【ヘビーリグ根掛かり対策】タックル構成から根掛かり回避,外し方の手順まで解説

根掛かりの対策について。前回は根掛かりを考える上での基礎となる「海底のタイプとその他要因」について述べた。
▼前回までの記事▼


前回内容を踏まえた上で、今回は具体的なタックル構成から根掛かり回避方法,根掛かりの外し方までを述べていきたい。

特に今回は、ショアからのハタゲームのようなヘビーリグの使用を前提に解説。

ヘビーリグでは、リグのウエイトupにより飛距離や深場での底取り感度はupするが、その一方で根掛かったときにはガッチリとハマりやすく、回避のハードルも高くなる。

そんな難易度高めのヘビーウェイトリグを基本に解説したい。

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根掛かり対策のタックル構成

全体的に張りの強い、硬めのロッドが最適

根掛かり対策に最適なロッドは、全体的に張りの強い、硬めのもの。
 
ティップが柔らかすぎると、リグの着底感が鈍くなる。

リグの着底感が鈍いと、リグが岩の隙間に入り込んでしまうので、根掛かり頻度がアップする。

さらにバットまでが柔らかいと、岩の間にスタックしたリグを外す際にロッドシェイクをしても、ロッド自体がシェイクの衝撃を吸収、リグにシェイクの衝撃が伝わらないので外しにくくなる。

さらにラインが岩の間にさらに食い込みやすく、余計に外しにくくなる。

ちなみに、不肖ゆたりなが最近購入したロッドは、いずれも根掛かり回避能力も考慮したもの。
潮の流れやアタリを感じる「感度」より、根掛かり対策に必要なボトムコンタクトでの「感度」を強調したロッドが、購入する際の一つの目安になると思う。

根掛かり回避に必要なティップやバットの張りは、自分がこれまで使った限りではラフサーフ88がベスト。

エギングロッドよりも充分な飛距離が出せ、魚を掛けた時は適度な曲がりもあるため、非常にバランスが良い。

つまり、硬いだけじゃなく、適度に曲がってくれるのが、ラフサーフ88。

硬すぎると魚を掛けたとき曲がらずつまらないので、そこらへんのバランスは個人の好みで選んでほしい。

PEラインは太めを選択

根掛かり対策のPEラインは、「極力」太めのものが良い。

フックがサンゴのような根に掛かった場合、根ごと引きはがしたり、フックを折るくらいの強度はほしい。

特にホームとしているご近所サーフでは、投げ釣りなどによるロスト仕掛けによる根掛かりも多い。

これに絡まるとなかなか外すことができないので、ロスト仕掛けを強引に切るくらいの太仕掛けが必要。

ただし、「極力」とあえて述べているのは、飛距離を考慮してのこと。

ラインを太くすれば、当然、飛距離は落ちるので、自分が必要とする飛距離も考慮してのベターな号数を選択していただきたい。

自分が実際に使用しており、お勧めのラインが、アーマードF+プロ

そして、根掛かり対策に使用する号数は1.5号

近年ではサーフでもハタゲーでもアーマードF+プロの1.5号を使用しており、これが最も飛距離・根掛かり強度共にバランスが取れている。

以前は1.0号(19lbs.)をメインとしていたが、ロスト仕掛けやウィードを強引に引きちぎったり、フックを伸ばすにはそれだとちょっと弱い。せめて1.2号は欲しいところ。

ただ、アーマードF+プロは1.0号以上は1.5号しかないのでそれを使っているが、飛距離も思ったほど落ちないので、現在は1.5号をメインに使用している。

1.5号だとちょっと太いかなと感じるかもしれないが、サーフやハタゲーでの根掛かり対策にはこのくらいは欲しいところだね。

リーダーは太めで張りが強めのフロロが最適

リーダーは張りが強めのフロロライン、しかもできるだけ太めを選択するのが良い。

その理由は、根ズレ強度よりも根掛かり回避能力にある。

ゴロタなどの根掛かりが多い場所でしなやかなリーダーを使用すると、岩と岩の間にリーダーが挟まると食い込みやすい。

さらに細いリーダーは隙間にさらに入りやすくなるため、根掛かりをさらに助長する。

根掛かり対策のためのリーダーは、しなやかさよりもピンピンに硬いくらいの方がちょうど良い。

そのため、リーダーは張りが強めで太めのフロロが最適。

さらに先ほど説明したPEライン(1.5号)とのバランスを考慮、ラインブレイク後のリーダーを組む手間を考えて、それよりちょっと強度を落とした5号あたりが妥当だろう。

