的な判断ではあるが、富山県人の観念からもさほど外れてはいないと思う。
【富山ブラックの特徴】
・スープがどす黒く、妙に塩辛い
・麺は太麺
・具は薄っぺらいチャーシューと塩辛いメンマ,太目に刻んだ白ネギ
・仕上げは多量のブラックペッパー
富山で初めて富山ブラックなるものを食べた時、横にいた嫁(当時はまだ付き合っている頃)に文句を言ったことを覚えている。あまりの塩辛さ故、麺をすべて食べるのが精いっぱい。スープなんてとてもじゃないが一口も飲めなかった。
その後、当時勤務していた富山の会社で富山ブラックの酷評をしていた際、とある先輩社員から「オレなんてスープまで全部飲み干すよ」と言われた際、「あんたバカか!」とつい言ってしまったことも、今となっては良い思い出だ(;^_^A
あれから富山を離れて早10ン年・・・
なぜだろうか?今となっては無性にアレを食べたくなるのだ。そう、富山ブラックを。富山遠征の際には、できるだけ食べに行く。塩辛さ故なのだろうか?インパクト故なのだろうか?それほど中毒性の強いラーメン、それが「富山ブラック」なのだ。
上記特徴が揃っていないで「富山ブラック」と名乗っているラーメンは、オレから言わせれば、単なる「黒いラーメン」に過ぎない。
西町大喜 元祖富山ブラックのお店
さて、そんな本物の「富山ブラック」が食べられるお店は?
西町大喜 本店
歴史的にも味的にも、富山に来たなら是非とも足を運んでいただきたいのが、富山ブラックの老舗である西町大喜の本店。ココが最も本来の富山ブラックの味を出している。
メニューは、中華そばの大中小のみ。あとはトッピングの生卵くらい。ライスは無い。一般の人だったら、中華そばの小がちょうどよい量だと思う。
店舗に入ると、カウンターのみ。有名人のサイン色紙が並んでいるのが見える。有名人でもココのファンは多い。
好みに合うかどうかは別として、富山に来たのなら、ぜひとも経験していただきたいお店である。
本店の他にも、富山駅に隣接した富山マルシェ内にある富山マルシェ店や富山駅前店,中島店,二口店がある。店舗によっては若干メニューが異なるが、ライスは本店以外は確かあったと思う。
まとめ
以上、富山へ訪問した際には是非とも寄っていただきたい、本物の富山ブラックについて解説してみた。
せっかく富山へ旅行に来られたのなら、当たり障りのない、一般受けするような富山ブラックを食べるのではなく、是非とも本来の富山ブラックを食べていただきたい。その土地本来の味を知ってこそが、旅の醍醐味である。
あまりの塩辛さに苦笑いするか?味にハマるか?あなた次第!(;’∀’)
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