先日はベルトレスヒップウェーダーのご紹介をしたが、同時にあるものも購入。
それは・・・
液状のゴムディッピング塗料のプラスティディップ。
本アホアホブログを以前からご覧になっている方はご存知だと思うが、以前にこれを紹介して以降、その記事のアクセス数が一定以上あるほど。
爆発的なアクセス数とまではいかないが、いやらし〜感じでジリジリ〜と、それなりのアクセス数をキープしている。
その記事の内容は、このプラスティディップを靴底に利用するというもの。
このプラスティディップ、本来は靴底に利用するためのものではない。
プラスティディップには、主に2つの役割がある。
一つは、金属表面にゴム皮膜を作ることで、傷の発生やサビの進行を抑える役割。
もう一つは、工具のグリップにゴム皮膜を形成し、滑り止めとしての役割。
このうちの滑り止め効果を、靴底へ取り入れようというもの。
しかも、単純にゴム底になるわけではなく、これまでのゴム底では得られなかった機能が得られるのだ。
プラスティディップを靴底に使用する利点
以前にもこのプラスティディップを靴底への利用を紹介したが、ここでもう一度、プラスティディップを靴底に使うメリットをおさらいしよう。
表面ツルツルのテトラポット上でも滑らない
プラスティディップを靴底に使う一番のメリットは、スパイクやフエルトでも引っかかりにくい、表面がツルツルのテトラポットやゴロタ石の上でも滑らないこと。
特に新しい表面ツルツルのテトラポットは非常に厄介で、乾いた状態でも非常に滑りやすい。
さらに設置面積の少ないフエルトやスパイクなんて、なおさらのこと。
一般的にはフエルトスパイクシューズは万能だと思われがちだが、このような表面ツルツルのテトラポット上ではスパイクやフエルトは接地面積が少なく、摩擦が少ないため、非常に滑りやすい。
スパイクが得意なのは、滑りやすい海苔や苔があるところ。
しかし、表面がツルツルの地面は苦手。
フエルトが得意なのも、滑りやすい海苔や苔があるところ(と、言われている)。
しかし、泥や苔で目詰まりしたら効果はゼロだし、スパイク同様、表面がツルツルの地面は苦手。
フエルトとスパイクが一緒になったフエルトスパイクでも、相乗効果はそんなに出るものではない。
ゴム底であるラジアルタイプの方がスパイクやフエルトよりはマシだが、ゴムが硬かったり、砂や土を噛んでいる状態ではグリップが効かず、これまた滑りやすい。
プラスティディップは柔らかいゴム素材のため、表面がツルツルのテトラポットやゴロタ石のようなところでは食いつきが良く、グリップが効いて滑りにくい。
プラスティディップは、「柔らかいゴム素材」というのがミソなのだ。
砂が落ちやすい
もう一つ、プラスティディップ処理した靴底は砂や土が付きにくいことも利点。
ラジアルやフエルトソールのウェーダーを履いてサーフの釣りを習慣にしている人は、車の中が砂まみれ・・・なんて経験は無いだろうか?
また、特にテトラポットのあるサーフなどでは、砂浜からテトラポットに乗る際、靴底に砂が付着してテトラポット上で滑ることがある。
このように、ゴム製であるラジアル底であっても、砂や土がくっ付きやすい。
ラジアル底に砂や土がくっつくと、車の中にそれらを持ち込んでジャリジャリになるばかりか、砂などを噛んだ状態でテトラポットなどに乗ってしまうと、グリップ力が効かずに滑る危険性が高い。
それがプラスティディップで処理した靴底では、砂や土が付きにくい。
多少くっついたとしても、軽く払えば簡単に落ちて、砂離れが非常に良い。
プラスティディップ底が適さない釣り場
このように、ツルツル表面のコンクリートなどでは非常に重宝するプラスティディップではあるが、苦手なところもある。
それは、海苔や苔などの海藻が付着したところ。
さすがのプラスティディップでも、海藻類がびっしりと生えているところではグリップ力は発揮できない。
そのようなところは、さすがにスパイクの方が向いている。
プラスティディップ底はどんな場所でも滑らない万能性はない。それは、各タイプの靴底と同様。
すなわち、スパイクが苦手とするところではプラスティディップ、プラスティディップが苦手とするところではスパイク、となるだろう。
プラスティディップを上手に塗るコツ
靴底塗布には、ディッピングタイプのプラスティディップがオススメ
プラスティディップは、スプレータイプとディッピングタイプのものの2種類。
↑ディッピングタイプ
↑スプレータイプ
スプレータイプのものが手軽で良さそうだが、スプレータイプは飛び散りやすく、塗料の多くを無駄にしてしまう。
なので、無駄なく確実に塗布したいのであれば、ディッピングタイプがオススメ。
カラーは幾つかあるが、クリアー(透明)が無難。
色によって効果が異なるわけでは無いので、そこはお好みで。
やはりベストはフエルトソール
