同じフラットフィッシュでこんなに違う。ヒラメとマゴチの特性の違いから考える戦略

ヒラメとマゴチはフラットフィッシュと称され、共にボトムに潜んでエサを捕食している。

どちらもサーフで釣れるため、サーフフィッシングの2大メインターゲットとなっている。

ヒラメは「寒ヒラメ」、マゴチは「照りゴチ」と一般に言われるが、こと西湘サーフでは季節を問わず、一年中釣れる。

そして、釣り場によってマゴチが溜まりやすいポイント、ヒラメが溜まりやすいポイントはあるものの、西湘サーフではどちらも共通して釣れる。

しかし、ヒラメとマゴチとでは、明らかに性質が異なる。

そこで今回は、これまでのサーフでの釣りの経験をもとに、ヒラメとマゴチの性質の違いを解説。

さらにそこから分かるアングラー側のヒラメへの適性,マゴチへの適性なんかも述べてみたい。

西湘サーフでの経験

2012年3月、今から約9年前。

この時から西湘サーフのヒラメ、マゴチ狙いを本気で始めた。

当初はマゴチしか釣れなかった

西湘サーフで釣りを始めた頃、まずはワームの釣りからスタート。

理由は、ただ単純にワームの方が釣れそうと思っていたから。

ヒラメは底にいる魚だから、とにかくワームでボトムをていねいに探るものの、釣れるのはマゴチばかり。


最初のチャレンジから1年ほどは、とにかくマゴチしか釣れなかった。


マゴチが釣れるたび、さらにボトムをていねいに。それのスパイラル。

しまいにはボトムバンピングでひたすらネチネチ攻めていくが、最初のヒラメの釣果がとても遠かった。

ある経験をきっかけに、ヒラメばかり釣れることに

そして初めてヒラメが釣れたのは、ボトムをひたすら探ったワームではなく、メタルジグをテロテロ泳がせていた時。

20gのメタルジグで何も考えずに、ブレイク付近をテロテロと泳がせていたら、ソゲサイズではあったが初めてヒラメが釣れた。

その後はショアスローやフローティングミノーでたまに釣れるようになったが、どーも最初に考えていたボトム狙いとは違うような。

そして、とある朝マズメ釣行。

日の出前から釣りを始め、日の出後もまったく釣れず。

そんな中、シーバス狙いでこれまで積極的に使ったことのなかったバイブレーションを、ヤケクソ気味でボトムタッチせずに表層速巻き。

すると、なんと52センチのヒラメが突然ヒット。
>> その後のヒラメ釣りに大きなヒントとなった朝練(2014/12/20)

この時の釣果をきっかけに、別の日にバイブレーションでの速巻きを再現してみたところ、やはり同じようにヒラメが釣れるようになった。

逆にボトムを意識しすぎない方がヒラメは釣れる。

この時の経験以来、様々なタイプのルアーを使ってヒラメが釣れるようになった。


ヒラメの釣り方が分かってからは、逆にマゴチが釣れなくなったけどね。

ヒラメとマゴチの違い

こうした経験から、ヒラメは浮かせて、マゴチは底付近ということを体感。

どちらもフラットフィッシュと称され、どちらもボトムに潜んでエサが来るのを待つタイプの魚ではあるが、性質には若干の違いがある。

そこで、今度は理屈で考えるべく、ヒラメとマゴチがエサを捉える上での性質の違いを確認していこう。

目線の違い

まずヒラメとマゴチでは、目線が違う


一般的な理屈としては、ヒラメは目線が上方向,マゴチは水平方向ということはよく言われる。

この理屈でいくと、ヒラメは上方向を広範囲に認識でき、マゴチは横方向のボトム付近を狭い範囲で認識しているということになる。

食性の違い

あともう一つ、食性の違いもあるのかなとも思っている。

ヒラメの腹の中をみると小魚が入っていることがほとんどだが、マゴチの場合は小魚の他に、エビやカニなどの甲殻類やタコやイカなどが入っているのをよく見かける。

つまり、ヒラメは泳ぎ回る小魚を食べるのに対し、マゴチはボトムに着いている獲物を好んで食べるのではないかなと。

そういったことから考えても、ヒラメとマゴチとでは目線が違うというのは、確かに合点がいく。

運動能力の違い

そして、ヒラメとマゴチとでは運動能力の違いもある。

ヒラメの背骨は上下方向に動くため、特に上方向へのダッシュ力には優れている。


特に朝マズメ時にヒラメのライズが見られるのは、そのダッシュ力ゆえ。

西湘サーフでフローティングミノーを引いてもアタックしてくることから、表層近くでもボトムからダッシュしてくることは容易に想像できる。

一方のマゴチ。

マゴチはヒラメのようなダッシュ力は無いので、ヒラメほど速い動きには追いつかない。


しかもマゴチはヒラメと違って、背骨が左右方向へ動くため、どちらかといえば水平方向への動きには対応しやすい。

よくマゴチを釣る時は「ボトムから50センチ以内」にルアーを通すよう言われるが、ルアーの動きがマゴチの泳ぎに追いつくくらいのスピードであれば、ボトムから50センチ以上上を通っても平気で食ってくるように思う。

とはいえ、やはりマゴチはヒラメに比べて、速いスピードのものを捉えるのは苦手かな〜とは思うよね。

【性格別】ヒラメが向いている人、マゴチが向いている人

このような両方の性質を理解すると、人によってヒラメ釣りが向いている人と、マゴチ釣りが向いている人とに分けられるように思えてきた。

以下、自分なりの仮説を立ててみたので、ご参考まで。

ちなみに、自分は・・・ヒラメ向き・・・かな?

ヒラメはいいかげんな人向き

ヒラメは大雑把にざっくりと探っても釣れるから、いい加減な人に向いている。

また、釣りする時間が限られている人にも、テンポよく探れるヒラメが向いている。

マゴチは几帳面な人向き

対してマゴチの方は、狭いレンジボトムを丹念に探るため、几帳面な人向け。

もちろん、ていねいにボトムを探っていけば、マゴチだけでなくヒラメやホウボウ、西湘サーフならカサゴ、近年ではハタ類だって釣れるチャンスもある。

ただし、それだけボトムをたんねんに探れば、それだけ時間もかかる。

なので、時間に余裕がある人にもマゴチの釣りは向いている。

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まとめ

・ヒラメは捕食レンジがボトムから表層までと広く、動きも速い。小魚中心の食性。

・マゴチは捕食レンジがボトム近辺にほぼ限定され、動きが遅い。甲殻類から小魚まで幅広い食性。

したがって、もし過去のゆたりなのように、ボトムを丹念に攻めているのにヒラメが釣れない人は、ヒラメがルアーを見つけやすいよう、もう少しレンジを浮かせてみよう。

逆にヒラメばかり釣れてマゴチがどうしても釣れない人は、もう少しボトムを意識した攻めをしてみよう。

こうしたそれぞれの性質を理解できていれば、状況に合わせた攻め方ができるし、ヒラメやマゴチの釣り分けなんかも可能。

自分がこれまで思っていた性格別の向き不向きも挙げてみたが、あくまでも参考程度に。

自分の性格にあった魚を狙ってみるもよし、単純に食べたい魚を狙ってみるもよし。

ヒラメ,マゴチの各性質を熟知して、より深みのあるサーフフィッシングを楽しもう。

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