フロロリーダーの種類については、シーガーのHP内の製品紹介に各製品の特性を示したレーダーチャートがあるので、そこでの「しなやかさ」を基準に選ぶと良いだろう。

リグはできるだけ軽いもの

今回はヘビーリグを基準に考えているが、底取りや飛距離が一定基準を満たした上で、極力軽いリグの選択がベター。

ふわっと落とせた方が岩の間に食い込みにくいことは、容易に想像できるだろう。

ゆっくり沈むシンキングペンシルのような樹脂系ルアーや、沈みの遅い低比重のブラスシンカーを使うのも、根掛かり対策には良いだろう。

特に最近はMJリグに使用するシンカーにブラス製を多用しているが、沈みが遅いだけでなく変形も少ないので、鉛と比べても岩の間にガッチリ挟まることが少ない。

ブラス製シンカーは比重が低いものの、着底感度はそれほど鈍くないので、根がきつい場所ではこういったものを上手に利用すると良いだろう。
 

根掛かり回避のコツ

偏光グラスで大体の海底の状態を把握しておく

ボトムの状態をあらかじめ目視で確認,把握することも、根掛かり回避対策には必要。

沖の方までは目視できないかもしれないが、沖のボトム状態をイメージできるだけでも、近場であっても海底の状態を把握することには意味がある。

ボトムを攻める時の意識や心構えが違ってくるはずだ。

不用意な糸ふけを出さずに、着底後はすぐリフト

根掛かり回避に必要なのは、ラインから伝わるボトムタッチの感度。

余計な糸ふけを出さないことは、感度を維持するためには必要不可欠。

その感度を維持したうえで、リグが着底した瞬間に素早くリフトすることが、根掛かり回避には必要。

着底感度が鈍いと、リグが着底した瞬間が分からないため、着底感が手元に伝わるまでの間にリグが岩の隙間に入り込んでしまったり、ルアーが寝てしまうことでフックが根に引っ掛かりやすくなる。

着底からの巻き上げを早くするためにもハイギアリールを

ロッドを立て気味に操作する

ボトムコンタクトをする際は、ロッドを立てて操作すること。

ロッドを立て気味にして操作することで、ラインとボトムの角度をできるだけ大きく(鈍角)する。

この角度を小さく(鋭角)してしまうと、リグが岩の間にスタックした際にリーダーまでもが挟まりやすく、根掛かりを外すのが困難になる。

以前の記事でも紹介した、接着剤のノズルをリーダーへ通すのも、根掛かり対策には有効な手段。
▼参考記事▼

スナップを付ける前にリーダーへ通し、ルアーを接続したらスナップへ被せておけば、飛距離や泳ぎの邪魔をせずに岩の間に挟まりやすいチモト部分を保護。
さらにテキサスリグと同じすり抜け効果も期待できる。

特にゴロタ場などの根がきつい場所では、ぜひ試してみてほしい。

根掛かりを外すポイント(操作編)

根掛かった場合、根掛かりしてから外すまでの手順を以下に挙げてみる。
 

(手順1)根掛かったと感じたら、無理に引っ張らない

最初に根掛かったと感じたら、無理に引っ張らないこと。

先ほども「感度」の重要性を述べているが、まずはボトムタッチの感覚を意識することが大事。

とはいえ、ティップに重みを感じたらすぐに強く引っ張ってしまうのは禁物。

まずは魚のアタリなのか、根掛かりなのかを判別。

ティップを止め、引き込まれなければ魚からのアタリではなく根掛かり。

根掛かりならば無理に引っ張らず、ラインテンションを「張らず緩めず」の状態にしておく。

(手順2)ティップの反発を利用してシェイクする

貼らず緩めずのラインテンションにしたら、ラインスラックを作ってロッドティップの反発を利用して細かくシェイク。

リグが岩の間に軽くスタックしている状態ならば、これだけでかなりの確率で外せるはず。

反動を強くしてピンピン引っ張ると、岩の間にさらにめり込んでしまうので、大きくロッドを煽るのは禁物。

(手順3)ラインを一旦緩め、引き波を利用して再度シェイクする

(手順2)でも外れない場合、今度はラインを一旦緩め、引き波を利用してラインを沖側に流してラインの角度を変える。

ライン角度が変わった時点で再度シェイクしてみると、意外と外れることがある。

岩の間にリーダーやチモト部分が挟まるタイプの根掛かりは、これで外れることが多い。

(手順4)方向を変えて、再度シェイクする

(手順3)までで外れなければ、今度は立ち位置を変えて同じことを繰り返す。

(手順3)同様、ライン角度を変えることで外れることもある。

(手順5)それでも外れなければ、ラインを引っ張る

ここまでやっても外れない場合、大抵は以下の状態となっているケースが大きい。

・リグが岩の間にガッチリスタックしている
・フックが根や海藻に引っ掛かっている
・根掛かりロスト仕掛けに引っ掛かっている

もうここまできたら、強引に引っ張って外すしかない。

ラインとロッドをまっすぐにし、スプールをおさえて「ゆ~っくり」と引っ張る。

この「ゆ~っくり」がポイント。

せっかちなこの不肖ゆたりなでさえも、1分間以上引っ張り続けていることもある。

ゆ~っくり引っ張ることで、リグに引っ掛かっている根や海藻,ロスト仕掛けを強引に引きちぎることができるし、フックを折って回収できる可能性が高まる。

はやく引っ張ってしまうとPEライン側で高切れを起こりやすく、長いラインを海に残すことになる。

最後まであきらめず、なんとかリグの回収に努めよう。

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まとめ

以上、根掛かりの対策について、1回目は「海底のタイプとその他要因」について、2回目は今回の「タックル構成から根掛かり回避,外し方まで」と、2回に分けて解説した。

これら内容は、根掛かりの多いご近所サーフから最近のハタゲームまで、これでも根掛かりについては自分なりに検証した結果なので、そんなにマトは外れていないはず。

いずれにせよ、底の状態を把握,イメージしたうえで、適切な対策を取っていれば、高い確率で根掛かりは回避できるはず。

今後は「いかにして数や大型を釣るか」という視点ではなく、「いかにして環境に負荷をかけずに釣りを楽しむか」という釣りにシフトすべき。

メーカー側も、「人を釣る」ための商品でなく、環境保護に重視した商品開発をしていただきたいものだ。

そんなことを考えながら、本記事の内容を参考にしていただき、ボトムの釣りを楽しんでいただきたい。

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