今回はフエルト底への塗布を紹介するが、ラジアル底であっても塗布は可能。
ただし、ラジアルソールなどのゴム底へ塗布するなら、食いつきが良くなるように前処理にプライマー使用は必須。
しかし、やはり最も耐久性が高いのは、隙間の多いフエルトソールであることは間違いない。
なので、プラスティディップを靴底にを試したいのであれば、ベストはフエルトタイプ。フエルトタイプのシューズを用意しよう。
ヘラを使うと塗りやすい
前回紹介した記事では刷毛を使って塗っていたが、今後もプラスティディップを使うのであれば、個人的にはヘラがオススメ。
ヘラの方がフエルト目地へこそぎやすい。フエルト目地の奥までプラスティディップを染み込ませれば、剥がれが少なく、耐久性も高くなる。
刷毛だとゴムが固まらないうちに薄め液で洗わないといけないので、後片付けが煩雑。
その点、ヘラだとゴムが固まってから簡単に剥がせるので、管理が非常に楽。
よって、定期的にプラスティディップ処理をするのであれば、刷毛よりもヘラの使用をオススメする。
【フエルト底へプラスティディップ】塗布手順
先日購入したベルトレスヒップウェーダーへ、プラスティディップを処理してみた。
【用意するもの】
・プラスティディップ
・ヘラ
・マスキングテープ(今回はガムテープで代用)
・割り箸(プラスティディップをかき混ぜるため)
室内で作業するときは、新聞紙やダンボールを敷いておこなうこと。
仮に床に垂れても固まれば簡単に剥がれるので問題ないが、家族からの無駄な批判を受けずに済むので、新聞紙やダンボールを敷いて作業した方が無難。
また、室内でやると溶剤のにおいがすごいので、換気は充分におこなうこと。
ちなみに、換気にしないでやったところ、嫁や子供たちからの非難が凄かった・・・(;´д`)
家族の目を気にしつつ、準備万端で作業をしよう。
マスキングテープを貼る
プラスティディップを塗る前に、プラスティディップが付いて欲しくない箇所へマスキングテープを貼っておく。
今回はマスキングテープがなかったので、ガムテープを使ってみたが、ぜーんぜん大丈夫。
他の箇所へくっつけずにキレイに塗れるのであれば、別にマスキングテープを使わなくても良い。
1回目は、フエルトの間へこそぎ入れるように塗布
いよいよ、プラスティディップを塗っていく。
まぁこんなことは書いてあるが、そんなに厳密にやらなくても大丈夫。(経験上)
缶を開けると、こんな感じ。粘度は高め。
ちなみに、ラッカーうすめ液で薄めて塗布することもできるようだが、そこまでは必要ないだろう。
割り箸でグリグリ混ぜておけば、大丈夫っしょ!(テキトー)
最初はフエルトの中まで浸透させるよう、ヘラを使ってこそぐように塗っていく。
しっかりと乾燥させてから、重ね塗り
満遍なく塗ったら、しばらく乾燥。
ドライヤーを使えば速く固まるが、ドライヤーを使わなくても30〜60分程度で固まる。
固まったら、あとは重ね塗り。
これを3〜4回繰り返しおこなう。
重ね塗りが完了し完全に固まったら、マスキングテープを剥がして完成。
余談だが、完成したと思ってすぐに車の中へ入れておいたら、翌朝の車の中は溶剤のにおいで充満していたので、完全に固まったと思っていても、完成してもしばらくは換気の良い場所へ置いた方が無難。
まとめ
久々のプラスティディップネタだったが、実は以前に掲載した記事が思いのほか好評で、いまだに一定のアクセス数があるほど。
実際に試して良かったという声もコメントも多数いただいており、効果は間違いない。
↑写真は釣行後のソール。
さすがに、ゴム底部分(「レフレフ」と顔文字部分)はプライマーを塗布してないのですぐに剥がれたが、フエルト部分は良好。
多少砂が付いていても、軽く払えばパラっと落ちるので、砂離れは良好。
フエルトの目地に砂が入らないので、砂浜を歩くときでも重くならないし、釣行後の車の中への砂の持ち込みも減るので、車の中が砂だらけになることも少ない。
コンクリート上でのグリップ力もなかなか。吸い付くような感覚が逆に気持ちがよい。
釣行を繰り返してすり減ったら、再度上記のプラスティ処理をすれば良いので、これによって靴底を長持ちさせる効果もある。
西湘サーフや静岡サーフなら、ほぼこの靴底だけで充分。
この429mlサイズで、3回分くらい。しっかりと蓋をすれば保存も利く。
本ブログではフエルト底への用途しか紹介していないが、プラスティディップは他にも工具のグリップ部分へ塗布したり、車のボディへも利用されているようだ。絶縁体にもなるから、アイディア次第でいろんなことに使えそう。
同じゴム底としては、「滑らない靴底」で有名なハイパーVを凌ぐと言って良いくらい、グリップ力はかなりのもの。
興味のある方はDIY感覚で試してみてはいかがでしょうか?
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